「真実の口」1,210 血液型と病気・・・⑨

前回の続き・・・。

前回、 ABO 型の血液の組み合わせにと病気の因果関係の疑問を寄稿した。

表現型・遺伝子型から、次の時代には、遺伝の様式が単純である SNP (一塩基多型:Single Nucleotide Polymorphism【スニップ】)を用いた分析が行われてきたらしい・・・。

ヒトの染色体にはおよそ30億の塩基対があるが、その配列は個人間(相同染色体間)異なっていることは理解できると思う。

だから、一人として自分と同じ存在はないのだから・・・。

標準的な塩基配列と比べると、一塩基だけが違って多様性(多型)が生じていることがあり、これを SNP というらしい・・・。

高校で習ったと思うが、デオキシリボ核酸( DNA )塩基配列には、アデニン( A )、グアニン( G )、シトシン( C )、チミン( T )という4種類の塩基がある。

そして、これらが二重螺旋構造になって、遺伝情報を伝えていっているというのはボンヤリと覚えているのではないだろうか?

DNA二重螺旋構造

私は、共通一次(現在のセンター試験・・・( ̄▽ ̄;)フルッ)を受ける際、理科では化学と生物を選択したので、この遺伝情報にはすごく興味を持って、掘り下げて勉強したのを覚えている。

分かりやすく SNP を図解すると・・・。

SNP

遺伝子を形成する 4 種類の塩基( A, G, C, T )の中で、普通の配列が Aであるものが、 G に変異する(変異型)という現象で、上の配列と下の配列は一箇所を除いてすべて同じ配列なのだが、一箇所だけ上の配列にある核酸塩基 A (アデニン)が、下の配列(変異型)では、この箇所が G (グアニン)になっているのが分かると思う。

このように遺伝子配列の中の一箇所だけが他の核酸塩基で置き換えられている現象を SNP と呼ぶらしい・・・。

ヒトDNAでは、 SNP は約 1,000 塩基に 1 個あると推定されているそうだ。

SNPの大多数は、ゲノム DNA において、遺伝子領域やたんぱく質合成の制御領域以外のところにあり、遺伝的な特徴の変化をもたらさないらしいのだが、遺伝子や制御領域にある SNP は、遺伝的な個人差を生じさせている可能性があるらしい・・・。

つまり、 SNP は、基本的な体質、医薬品の効力や副作用などの個人差や、多因子性遺伝子疾患の発症の個人差などの指標になるとされているようだ。

因みに、 DNA の場合、上記の塩基には相補性があり、二重螺旋構造の対になるのは A-T と G-Cの結合のみとなっている。

つまり、 A 、 T 、 G 、 C の 4 種の塩基うち、 1 種を決めればそれと結ばれるもう1種の塩基も決まる性質になっている。

SNP に対して 3 種類のタイプが存在するのは、ご理解いただけるだろうか?

理由は父親と母親からそれぞれ 1 個ずつの配列を受け継ぐため、その組み合わせが 3 通りになるからだ。

前の図解のように A-G の SNP 変異では、 A/A 、 A/G 、 G/G の 3 通りの遺伝子多型が存在することになりる。

例えば、 ALDH2 (アセトアルデヒド脱水素酵素)という酵素がある。

これは、エチルアルコールの分解に大きな役割を果たす酵素の遺伝子である。

この 3 タイプの中で、 G/G の組み合わせを持つ人は、最もお酒に強いタイプで、白人や黒人では、殆どの人がこのタイプを持っている。

そして、日本人では約半分程度がこのタイプと言われている。

次に A/G タイプの組み合わせを持つ人は、生まれつきお酒が弱いタイプでアジア人に多く、 ALDH の活性は G/G タイプの約 1/16 程度とされている。

最後に、 A/A タイプの組み合わせを持つ人は、代謝活性を示さず、生まれつき全くお酒が飲めず、東アジアに特に多い。

ALDH2異変分布図

上記の地図を見てもらえば分かるが、南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリアは、ほぼ100% が G/Gタイプである。

そのため、これらの国々では、アルコール依存症が深刻な社会問題となっているらしい。

酔わないから、飲みすぎちゃうんだろうなぁ・・・o(‘ー’o)ナットク♪

・・・という訳で。

私は G/G タイプの中でも最強クラスの G/G なのだろう。

そして、会田氏は、 A/A タイプの中でも最弱クラスの A/A になるのではないだろうか?

因みに、日本人は、G/G タイプが 56% 、 A/G タイプが44% 、 A/A タイプが 4% に分類されるらしい・・・。

上記の地図で北米大陸に、A/G タイプと A/A タイプが存在するのが分かると思うが・・・。

これは、遥か昔、モンゴロイド(蒙古系=黄色人種)が、陸続きであったベーリング海を渡って、はるかアメリカ大陸に移住したことの歴史的証明である。

以前、みみかきへの注意を喚起するブログを寄稿したが、この耳垢も SNP によるものである。

耳垢には湿型・乾型があるが、 G/G または G/A だと湿型になり、 A/A が乾型だとなる。

因みに、私は、湿型の G/G である。

乾型の遺伝子である A は、アフリカで全くみられず、中央アジア、北東アジア、北米に多いらしい・・・。

日本列島周辺を見てみると、大陸の北部には A (乾型)が多く、東南アジアには G (湿型)が多いそうだ・・・。

これらを考慮すると、湿型の G を多く持った南方アジア系の縄文人の集団に、乾型の A を持った北方アジア系の弥生人が渡来し、血がまじりあいながら変遷したということが想像できるのではないだろうか・・・?

次回へ・・・。