「真実の口」1,427 SDGs ・・・②

前回の続き・・・。

でっかい目標が掲げられて、それが達成できていないのであれば、空しいだけである・・・。

“ MDGs (ミレニアム開発目標)”の達成度を紐解いてみよう!

MDG達成に対する最終評価 2015
国連ミレニアム開発目標報告 2015《要約版》

ゴール 1 . 極度の貧困と飢餓の撲滅
⇒極度の貧困は過去 20 年にわたり大幅に減少した。 1990 年には開発途上国の人口の半数近くが 1 日 1.25 ドル未満で生活していたが、 2015 年には、その割合が 14% まで低下した。
⇒世界全体では、極度の貧困の中で暮らす人の数は 1990 年の 19 億人から 2015 年には 8 億 3,600 万人と半数以下に減少した。進展の多くは 2000 年 以降に見られた。
⇒労働者の中で中流階級に属する~ 1 日 4 ドル以上で生活する~人々の数は、 1991 年から 2015 年の間にほぼ 3 倍になった。この層は現在開発途上地域の労働人口の半数を占めるが、 1991 年にはわずか 18% だった。
⇒開発途上地域における栄養不良の人々の割合は、 1990 年からほぼ半減し、 1990 年から 1992 年にかけて 23.3% だったが、 2014 年から 2016 年にかけては 12.9% になる見通しである。

ゴール 2 . 普遍的初等教育の達成
開発途上地域における初等教育純就学率は 2000 年の 83% から 2015 年 には 91% まで達している
世界全体では、初等教育就学年齢の非就学児童数は 2000 年の1 億人から 2015 年には 5,700 万人とほぼ半減している。
⇒ MDGs の設定以降、すべての地域の中で初等教育に関して最大の改善が 見られたのはサハラ以南アフリカである。当地域の純就学率は 1990 年から 2000 年にかけて 8% の増加であったが、2000 年から 2015 年にかけては 20% 増加している。
⇒世界全体で 15 歳から 24 歳までの若者の識字率は 1990 年から 2015 年の 間に 83%から 91%まで増加している。男女間の格差は狭まっている。

ゴール 3 . ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
⇒15 年前と比べ今日では、はるかに多くの女子が学校に通っている。開発途上地域全体では、初等、中等および高等教育においてジェンダー格差を解消するという目標は達成されている。
南アジアでは、 1990 年に小学校に通う女子は男子100人に対し74人に過ぎなかった。今日、小学校に通う女子は男子 100 人に対し 103 人である。
⇒女性は、今日、非農業部門で収入を得ている労働者の 41% を占めており、 1990 年の 35% から増加している。
⇒ 1991 年から 2015 年の間に、全女性雇用者数に占める不安定な雇用の割合は 13% 減少している。それに対し、男性における不安定雇用の割合は 9% の減少にとどまっている。
⇒過去 20 年のデータのある 174 カ国のうち、ほぼ 90% の国で女性の国会議員数が増加している。同期間に女性国会議員の占める割合は平均でほぼ倍増した。しかし、女性議員はいまだにわずか 5 人に 1 人である。

ゴール 4 . 幼児死亡率の削減
⇒世界全体で 5 歳未満幼児死亡率は 1990 年から 2015 年の間に生児出生 1,000 人当たり 90 人から 43 人へと半分以下に減少した。
⇒開発途上地域での人口増があるにもかかわらず、世界全体の 5 歳未満幼児死亡数は 1990 年の 1,270 万人から 2015 年にはほぼ 600 万人まで減少 している。
⇒ 1990 年代初頭以降、世界全体で 5 歳未満幼児死亡率改善のペースは 3 倍以上加速している。
サハラ以南アフリカでは、 5 歳未満幼児死亡率の年間削減率は 1990 年~ 1995 年と比べて 2005 年~ 2013 年は 5 倍以上のペースとなった。
はしかの予防接種によって 2000 年から 2013 年の間に 1,560万人が死を免れた。同期間にはしかの症例報告数は世界全体で 67% 減少した
⇒ 2013 年には世界中で少なくとも 1 回のはしかワクチンの予防接種を受けた子どもの割合はおよそ 84% となり、 2000 年の 73% を上回った。

ゴール 5 . 妊産婦の健康の改善
⇒ 1990 年以降、世界中で妊産婦の死亡率は 45% 減少し、減少は主に 2000 年以降に見られる。
⇒ 1990 年から 2013 年の間に、南アジアの妊産婦死亡率は 64% 減少し、サハラ以南アフリカでは 49% 減少した。
⇒ 2014 年には、世界の 71% 以上の出産は熟練医療従事者の立会いの下に行われた。これは 1990 年の 59%から上昇である。
北アフリカでは、最低 4 回の出産前診察訪問を受けた妊婦の割合は 1990 年から 2014 年の間に 50% から 89% まで増加した。
⇒婚姻又は内縁関係にある世界中の 15 歳から 49 歳までの女性の間で、避妊手段の普及は 1990 年の 55% から 2015 年には 64% まで増加した。

ゴール 6 . HIV/エイズ、マラリアその他疾病の蔓延防止
HIVへの新たな感染は 2000 年から 2013 年の間に約 40% 低下し、推定 350 万人から 210 万人まで減少した。
⇒ 2014 年 6 月までに世界中で 1,360 万人の HIV 感染者が抗レトロウイルス療法(ART)を受けていたが、これは 2003 年の80万人から飛躍的な進歩である。ART によって1995年から2013年の間に 760 万人がエイズによる死を免れた
⇒ 2000 年から 2015 年の間に 620 万人以上の人々がマラリアによる死を免れた。その多くはサハラ以南アフリカに住む 5 歳未満の子どもたちである。世界のマラリア発生率は推定で 37% 低下し、死亡率は 58% 低下した。
⇒ 2004 年から 2014 年の間に 9 億枚以上の殺虫剤処理された蚊帳が、マラリアが風土病となっているサハラ以南アフリカの国々で配布された
⇒ 2000 年から 2013 年の間に結核の予防、診断、治療によって推定で 3,700 万人の命が救われた。1990 年から 2013 年の間に、結核による死亡率は 45% 低下し、結核の有病率は45% 低下した。

ゴール 7 . 環境の持続可能性の確保
⇒オゾン層破壊物質は 1990 年以来実質的には除去されてきており、オゾン層は今世紀半ばまでには回復すると見込まれている
⇒ 1990 年以来多くの地域で陸上および海洋の保護対象領域が大幅に拡大した。ラテンアメリカ・カリブ海では 1990 年から 2014 年の間に陸上の保護対象地域の範囲は 8.8% から 23.4% まで拡大した。
⇒ 2015 年には世界の人口の 91% が改良された飲料水源を使用している。それに対し 1990 年は 76% だった。
⇒ 1990 年以降に改良された飲料水を利用できるようになった 26 億人のうち、 19 億人が身近に水道を引くことができた。今や世界の人口の半数以上( 58% )がこのような高い水準のサービスを享受している。
⇒全世界で 147 カ国が飲料水の目標を達成し、 95 カ国が衛生施設の目標を達成し、77 カ国が両方の目標を達成している。
全世界で 21 億人が改良された衛生施設を利用できるようになった。1990 年以降野外排泄を慣行としている人々の割合はほぼ半減している。
⇒開発途上地域で都市部のスラムに住む人口の割合は 2000 年の約 39.4% から 2014 年には 29.7% まで低下した。

ゴール 8 . 開発のためのグローバル・パートナーシップの推進
⇒先進国からの政府開発援助(ODA)は 2000 年から 2014 年の間に実質 66% 増加し、 1,352 億ドルに達した
⇒2014 年には、デンマーク、ルクセンブルク、ノルウェー、スウェーデンおよび英国は、国民総所得の 0.7% というODA諸国に対する国連目標を引き続き上回った
⇒ 2014 年には、先進国の開発途上国からの輸入のうち 79% に非課税輸入が認められ、2000 年の 65% から上昇した。
⇒開発途上国の輸出収入に対する対外債務返済額の比率は 2000 年の 12% から 2013 年には 3% まで低下した。
⇒ 2015 年現在、世界の人口の 95% は携帯電話による通話可能域にいる。
携帯電話加入契約数はこの 15 年でほぼ 10 倍に増加し、 2000 年の 7 億 3,800 万件から 2015 年には 70 億件を超えた
インターネットの普及率は 2000 年に世界の人口のわずか 6% 余だったもの が2015年には 43% まで増加し、その結果、 32 億人がグローバル・ネットワークのコンテンツとアプリケーションにつながっている

MDGsの総括として・・・。

『界中で多くの MDG 目標について重要な成果が 得られているが、進展は地域や国をとおして一様ではなく、大きな格差が残っている。何百万もの人々、とりわけ最も貧しい人々、性別、年齢、障害、民族性又は地理的条件のために不利な立場にある人々が置き去りにされている。最も脆弱な人々に手を差し伸べるためには目標を定めた取組が必要となる。』

また、以下のような指摘をしている。

⇒根強く残る男女不平等。
⇒最貧層世帯と最富裕層世帯の間および農村部と都市部の間には大きな格差がある。
⇒気候変動と環境悪化が今までの進展を切り崩し、貧困層が最大の被害者となる。
⇒紛争は依然として人間の開発にとって最大の脅威である。
⇒何百万人もの貧困層が基本サービスを利用で きず、いまだに貧困と飢餓の中で暮らしている。

更に・・・。

『 MDG アジェンダの成功はグローバルな取組が有効であることを物語っている。 新たな開発アジェンダが誰ひとり置き去りにしないためにはグローバルな取組しか道はない。』

ここから、 SDGs へと引き継がれる・・・。

次回へ・・・。