「真実の口」1,455 化学物質過敏症・・・⑤

前々回の続き・・・。

もう一度、このグラフを見て頂こう!

ホルムアルデヒドとシックハウス症候群

• 濃度が高いとシックハウス症候群の訴えが増える
• 濃度が増加すると新たにシックハウス症候群が発生する

これが研究結果だろうか・・・?

素人でも分かりそうなもんじゃないだろうか・・・??

科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)

これは前回提示した厚生労働省のマニュアルよりも詳細に解説されたものなのだが・・・。

これらの対策として、以下のようなことを推奨している。

・ホルムアルデヒドは厚生労働省による室内濃度指針値が設けられており、多くの住宅では指針値濃度を下回っているものの、濃度が高くなると症状を訴えるリスクがあがる関係が見られたことから、特に新築の家屋では室内濃度を下げるために窓をあける、24 時間換気装置を使うなどして部屋の換気を十分に行うことが、シックハウス症候群の予防対策には重要であると言えます。

・ホルムアルデヒドについては JIS や JAS で表示記号が定められており、室内に持ち込む家具・製品 についても、どんな塗料・接着剤が使用されているかわからないものより、品質が明確なものを購入することが推奨されます。

オイオイ・・ (;´д`)ノ

次に、微生物由来揮発性有機化合物( Microbial VOC: MVOC )が取り上げられている。

これは、当 Blog で取り上げている。

「真実の口」441 シックハウス症候群、規制物質の対象増加(?)・・・その①

この中ではこのように寄稿している。

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シックハウスが世間で注目され、揮発性有機化合物(VOC)ばかりがクローズアップされ、その対策として、低ホルムアルデヒド、あるいはノンホルムアルデヒドへと、時代は傾いていった。

ご存知のように、VOCの中には、ホルムアルデヒドのように、防腐・防カビ効果のある物質が含まれている。

その低減化によって、細菌やカビが増殖するという新たな問題が生じていきているのだから笑い事では済まされない。

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マニュアルでは、微生物由来揮発性有機化合物については、以下のような位置づけのようだ。

・アスペルギルス( Aspergillus )属(※注 1 )およびロドトルラ ( Rhodotorula )属(※注 2 )、ダニアレルゲンが、 シックハウス症候群のリスク要因として示唆された。
・総真菌量、およびユーロチウム( Eurotium )属(※注 3 )はリスクを下げた。 ⇒ 外気から の取入れの影響?

(※注 1 ) コウジカビの一種で、自然界において最も普通に見られるカビで、緑、黄土色、茶、黒、しろ、青緑と菌種によって様々なコロニー形成する。

(※注 2 ) 紅色酵母とも言われ、赤色、紅色、オレンジ色のコロニーを形成し、人に日和見病原性を示すものもある。

(※注 3 ) 乾燥した環境を好む好乾菌で、和・洋菓子類、魚介類乾燥品、ジャム、佃煮など糖あるいは塩濃度の高い食品や、乾燥食品などにしばしば発生し、青緑色又は黄色のコロニーを形成する。

これらについて、シックハウスのリスク要因の一つになるので、室内の通気を良くして積極的に換気をし、カビをはじめとする微生物の発生を抑えることが推奨されるとしている。

次に、準(半)揮発性有機化合物(※注 4 )( SVOC = Semi-Volatile Organic Compounds )が取り上げられている。

(※注 4 ) 揮発性有機化合物のうち、揮発性が少ない物質のこと。

主な準(半)揮発性有機化合物には、フタル酸エステル類や、有機リン酸トリエステル類、殺虫剤などがある。

フタル酸エステル類は、プラスチックやポリ塩化ビニルを加工しやすくするための可塑剤として使用される。

我々が生活する場には様々なプラスチック製品やポリ塩化ビニル製品が、数多く使用されているため、室内環境には、ほぼ例外なく各種のフタル酸エステル類が存在すると言える。

リン酸トリエステル類は、難燃性可塑剤として主に住宅内装材や建材、ウレタン素材、繊維製品、電化製品、ゴム製品等に用いられている。

フローリングのワックスとして広く使用されている。

準(半)揮発性有機化合物は、製品素材とは化学結合していないため、徐々にしみだ し、ガス状、気中微粒子、あるいはダストと結合して存在しているようだ。

更に、 14 歳以下を「子ども」として、 15 歳以上を「大人」して、層別に解析したところ、子どもでよりはっきりとしたフタル酸エステル類ばく露とアレルギーとの関連性が認められたようだ。

また、これらのアレルギーとフタル酸エステル類、リン酸トリエステル類濃度との関連性は、棚から収集したダストよりも床から収集したダストで関連性が強く、日本では、床に座ってくつろぐ習慣があることから、床のダストの影響をより強く受けている可能性も考えられるそうだ。

ただ、タル酸エステル類やリン酸トリエステル類が、シックハウス症候群やアレルギーの原因と確定された報告はない。

しかし、フタル酸エステル類やリン酸トリエステル類は室内環境汚染物質と言えるので、シックハウス症候群やアレルギーの訴えがある家では、特にこれらの化学物質にさらされることを小限にするための対策が大切らしい・・・。

ご丁寧にイラストまで添えて、ハウスダスト対策を訴えている。

ダストのたまりやすい場所

なんだか、暗に、「カビやハウスダストの影響があるんじゃないの?」って取れそうなレポートだ・・・(笑)。

そして、シックハウス対策の基本は・・・。

建築衛生からみた住居改善

① 汚染の発生・流入を抑える。
② 換気により速やかに 希釈・排出・排除を図る。

最終的には、『きれいな住環境を保つように心掛ければシックハウスも大丈夫!』みたいな感じである・・・(笑)。

次回へ・・・。