「真実の口」1,829 東日本大震災から 11 年

東日本大震災から 11 年の月日が経過した。

死者は、15,900人

2021 年 3 月 11 日時点から 1 人の遺体が犠牲者と判明した。

内訳は、宮城県が 9,544 人と最も多く、岩手県 4,675 人、福島県 1,614 人、他 9 都道県で 67 人

行方不明は、2,523 人

内訳は、宮城 1,213 人、岩手 1,110 人、福島 196 人、千葉 2 人、青森 1 人、茨城 1人

DNA型鑑定などで身元が特定されて 3 人少なくなった

身元が判明した 3 人は、東松島市の女性、宮城県石巻市の女性、岩手県山田町の男性。

更に、避難生活で体調を崩すなどして亡くなる震災関連死は、 3,786 人にも上る。

死者、震災関連死、行方不明者を合わせると、22,209 人になる。

また、避難生活を送る人は福島の被災者を中心に、未だに 38,139 人もいらっしゃる。

福島県では、今春、帰還困難区域の一部で避難指示が解除される予定だが、住民の帰還が進むかは限りなく不透明だ。

岩手、宮城、福島 3 県を中心に最大 12 万戸あった仮設住宅も約 750 戸に減った

政府主催の式典は、昨年の 10 年目を節目に最後となり、今年からは開かれないようだ。

例年式典を開催してきた岩手、宮城、福島県の沿岸自治体の 4 割強にあたる 14 市町村では「 10 年が一つの区切り」などの理由で式典を行わないらしい。

特に、宮城県では、 13 市町のうち 10 市町が、今年は開催せず、献花台を設置したり形式を変更したりする方針のようだ。

一方、岩手、福島の両県では、従来通り実施する自治体が多いようだ。

ただ、開催する自治体でも、これまで行ってきた遺族代表のあいさつを、「遺族の負担が大きい。」として取りやめる自治体があるようだ。

かくいう私も今年は東北入りしていない。

ただ、東北の農家から技術指導のオファーが来ているため、 4 月~ 5 月にかけて、福島、宮城、山形、秋田、青森と回る予定なので、その際に、被災地にも足を運べたらとは考えている。

昨年は震災から 10 年を迎え NHK のアンケートに基づく国民の声と東北の方たちの声の違いをお届けしたのだが、今年は NHK が岩手・宮城・福島の被災地の方 1,000 人にアンケートを行った結果をお伝えしたいと思う。

このアンケートは、 2 月 1 日~ 3 日にかけて、岩手・宮城・福島の沿岸と原発事故による避難指示が出された地域に住む 1,000 人に WEB 上でアンケートを行ったものである。

回答者は男性 580 人、女性 420 人で、平均年齢は 51 歳となっている。

Q. 住んでいる地域の復興状況について・・・

▽「復興は完了した」 14%
▽「思ったよりも進んでいる」 29%
▽「思ったよりも遅れている」 29%
▽「全く進んでいない」 6%
▽「わからない」 21%

県別で見ると「復興は完了した」と「思ったよりも進んでいる」を合わせた割合は、岩手は 50% 、宮城は 45% 、福島は 37% だった。

Q. 分野別に復興の実感があるか?

「実感がある」 + 「やや実感がある」の割合
▽「道路や鉄道などの交通インフラ」 69%
▽「役所や病院、学校などの公共施設」 53%
▽「地域経済」 29%
▽「まちのにぎわい」 26%
▽「住民どうしのつながり」 20%
▽「暮らし向き」 19%

Q. まざまな支援策について必要か?

▽「人材登用や企業誘致など外部パワーの活用」 55%
▽「地域の企業や産業への経済的な支援」54%
▽「被災者の心のケア」 54%
▽「個人や世帯への経済的支援」 47%
▽「行政やNPOによる見守り活動」 44%

▽「風評被害の払拭」(福島県に住む人のみ) 66%

Q. 原発の処理水を海に放出について?

▽「海洋放出すべき」 32.3%
▽「海洋放出すべきでない」 28.3%
▽「その他」 2.4%
▽「わからない」 37.1%

残念ながら、アンケートの全容が掲載されていないので一部をピックアップさせて頂いた。

今回は、現地に赴いていないので、被災地の現状を写真で見ることが出来るサイトがあるので紹介する。

つちおと情報館

また、震災後、 10 年と言う節目を超えて風化させないための「国立国会図書館東日本大震災アーカイブ」も紹介しよう。

国立国会図書館東日本大震災アーカイブ(愛称:ひなぎく)

ここには以下の記録が集約されている。

1. 公的機関が所蔵又は作成した記録と基礎的データ(観測データ・測量データ、アンケート個票等)
2. NPO 、ボランティア団体等の活動及び被災地の状況に関する記録(特に他の機関等が収集しない動画・画像)
3. 学術機関・団体による調査・研究及び基礎的データ
4. 企業における活動の記録
5. 震災による原子力発電所の被害及び事故に関する記録
6. 被害に関して学術的・歴史的に価値のある情報を含む動画・画像等

私たちに出来ることは限られているかもしれないが、決して忘れないことである。

2022 年 3 月、新型コロナウィルス( COVID-19 )やロシアのウクライナ侵攻と世界的に不安な情勢となっている。

この 3.11 という日だからこそ、人間としてどう生きるべきであるのか改めて考えるのも良いのではないだろうか?