「真実の口」1,473 新型コロナウィルス・・・⑬

前回の続き・・・。

2 月 26 日、東京都及び北海道より、新型コロナウィルスに関連した死亡症例の報告があった。

【概要・国内死亡 2 例目】

●年代: 80 代(国内 56 例目の感染者)
●性別:男性
●居住地:東京都
●死因:肺炎
●経過:
・ 2 月 9 日、食思(※注 1 )不振。
・ 2 月 13 日、発熱あり、都内医療機関 A 入院。
・ 2 月 16 日、呼吸状態悪化し、気管内挿管。
・ 2 月 18 日、 PCR 検査陽性。その後、都内医療機関 B に転院し、 ICU 管理。
・ 2 月 26 日、死亡確認。
●行動歴:
・渡航歴なし。
・陽性確定者との接触なし。

(※注 1 ) 食欲のこと。

【概要・国内死亡 3 例目】

●年代:ご家族のご意向により非公表(高齢者)(国内 154 例目の感染者)
●性別:ご家族のご意向により非公表。
●居住地:北海道
●死因:肺炎
●経過:
・ 2 月 16 日、咳あり。
・ 2 月 17 日、肺炎像あり、入院。
・ 2 月 25 日、ウィルス性肺炎により死亡。
・ 2 月 26 日、 PCR 検査陽性。
●行動歴:
調査中。

同日、大阪府は、先月、新型コロナウィルスへの感染が判明したものの、症状が回復し、陰性が確認されていた大阪市の 40 代の女性が、再び症状が出て陽性になったと発表した。

大阪府において、新型コロナウィルスの感染が確認されましたので、お知らせい たします。

大阪府の報道発表資料

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当時の退院基準は、退院時に検査を必須としておりませんでしたが、 2 月 3 日付の厚生労働省からの通知(※注 2 )を踏まえて、大阪府において、念のため、退院後に検査を行い、陰性である旨、確認しておりました。

本人に聞き取りを行ったところ、濃厚接触者に該当する方はいません。

(※注 2 ) 令和 2 年 2 月 3 日付健感発 0203 第 3 号厚生労働省健康局結核感染症課長通知「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型コロナウィルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて」

【概要】
●年代: 40 代
●性別:女性
●居住地:大阪府
●症状、経過:
・ 2 月 1 日(土曜日)、退院。
・ 2 月 6 日(木曜日)、受診。せきあり PCR 検査を実施し、「陰性」を確認
・ 2 月 13 日(木曜日)、受診。症状なし。
・ 2 月 19 日(水曜日)、のど違和感と胸の痛み。
・ 2 月 21 日(金曜日)、受診。のど違和感と胸の痛み。
・ 2 月 22 日(土曜日)、受診。のど違和感と胸の痛み。
・ 2 月 25 日(火曜日)、受診。のど違和感と胸の痛み。
・ 2 月 26 日(水曜日)、 PCR 検査を実施し、検査陽性が判明。
●行動歴:
・毎日マスク着用し、仕事は行っていない。
・退院後、自宅にて静養中であった。

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大阪府によると、濃厚接触者はおらず、女性は現在、府内の医療機関に入院しているとのこと。

■専門家の見解

感染症に詳しい大阪大学医学部附属病院感染制御部の朝野和典教授

「詳しい状況がまだ分からないが、ウィルスに感染すると体内に抗体が作られるため、同じウィルスに再び感染することは、一般的には考えにくい。ただ、抗体が十分に作られていなかった場合は、再度、感染することや、体内のどこかに潜んでいたウィルスの量が増えてきたという可能性もあるのではないか?」

感染症の予防対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授

「抗体が十分には作られず、ウィルスを完全に排除できなかったため、症状がなくなっても、体のどこかにウィルスが潜む『持続感染』が起きていた可能性がある。ウィルスが再び、腸など呼吸器以外の場所で増えて、検査で検出できる程度の量にまで戻った可能性がある。(一方、新型コロナウィルスに再び感染した可能性については)退院してからずっと自宅で療養していたことを考えると、可能性は低いのではないか?今回のケースは、症状がいったん治まったあとでも油断できないということを意味しており、新型コロナウィルスに対応するうえでの大きな課題が見えたと言える。再びウィルスが検出されるようになると、周りの人に感染させる可能性もあるため、国や自治体は今後、退院した患者についてより丁寧に経過観察を行うことが求められる。」

記者会見した藤井睦子健康医療部長は「全国的にも起きていない事例」としたうえで、退院基準などについて国の見解を求める考えを示している。

ただ、新型コロナウィルスの震源地である中国では、 26 日、中国南部の広東省政府が、新型コロナウィルスの感染患者で、治療を受け、退院した人の 14% に再びウィルスの陽性反応が出たと発表した。

発表によると、陽性反応が出ていても、すでに体に抗体ができていれば、ほかの人に感染させるリスクは低いものの、高齢者では、抗体ができるのに時間がかかるため、ほかの人に感染させるリスクがあるとしている。

そのうえで、再び陽性反応が出た人は完全に治ったとは言えないため、病院に対して、患者が退院してからも 14 日間は医学的に経過を観察できる場所に待機させるよう求めているという。

同日、陰性と診断され、多くの乗客が下船した「ダイヤモンド・プリンセス号」では、残された乗員乗客に対して、船内及び国の施設において 2 月 22 日~ 2 月 25 日に検体採取を実施し、これまでに結果が判明した PCR 検査結果が以下のように発表された。

1 )乗員
結果が判明した乗員分 94 検体のうち、 9 検体の陽性(うち無症状病原体保有者 7検体)が確認された。

2 )乗客
結果が判明した乗客分 73 検体のうち、 5 検体の陽性(うち無症状病原体保有者 5検体)が確認された。

陽性が確認されたのは、延べ 4,061 名の検査中 705 名(うち無症状病原体保有者延べ 392 名)となった。

同日、政府は2、総理大臣官邸で新型コロナウィルスの対策本部を開き、その中で安倍総理大臣が、以下のように述べた。

「今がまさに感染の流行を早期に終息させるために極めて重要な時期だ。この 1 、 2 週間が感染拡大防止に極めて重要であることを踏まえ、多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベントなどについては大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後 2 週間は中止・延期または規模縮小などの対応を要請することとする。」と述べました。

さらに安倍総理大臣は、韓国での新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、 27 日から入国申請前の 14 日以内に韓国南部の大邱(テグ)と慶尚(キョンサン)北道清道(チョンド)郡に滞在歴のある外国人については、特段の事情がないかぎり、入国を拒否する措置を取ることを明らかにした。

そのうえで安倍総理大臣は、「基本方針を踏まえ、地方自治体、医療関係者、事業者、そして国民の皆様と一丸となって、対策をさらに進めていくようお願いする。」と各閣僚に指示した。

これを受けて、スポーツ分野では、プロ野球、 J リーグを初め、様々なスポーツイベントの中止や延期、無観客での開催等が次々と発表された。

音楽分野でも、 26 日当日に、 EXILE や Perfume などのライブ中止が発表され、福山雅治さんや米津玄師さんなどの人気ミュージシャンのライブの中止や延期が発表された。

様々なイベントが中止や延期となっている。

この経済的損失は計り知れない・・・。

そして、東京オリンピック・パラリンピックが中止や延期になった場合、経済的損失は 30 兆円以上と言われている・・・。

さあ、どうなるのやら・・・?

2 月 27 日、安倍総理大臣は、「全国全ての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について、来週 3 月 2 日から春休みまで、臨時休校を行うよう要請する」ことを表明。

首相発言により、各方面で混乱を招く結果となったようだが・・・?

新型コロナウィルス感染症対策本部(第 15 回)

私の個人的見解としては、危機感を高めることに関しては功を奏したのではないかと思う。

同日、北海道で、新型コロナウィルスに関連した国内 4 例目となる死亡症例の報告があった。

【概要・国内死亡 4 例目】

●年代: 80 代(国内 99 例目の感染者)
●性別:男性
●居住地:北海道
●死因:確認中
●経過:
・ 2 月 3 日、呼吸苦あり。道内医療機関 A へ入院。
・ 2 月 22 日、 PCR 検査陽性。道内医療機関 B へ入院。安定していたが、入院後、徐々に状態悪化。
・ 2 月 27 日未明、死亡確認。
●行動歴:
・渡航歴なし。
・詳細は現在調査中。

次回へ・・・。