「真実の口」1,677 脱炭素社会・カーボンニュートラル【後編】

前回の続き・・・。

前回は、単純に石油にスポットを当ててみたが、今回はよりリアルにどのようなところで CO2 が排出されているのかを見てみよう。

全国地球温暖化防止活動推進センターから出されているデータがある。

「全国地球温暖化防止活動推進センターとは何ぞや?」と思う人もいるだろう・・・。

全国地球温暖化防止活動推進センター( Japan Center for Climate Change Actions )、略称は JCCCA である。

平成 11 年 4 月 8 日に施行された「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づき同年 7 月 1 日に指定された機関である。

このセンターの目的は、地球温暖化対策に関する普及啓発を行うことなどにより、地球温暖化防止に寄与する活動の促進を図ることだ。

以下のグラフは、 2018 年度の部門別二酸化炭素排出量である。

日本の部門別CO2排出量の割合(直接排出量)

CO2 発生量が最大の部門は、エネルギー転換部門の 40.1% 、続いて、産業部門の 25.0% 、以下、運輸部門 17.8% 、業務その他部門 5.6% 、家庭部門 4.6%、工業プロセス 4.1% 、廃棄物 2.5% と続いている。

続いて、もうひとつグラフを見ていただこう・・・。

日本の部門別CO2排出量の割合(間接排出量)

CO2 発生量が最大の部門は、産業部門の 35.0% 、続いて、運輸部門 18.5% 、以下、業務その他部門 17.2% 、家庭部門 14.6%、エネルギー転換部門 7.9% 、工業プロセス 4.1% 、廃棄物 2.5%、となっている。

順位がだいぶん入れ替わるが、何が違うかというと、直接排出か間接排出かの違いである。

例えば、電力を作る発電部門(=エネルギー転換部門)、分かりやすく言えば東電や関電では、たくさんの化石燃料を燃やし、多くの CO2 を排出しているわけだが、ここで排出される CO2 は、電力会社の排出なのか(?)、それとも、その電気を使うユーザーの排出なのか(?)という考え方なのだ。

「直接排出量」は、発電に伴う CO2 排出を、直接排出しているエルギー転換部門の排出としてカウントしたもの。

「間接排出量」は、その電力を使うユーザー(企業や家庭など)に、電力消費量に応じて CO2 排出量を割り当てて計算したもの。

このようなことから、エネルギー転換部門は、「直接排出量」では 40.1% と多いわけだが、「間接排出量」では 7.9% とう少なくなるわけである。

一方、家庭部門は、「直接排出量」では 4.6% だが、「間接排出量」では 14.6% になり、見方を変えるだけで構造が違ってくるのが理解できるのではないだろうか?

「直接排出量」、「間接排出量」ともに上位に位置する産業部門の詳細を見てみる。

2018 年度温室効果ガス排出量分析(エネルギー起源 CO2 ・産業部門)

◆製造業の内訳の推移

製造業の内訳の推移 ◆製造業の 2018 年度の排出量

◆製造業の 2018 年度の排出量

上のグラフと表から読めるのは以下のようなことらしい・・・。

●製造業においては、鉄鋼業、化学工業、機械製造業、窯業・土石製品製造業、パルプ・紙・紙加工品製造業、食品飲料製造業からの排出量が大きく、製造業全体の 9 割程度を占める。
● 2018 年度の製造業における排出量は前年度から減少している。特に鉄鋼業、化学工業からの排出量が大きく減少している。 2005 年度、 2013 年度からも排出量は減少しており、 2005 年度比では化学工業、鉄鋼業、窯業・土石製品製造業で、 2013年度比では鉄鋼業、化学工業、機械製造業で、特に排出量の減少が大きい。

要は、これらの業種が技術革新(=イノベーション)によって、 CO2 削減が可能かどうかを考えればよいのではないだろうか?

脱炭素化に向けた 次世代技術・イノベーションについて

2050年に向けたイノベーションレビュー 2050年に向けたイノベーションイメージ

これを見て解くと、水素エネルギーがあれば、各産業界ともバラ色の脱炭素生活が待っているように受け取れる・・・(笑)。

水素は、宇宙に存在する元素の約 70% を占めるほど豊富にある物質だが、単体では自然界にほとんど存在せず、地球上では水や化石燃料、有機化合物などの形で存在する。

そこから取り出す方法としては、メジャーなものを挙げれば、水の電気分解から水素をつくり出す“電解法”のほか、天然ガスやメタノール、ナフサなどからつくる“水蒸気改質法”、微生物による有機物の分解を活用した“バイオマス転換法”などの手法がある。

しかし、これらは資源国で化石燃料を採掘する時に加え、製造する時にも CO2 が排出されるのは否めない。

資源のない我が国では、これらをどう考えていくかも必要である。

現在、再生可能エネルギーで発電した電気を水素として蓄え、天然ガスとの混焼や再発電、燃料電池に利用する方法の確立に向けて各国がしのぎを削っている。

この再生可能エネルギーだが・・・。

太陽光発電では、“ショックレー・クワイサー限界”(※注)と言われる太陽電池の変換効率の限界があり、日本でも太陽光発電の売電価格が叩かれていることが物語っているように先は見えていない。

(※注) 1961 年にウィリアム・ショックレー(米)とハンズ・クワイサー(独)が提唱したどのような半導体を用いても太陽電池の効率は 32.7% を超えないとされる限界説。

また、 2019 年初頭、米国の国立再生可能エネルギー研究所( NREL )の大規模施設で、この限界を超えたという実験結果もあるが、残念ながら、複雑な上に高価で、更に大規模施設が必要ということで、我が国では、実現は不可能だとも思われる。

風力発電は、風車のサイズが大きければ大きいほど、コストは下がるという原理原則があるのだが、台風列島と言われる日本では、台風で倒壊してしまうことを考えると大きくもできない・・・。

そもそも、現在、日本で風車は作られていないという現実もある・・・(笑)。

地熱発電は、当たるも八卦当たらぬも八卦ではないが、ます、探査して掘って当たらないといけないというギャンブル的な要素があり、莫大な資金力があれば出来るのかなぁと考えると開発するのは困難である・・・(笑)。

こう考えると、我が国の未来はどうなるのだろうと思うのだが・・・。

ホラ、我が国には、ここに、凄いイノベーションがあるじゃないか?

抗酸化溶液で世界は変わる!

誰か、気づいてくれぇ・・・(」・o・)」