前回の続き・・・。
昨日、アメリカとカナダの研究チームが『 JAMA Network Open 』に発表した子供の新型コロナの後遺症を紹介した。
TBS でもこの記事を取り上げて、日本の医師や子供たちの後遺症に関するインタビューをしていたので紹介する。
~最近 SNS では、子どもがコロナに罹患し、その後になって体に異変が現れたという投稿が増えている~
「小学生、後遺症で髪の毛が抜け始めた。ほぼ寝たきり」
「息子は学校で倒れたらしい。本人はブレインフォグ中で断片的な記憶しかない」
「下の子(小学生)が先月コロナに罹患して、一ケ月以上経過して、咳・たん・全身倦怠感」
上記のように、心配する親たち、不安を抱える子どもたちの様子が投稿を目にする機会が増えてきたらしい。
2020 年から 4,000 人以上のコロナ後遺症患者を診察するヒラハタクリニック・平畑光一院長のインタビュー:
Q. 子どものコロナ後遺症は増えていると感じますか?
「最近やっぱり親御さんがお子さんを連れてこられるケースがすごく増えてきました。今後ですね、 10 代の方、あるいはもっと下の方々の後遺症というのが大きくクローズアップされてくることは間違いないと思います。」
Q. 子どもたちのコロナの症状は比較的軽いと言われていますよね。風邪と同じようなものと考えている人もいるようです。
「それはとんでもない“暴論”だと思いますね。風邪と同じだから大丈夫っていうのは、全く現実を見ていない人の言葉であって、実際に後遺症を見ている人間からすればとんでもない暴論、非常に恐ろしい言論だというふうに思います。
死亡者、重症者の数だけで見ればそう感じるかもしれませんが、実際には死亡も、重症化もしてないけど、後遺症で動けない子どもたちがたくさんいるわけです。なので、一人一人に光を当てて、どのぐらい後遺症で苦しんでるかというところまで目がいかないと、コロナを軽視する議論になりがちだと思います。」
Q.乳児や幼児にもコロナ後遺症はあるんでしょうか?
「あります。一番小さい子だと 1 歳児で相談にこられているケースがあります。幼稚園児や小学校低学年の方々も多く来られています。自分の不調をなかなか言葉でうまく表せない年代です。」
Q. だとすると、親御さんはどのように後遺症に気づかれるんでしょうか?
「それまですごく元気だった子が突然外に行きたがらないとか、幼稚園、保育園、小学校から帰って元気に走り回ってるのが普通だったのに、だるそうにぐったりしてるとか、そういったことで気づかれる方が多いようですね。親御さんは、いかに言葉にできない子どもたちの不調を拾い上げていくかが非常に大事になってくると思います。」
Q. 子どもの“コロナ後遺症”に気づけないとどうなるんでしょうか?
「無理をさせるとコロナ後遺症は症状が重くなることが多いです。にもかかわらず、コロナ後遺症だとわからないで、親御さんが不安になるあまり、無理やり学校に行かせるっていうケースが結構あるんです。
また子どもは、少し元気になったときに最初にやることが遊びだったりするわけですね。テレビを見たり、スマホをいじったり。そういう姿を見て怠けているだけと勘違いし「勉強しろ」としかってしまうこともあるようです。
でも実際は、後遺症が進むと勉強は一切できなくなります。教科書を見るだけでもつらくなり、文章は読めるけど内容が頭に入らないなど深刻です。そういう状態で無理やり勉強させたり、鍛えたらそのうちできると思って本を読ませ続けたりすると、症状がますます重くなってしまいます」
Q. 勉強ができなくなるというのは、子どもにとって長期的に悪影響を及ぼすリスクだと感じます。
「ですので、コロナを軽視しないで、かからないようにすることが大事です。後遺症にならない一番の方法は感染しないことです。多くの方にとって、特に感染が爆発的に拡大している状況においては、ワクチンも打っておいた方がいいものであると思います。
そして、コロナにかかってしまったら『子どもにもコロナ後遺症がある』『無理をさせてはいけない』ということを意識して、感染後も子どもに気を配ることが重要です。」
実際にヒラハタクリニックに通う子どもたちの声:
女子小学生
「(倦怠感は)なんか…大きい岩が自分の体の上に乗っている感じ」
男子中学生
「頭が真っ白になっちゃって、何も考えられなくて、何で俺だけこうなっちゃったんだろうと、結構、精神的にもきつくて…」
貴方はコロナへの感染を安易に考えてはいないだろうか?
先週中半の感染動向をリンクで報告する。
次回へ・・・。