「真実の口」1,901 新型コロナウィルス・・・389

前回の続き・・・。

6 月 10 日(金)に開催された第 80 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和 4 年度第 5 回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)における“血小板減少症を伴う血栓症( TTS )”を報告する。

≪血小板減少症を伴う血栓症( TTS )≫

【ファイザー社製】

1. 報告状況

○ 前回の集計対象期間( 4 月 17 日)以降、コミナティ筋注の副反応疑い報告において、製造販売業者から血栓症(血栓塞栓症を含む。)(血小板減少症を伴うものに限る。)( TTS )疑いとして報告されたて報告された事例が 1 件減少(うち、 3 回目接種後の事例の増加は 1 件)あり、令和 3 年 8 月 3 日から令和 4 年 5 月 15 日までに報告された TTS 疑い事例は計 54 件(うち、 3 回目接種後の事例は 11 件)となった。

2. 専門家の評価

○ 令和 4 年 5 月 15 日までに報告された 54 事例を対象に、専門家の評価を実施。

TTSのブライトン分類(ファイザー社製)

○ 「ブライトン分類」での評価は、 54 事例中、重篤とされている“ 3 ”以上に該当するのは 18 例となっている。

・ レベル 1 ~ 3 の報告件数/推定接種回数・・・ 18 件/ 121,305,475 回接種
・ 100 万回あたりの報告件数・・・ 0.1 件

○ブライトン分類レベル 1 ~ 3 の年齢別・性別の報告件数

年齢(歳) 報告件数
男性 女性 性別不明
0~4 0 0 0 0
5~9 0 0 0 0
10~14 0 0 0 0
15~19 0 0 0 0
20~24 0 0 0 0
25~29 0 0 0 0
30~34 0 0 0 0
35~39 1 0 1 0
40~44 1 1 0 0
45~49 1 1 0 0
50~54 0 0 0 0
55~59 3 3 0 0
60~64 1 1 0 0
65~69 1 0 1 0
70~74 4(-1) 2(-1) 2 0
75~79 1 1 0 0
80歳以上 4 1 3 0
不明 1 1 0 0
合計 18(-1) 11(-1) 7 0
(参考)
65歳以上
10(-1) 4(-1) 6 0
(参考)
12~17
0 0 0 0
(参考)
18~24
0 0 0 0

〔考察〕 前回から、若年層の区分が分かるように掲載されるようになったが、若年層での発症はなく、今回は、症例が 1 例減ったのみなので被害がなく良かった。

【モデルナ社製】

1. 報告状況

○ 前回の集計対象期間( 4 月 17 日)以降、スパイクバックス筋注の副反応疑い報告において、製造販売業者から血栓症(血栓塞栓症を含む。)(血小板減少症を伴うものに限る。)( TTS )疑いとして報告された事例が 1 件減少(うち、 3 回目接種後の事例は 1 件減少)、令和 3 年 8 月 3 日から令和 4 年 5 月 15 日までに報告された TTS 疑い事例は計 11 件(うち、 3 回目接種後の事例は 4 件)となった。

2. 専門家の評価

○ 令和 4 年 5 月 15 日までに報告された 11 事例を対象に、専門家の評価を実施。

TTSのブライトン分類(モデルナ社製)

○ 「ブライトン分類」での評価は、 11 事例、重篤とされている“ 3 ”以上に該当するのは 4 例となっている。

・ レベル 1 ~ 3 の報告件数/推定接種回数・・・ 4 件/ 51,137,833 回接種
・ 100 万回あたりの報告件数・・・ 0.1 件

○ブライトン分類レベル 1 ~ 3 の年齢別・性別の報告件数

 

年齢(歳) 報告件数
男性 女性 性別不明
0~4 0 0 0 0
5~9 0 0 0 0
10~14 0 0 0 0
15~19 1 0 1 0
20~24 0 0 0 0
25~29 0 0 0 0
30~34 0 0 0 0
35~39 0 0 0 0
40~44 0 0 0 0
45~49 1 1 0 0
50~54 1 1 0 0
55~59 1 1 0 0
60~64 0 0 0 0
65~69 0 0 1 0
70~74 0 0 0 0
75~79 0 0 0 0
80歳以上 0(-1) 0(-1) 0 0
不明 0 0 0 0
合計 4(-1) 3(-1) 1 0
(参考)
65歳以上
0(-1) 0(-1) 0 0
(参考)
12~17
1 0 1 0
(参考)
18~24
0 0 0 0

〔考察〕 前回は、初めて 80 歳以上の事例が報告されたが、今回の報告で取り下げられたようで、モデルナ社に関しては中年層に偏っている傾向が続きそうだ。

【アストラゼネカ社製】

1. 報告状況

○ 前回の集計対象期間( 4 月 17 日)以降、バキスゼブリア筋注の副反応疑い報告において、製造販売業者から血栓症(血栓塞栓症を含む。)(血小板減少症を伴うものに限る。)( TTS )疑いとして報告された事例に増加はなく、令和 3 年 8 月 3 日から令和 4 年 5 月 15 日までに報告された TTS 疑い事例は計 2 件(うち、 3 回目接種後の事例は 0 件)となった。

2. 専門家の評価

○ 令和 4 年 5 月 15 日までに報告された 2 事例を対象に、専門家の評価を実施。

TTSのブライトン分類(アストラゼネカ社製)

○「ブライトン分類」での評価は、 2 事例中、重篤とされている“ 3 ”以上に該当するのは 2 例となっている。

・ レベル 1 ~ 3 の報告件数/推定接種回数・・・ 2 件/ 117,161 回接種
・ 100 万回あたりの報告件数・・・ 17.1 件

○ブライトン分類レベル 1 ~ 3 の年齢別・性別の報告件数

 

年齢(歳) 報告件数
男性 女性 性別不明
0~4 0 0 0 0
5~9 0 0 0 0
10~14 0 0 0 0
15~19 0 0 0 0
20~24 0 0 0 0
25~29 0 0 0 0
30~34 0 0 0 0
35~39 0 0 0 0
40~44 0 0 0 0
45~49 1 1 0 0
50~54 0 0 0 0
55~59 0 0 0 0
60~64 0 0 0 0
65~69 0 0 0 0
70~74 1 1 0 0
75~79 0 0 0 0
80歳以上 0 0 0 0
不明 0 0 0 0
合計 2 2 0 0
(参考)
65歳以上
1 1 0 0
(参考)
12~17
0 0 0 0
(参考)
18~24
0 0 0 0

〔考察〕 接種数が少ない為、統計としてみるのは難しいようだ。また、現時点では、男性のみに発生している。

〔総考察〕 今回も血小板減少症を伴う血栓症( TTS )に関する論点のまとめ等は記載されていない。ファイザー社、モデルナ社ともに症例の取り下げがあり、データとしてはこれと言って取り上げるほどのものではなかった。

次回へ・・・。