「真実の口」1,582 菌・ウィルスの除菌、除去(?)【後編】

前回の続き・・・。

前回、トリクロカルバンを含めた 19 成分を使用した抗菌石鹸や抗菌洗剤の一般販売が、 米 FDA により、全米で禁じられ、それを受けて、日本でも薬用石鹸等に使われていたトリクロカルバンが、イソプロピルメチルフェノールへと変更されたということを寄稿した。

抗菌商品で禁止された 19 成分の中で、トリクロサンとトリクロカルバンが多く使用されていたようだ。

トリクロサンとは、どのような成分なのだろうか?

トリクロサンの健康影響について・・・。

☞甲状腺のホルモン量を減少させる。

☞エストロゲンの分泌異常を引き起こす。

☞筋肉の活動を低下させる。

マウスを使った研究では、トリクロサンによって血液中の甲状腺ホルモンの量が低下することや、カエルを使った研究でも、ごく少量のトリクロサンにさらされただけで、カエルのホルモン情報伝達系を乱してしてしまうことがわかっている。

また、人間の筋細胞のサンプルを使って実験を行った結果、毎日トリクロサンにさらされる筋細胞は正常に機能しなくなることが明らかになっている。

マウスや魚類を使った動物実験でも、トリクロサンにさらされることにより、筋肉の活動が低下したという研究結果が出ている。

更に、ある研究では、アメリカの成人を対象に尿検査を行ったところ、約 75% のアメリカ人からトリクロサンが見つかったという・・・。

尿以外にも、トリクロサンが人の母乳や血液などから検出された例も確認されており、トリクロサンが経口や皮膚を通して人体に吸収されることもわかっているようだ。

参考:トリクロサンの安全性に関する追加的情報

そして、トリクロサンの代替品として使用されるようになったのが、塩化ベンザルコニウムである。

塩化ベンザルコニウムは、殺菌・抗菌作用に優れており、防臭作用、柔軟作用、帯電防止作用があり、目薬、ウェットティッシュ、除菌シートとして使用されている。

しかし、残念ながら、トリクロカルバンの代替品として使用されたイソプロピルメチルフェノールと同様に、旧表示指定成分に該当しているのである。

まあ、旧表示指定成分だから、全てが危険と言うことを言いたいわけでは無い・・・(笑)。

塩化ベンザルコニウム及び禁止されたトリクロサンは、アトピー性皮膚炎を増悪する作用があるという研究結果が出ているのである・・・Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン

手指消毒薬の成分がアトピー性皮膚炎に及ぼす影響とその作用機序に関する研究

これは、大分県立看護科学大学看護学部・定金香里助教の研究だが、 2014 年 5 月 27 日に、第 84 回日本衛生学会学術総会で発表されている。

つまり、 FDA が禁止措置を取る前である。

それにも関わらず、メーカーは、代替品として、塩化ベンザルコニウムを使用してきたのである。

10 年くらい前だろうか?

アトピーの原因や合併症には、細菌が関与しているので、アトピーの治療にはスキンケアが重要とされ、皮膚を清潔にすることで、アトピーの合併症を防ぎ、アトピーの悪化因子であるカビを抑えることで湿疹を改善する効果があると言い、消毒を行っていたのを思い出す。

今でも、上記のような記述の医院やクリニックがあるので要注意だ・・・(笑)。

ところで、今寄稿の冒頭で、「店舗に入る際、店先に置いてあるアルコールで消毒する習慣が、皆も身についてきたのではないだろうか?」と問いかけてみた。

あのアルコール消毒液にも、トリクロサンや塩化ベンザルコニウムが配合されたりしているのはご存じだろうか・・・( ̄ー ̄)ニヤリ

トリクロサンは、経口・皮膚を経由して簡単に体内に浸透する性質があるそうだ・・・。

ミシガン大学の調査では、 90 人中 37 人( 41% )の尿・血液・鼻水・母乳などからトリクロサンが検出されている。

母乳からも検出されているということは、母親から子どもの体内にも移動してしまうということだろう。

尿から検出されると言うことは、そのまま、河川や海洋へ流れ込むと言う可能性があるということである。

因みに、トリクロサンとトリクロカルバンへの生態系への影響が研究されているので紹介する

海産甲殻類アミを用いた抗菌剤トリクロサンおよびトリクロカルバンの生態影響評価

【まとめ】

『トリクロサンとトリクロカルバンが長期的に暴露されることで、低濃度で合っても生態系に影響を及ぼす可能性が示唆された。

特に、トリクロサンはトリクロカルバンと比較すると、急性毒性影響は低かったものの、成長・成熟影響はより低濃度であっても、影響を及ぼす可能性が示唆された。

抗菌剤は、抗菌ブームと言う現在の社会背景からも様々な場面で使用され、その使用量も増加する傾向があることが考えられる。

しかし、本研究の結果、化学物質の最終到達点と言われる海域に生息するアミへの盈虚が認められ、生体家への影響も示唆されるため、更なる研究が必要である。』

生態系もさることながら、新型コロナウィルス対策として、アルコール消毒液を多用することより、我々は常在菌をも殺して行っていることを自覚しなければならない。

生物はバクテリアの総合体であるということは、当 Blog で言っているのでご理解いただけるとは思う。

ただ、今のような生活が続き、過剰に除菌・ウィルス除去という行動を取ることによって、将来的に、バクテリアのバランスが狂ってしまうことも想像に難くない。

バクテリアのバランス崩壊は、引いては、生態系の崩壊と同じである。

抗菌剤の過剰使用が原因で、抗生物質が効かない薬物耐性を持った細菌が出てくることも想像に難くない・・・。

私たちの身近な環境だったり・・・。

遥かに深い海底だったり・・・。

あるいはアマゾンの奥地だったり・・・。

現在、未知のウィルスとして、新型コロナウィルスに直面している我々だが、その副作用として、常在菌の崩壊、耐性菌の増殖という悪循環の方が怖いと思うのは私だけだろうか?

兼ねてから、会田氏が、“殺す技術より活かす技術”ということを提唱している。

今こそ、これを真剣に考えなければいけないのではないだろうか?

アルコール消毒でなくて、えみなのスプレーで十分である。

以前、ゼロ磁場誘導カードがウィルス研究所に持ち込まれ、研究されている旨の報告をさせて頂いた。

医学や科学の世界では、その検証が重要視されるのは当たり前のことで、少しづつ進んでいると言う報告だけは受けている。

しかし、カードの上に置くだけでウィルスが 1/100 になったという事実は代えがたいのである。

学者が証明出来ようが、証明出来まいが、我々は、目の前にある新型コロナウィルスという驚異に立ち向かう術があるのである。

そして、抗酸化溶液を使うことにより、バクテリアのバランス、生態系が崩れることはない・・・!

何時、この日本初の技術を利用する・・・?

今でしょ!!