「真実の口」157 果実袋を抗酸化・・・

先週木曜日に新潟へ行ってきた。

果実袋に抗酸化を取り入れることが出来ないだろうかという依頼があったからだ。

果実袋って何だ?と思う人もいるだろうが、画像を見れば「ああ・・・」と納得するのではないだろうか?

これが果実袋である。

果実袋

先方と数度のメールのやりとりの後に、どの時点でどのような形で抗酸化を取り入れるかを、ザックリと判断するために、機械の写真を送っていただいた。

「?」

如何せん・・・初めて見る機械で、何がどう動いて、どう処理していくのかさえ想像がつかない。

そこで、急遽、新潟へ飛んだのである。

もちろん、新潟なので、弊社役員でもある株式会社佐藤商会・環境事業部・佐藤正子さんへ運転手を依頼したのは言うまでもない。

先方に着いて、残念ながら、私の急な要望による打合せのため、当日、メールでやりとりをしていた担当役員の方は、出張で同席できなかったが、製造部長に案内していただいた。

私自身も果実袋なるものの存在は知っていたが、本来の目的は何かを具体的には知らなかったので教えていただいた。

防菌、防虫、着色保護、着色増進、果面保護、日保ち向上他

見ての通り、着色保護と着色増進と相反する目的があげられている。

そうなのである・・・果実袋は果実の種類によって使い分けられるのである。

ただ、この列挙された目的を見て、「ああ、全部抗酸化だ」と思った人も多いのではないだろうか?

今回の先方の一番のテーマは”脱農薬”ということである。

何故、果実袋で農薬(?)がと思う人がほとんどだと思う。

この会社で作る果実袋には二つのタイプがある。

一つは、内側を蝋でコーティングするタイプ。

もう一つは、外側を撥水処理するタイプ。

最初にあげた内側を蝋でコーティングするタイプでは、溶かした蝋に農薬加え、防虫・防菌の効果を考えているということらしい。

ただ、これでは、夏場の暑い時に蝋が溶けて、農薬が流れ出し、防虫・防菌はできたものの農薬の付着という別の意味での危険性が出てくるので、その代替として抗酸化に注目しているとのことである。

工場を案内して頂いた限りでは抗酸化処理の可能性を大である。

我々は、食を重要視し、環境回復農法というテーマを掲げて事業展開を行っている。

しかし、今まで使用していた農薬・肥料をすぐに止めて、環境回復農法に取り組むとなると、収入減や周囲との協調云々と様々な問題が出てくる。

この果実袋が完成すれば、取りあえず、出来た果実の農薬除去にかなりの期待が持てるのではないかと思う。

農家は何も知らずに果実袋を使い、結実した果物が抗酸化果実袋に包まれただけで、勝手に農薬減になり、防菌、防虫、着色保護、着色増進、果面保護、日保ち向上という本来の目的が達成したとしたら、何よりではないか・・・。

将来的には、果実袋の納入先の環境回復農法への展開という話もしてみたが、かなり興味を持たれたようである。