「真実の口」167 健康食品の嘘・ホント⑧

数回にわたり、“いわゆる健康食品”に関して寄稿してきた。

第4回目に、健康食品は三つに分類されると書いたが、“いわゆる健康食品”は、保健機能食品を除いたものであるということで話しを進めてきた。

あえて、「特定保健用食品(いわゆるトクホ)」と「栄養機能食品」を除外して書いてきたのにも理由がある。

ここでお復習いだが、「特定保健用食品(いわゆるトクホ)」は、科学的根拠を提出し効果表示が許されており、「栄養機能食品」は、特定の栄養素を含み基準を満たしていれば効果表示が可能とされている。

これらは“国のお墨付き”感があり、消費者に安全・安心感をもたらしているようである。

さて・・・どうだろう?

「トクホ」は前述しているが1991年に導入された。

記念すべき「トクホ」第1号は、資生堂の“ファインライス”という米である。

“ファインライス”は、資生堂と東京大学農学部、横浜市立大学医学部が共同研究開発し、91年4月に発売され、93年6月に、「トクホ」第1号として認定され、更には、97年6月には特、定保健用食品に代わって厚生省から、「病者用食品」にまで指定許可を受けた。

元々、米に含まれる「グロブリン」というタンパク質が原因で、アトピー性皮膚炎が起る人のために開発された低アレルゲン米で、1kg×3袋で8,610円もする高価なモノだった。

ここで、全て過去形になっている意味がお分かりだろうか?

2007年3月で販売終了になったからである。

「病者用食品」にまで指定許可されたのに・・・

採算が取れずに撤退?

味が・・・○○かった?

米アレルギーの人には希望の星であったようだが・・・。

まあ、いろいろあるのだろう・・・。

所詮、研究室で考えるからそんな結果になるのでは・・・?

ちなみに環境回復農法米は、通常のお米と価格は変わらず、米アレルギーの子でも安心して食べることが出来、普通の人が食べても更に健康を増幅できる・・・

また、お国も「トクホ」制度が思ったように浸透しないことから、ヤクルトに「トクホ」を取得するよう提案し、CMで良く耳にする “L.カゼイ YIT 9029(シロタ株)”の成分を含む“ヤクルト”が1998年に認定されたという経緯もあるらしい。

2009年9月には、製造所固有記号の届出などとともに、消費者庁の食品表示課に所管が変更された。

現在、960品目(平成22年9月30日現在、承認を受けた2製品を含む)が「トクホ」に指定されている。

以下が、「トクホ」認定の全商品である。

http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin87-7.xls

この「トクホ」に指定された商品のある成分が、健康に良いとされている。

例えば、前述した“L.カゼイ YIT 9029(シロタ株)”、“大豆タンパク質”、“イソフラボン”、“オリゴ糖”、“カテキン”、“キトサン”、“DHA”、“EPA”、etc・・・

これらの成分を含み、申請→許可を受けると、めでたく「トクホ」認定と言うことになる。

つまり、お国のお墨付き成分であるために、私が以前紹介した厚生労働省の“「健康食品」の素材情報を正しく理解して頂くために”でも、『安全・安心』かのごとく評価されている。

果たして・・・?

次回へ。