「真実の口」296 東日本大震災・・・復興財源について(その2)

前回、東日本震災の復興財源として、国債整理基金があるという話を国会議員のセンセイから講演で聴いたと言う話を寄稿した。

では、その国債整理基金とはいったい何ぞや?

国債整理基金とは・・・

『国債整理基金の費用と使途を明確にするため、その歳入歳出を一般会計から区分して設けられた特別会計のことであり、国債の償還、借換を円滑に行うべく設置された基金のことである。』

前回、リンクで紹介した『平成21年度特別会計決算概要・特別会計の剰余金(フロー)について』を再度確認して欲しい。

「減債基金としての基金残高」は11,2兆円から12,5兆円へ、「前倒債」は5,3兆円から8,1兆円へと、合計4,2兆円も余剰金が増えている。

さらに、これもリンクで紹介したが、その一年後の『平成22年度特別会計歳入歳出決算の概要』でこれらを見ると・・・

「減債基金としての基金残高」は12,5兆円が13,7兆円へ、「前倒債」は8,1兆円が16,9兆円へと、合計は10兆円も余剰金が増え、その合計が前回のブログで書いた30,7兆円である。

センセイが言うには、官僚にこの話をすると、「東北大震災以上の地震が来たらどうしますか?その時のために備えなければならないでしょう」と突き放されるらしい(爆)

本来、国債整理基金は、国が発行した国債、つまりは借金を返済するための基金である。

そのため、財務官僚は「それは将来の借金返済の原資だから使えない」というに決まっている。

今回、講演で国債整理基金の話を聞いた後、少し調べてみた。

みんなの党の江田けんじ議員のHPを見て欲しい。

http://www.eda-k.net/column/week/2011/04/20110418a.html

「増税なしでも20兆円は明日にでも出せる! ・・・国債整理基金への繰入れ停止で10兆円」というタイトルで、解りやすく解説している。

今の日本の危機的状況を救う救世主ともなるべき財源なのかもしれないが、国会・官僚は次の一歩を踏み出すことはない。

やれやれ・・・

更に次のリンクを見て欲しい。

http://www.mof.go.jp/about_mof/mof_budget/special_account/gaitame/gaitame_kesan20.htm

http://www.mof.go.jp/about_mof/mof_budget/special_account/gaitame/gaitame_kesan21.htm

財務省から発表された平成20年度と平成21年度の『外国為替資金特別会計』である。

「外国為替資金特別会計」とは・・・

『政府の行う外国為替等・特別引出権(国際通貨基金協定第15条に規定する特別引出権 )、並びに対外支払の決済上必要な金銀地金の売買、これを伴う取引を円滑に行うため、外国為替資金を設置し、その歳入歳出は一般会計とは区分するための特別会計のことである。』

剰余金を見てみると、平成20年度が3,376,100百万円、平成20年度が2,922,522百万円となっている。

これらが、「特別会計に関する法律」第8条第2項の規定により、一般会計及び特別会計に振り分けられて繰り入れられるのだが、結果、毎年、特別会計積み立てられた金額の合計は・・・

平成21年度末における積立金及び資金の残高(平成22年3月31日) ・・・20,558,557百万円

約20兆円になるらしい。

これらの目的は・・・

『「特別会計に関する法律」第80条第1項の規定により、外国為替相場の変動、市場金利の変動その他の要因を勘案し、外国為替資金特別会計の健全な運営を確保するために必要な金額を積立金として積み立てることとしている。』

ただ、この積立金でさえ、財務官僚に言わせれば、「それは急激な為替変動が起きたときの原資だから使えない」ということになるのだろう・・・

国債整理基金と外国為替資金特別会計を併せると、約50兆円の復興資金が増税無くして、捻出できる。

東北の復興を後回しにしてでも、これらの資金は大切なものらしい・・・

いわゆる“埋蔵金”は“埋蔵金”のまま、官僚というトレジャーモンスターに阻まれ、人々の役に立つことは無いということなのだろう( ̄ー ̄)ニヤリ