「真実の口」378 三度目の被災地入り⑫

前回の続き・・・。

宮城県道38号相馬亘理線が通行止めで使えないため、車を停めて、亘理町を歩いて回った。

海岸線へと足を運んでみた。

当然、立ち入り禁止になっているのだが・・・。

亘理町・牛橋海水浴場①

無惨にも津波で破壊された防波堤は、手つかずのままである。

亘理町・牛橋海水浴場② 亘理町・牛橋海水浴場③

そして、海岸から見た風景・・・。

亘理町・牛橋海水浴場④

数本残された杉が立っている場所から、向こう側に住宅街が広がっていたようである・・・。

亘理町・牛橋海水浴場⑤

防風林も一様になぎ倒されている・・・

この画像を見ても、先ほどの砂浜の続き位にしか見えないと思う。

亘理町⑦

しかし、ここは、先ほどの画像の杉の奥に広がっていただろう住宅街である・・・。

ここで、被害に遭われた方は、津波の濁流に交えて砂が混じり、全く、呼吸が出来なかったのではないかと思うと居たたまれなくなる。

瓦礫の山の前には、倒されたままの墓石が・・・。

亘理町⑧

何とも筆舌に尽くしがたい・・・。

携帯電話の般若心経をかけて、手を合わせることしかできなかった・・・。

涙を拭き、気を取り直して、ハンドルを握った。

相馬亘理線が使えないため、一本中に入った農道を使い、相馬市へと車を走らせた。

亘理町・農道沿いの農地① 亘理町・農道沿いの農地②

かつては、田んぼあるいは畑だったところである。

相馬港に着いて、以前、車等の瓦礫置き場になっているところに行ってみた。

相馬市① 相馬市②

左が、昨年9月に撮った写真で、右が、今回撮った写真である。

何も変わっていなかった・・・。

写真奥に見えるのは、東北電力と東京電力の共同出資による相馬共同火力新地発電所である。

当然、津波の被害を受けたのだが、1号機は定期点検で停止中で、運転中だった2号機も強烈な揺れを受け、同日、安全停止している。

しかし、発電設備が甚大な被害を受け、2基とも停止せざるを得ない状況になった。

2号機に関しては、昨年12月7日にボイラーが点火され、12月19日、発電が再開されている。

1号機に関しても、昨年12月26日にボイラーが点火され、12月27日には発電が再開されている。

前回来たときには、相馬港の中に入れたのだが、今回は関係者以外立ち入り禁止になり、港湾の復旧作業が始まっていた・・・ヽ(゚∀゚ )ノ

相馬港

更に、相馬港から少し南下した松川浦では、養殖が再開されていた・・・\(≧U≦)/

松川浦

少しずつでも、復興の形が見えるというのは、ほんの僅かだがホッとできる・・・。

昨年9月に訪れた際には、まだ海に家が浮かんでたり、船が転覆したままだった・・・。

相馬市③ 相馬市④

この状況がどうなったのかを確認しながら、車を走らせたのだが、残念ながら、場所が特定できずに、確認できずじまいだった・・・

まるで、船の墓場・・・。

相馬市⑤

因みに、相馬市の瓦礫処理状況は・・・。

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2012/4/9時点の震災瓦礫処理状況(環境省公表資料より)

瓦礫推計量:25万4千トン
※ うち建物解体に伴う瓦礫発生推計量:2万3千トン

解体を除いた瓦礫推計量に対する撤去率:100%
解体を含んだ瓦礫推計量に対する撤去率:97%
※ 撤去は仮置き場への搬入のこと。

処理・処分量:1万6千トン
処理・処分割合:6.5%
※ 破砕・選別等により有価売却、原燃料利用、焼却やセメント焼成、埋立処分等により処理・処分された量。

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私は、県道74号線を南下し、前回、訪れた防波堤へ車を走らせた。

前回、訪問時は台風直後で海は大荒れだった。

磯部地区①

海中の防波堤を楽々と波が乗り越えていた。

今回も爆弾低気圧の直後だったのだが、幾分、波は弱かった。

磯部地区②

海側からロングで見ると、被害がないようだが、内側をこのような状況で、手つかずのままだった・・・。

磯部地区③ 磯部地区④

ただ、前回と違うのは、石が積まれていた・・・。

磯部地区⑤

この防波堤の中側の風景がこれである・・・。

磯部地区⑥

ただの荒地のように見えるだろうが、ここには、間違いなく、一年前までは、住宅が建ち並んでいたのである・・・。

次回へ・・・。