翌日、4月27日・・・。
金社長は、春川農協の組合長を交えて、ミーティングをしたかったらしいのだが、この日、春川農協の組合員の旅行と重なったため、組合長抜きでのミーティングとなった。
何だか、一頃の日本の農協と農家の人がぞろぞろと海外旅行へ出かける絵が頭に浮かんでしまった・・・(*^m^*) ムフッ
我々は、安東を離れて、一路、ソウルへ。
3時間半ほどかけてソウルに着いた。
前回、12月23日に訪れたペイントハウスの崔社長が、抗酸化工法の取り方について相談があると言うことで、BTNG社に行く前に寄ることになった。
前回の寄稿でも紹介したのだが、崔社長の会社では、内装の壁を厚さ2mm程度の塗装で仕上げる仕事をしている。
塗装の方法は、塗料の2度塗りとワックスで仕上げるというのである。
崔社長も研究熱心な方で、自身で色々と塗装方法を変えて、試作してみたらしい・・・。
ただ、どの方法が、一番効果が出るのかの試しようが無くて困っているというのである。
崔社長は私の前に8枚のインシュレーションボード(軟質繊維板のことで、木材チップなどを高温高圧で蒸してほぐした繊維をすき出して乾燥して固めた多孔質板)を並べた。
① 一度目、二度目の塗装時に抗酸化溶液を入れ、抗酸化ワックスを使用した物。
② 一度目、二度目の塗装時に抗酸化溶液を入れ、抗酸化ワックスを使用していない物
③ 一度目の塗装時に抗酸化溶液を入れて、二度目の塗装時には抗酸化溶液を入れず、抗酸化ワックスを使用した物。
④ 一度目の塗装時に抗酸化溶液を入れて、二度目の塗装時には抗酸化溶液を入れず、抗酸化ワックスを使用していない物。
⑤ 一度目の塗装時に抗酸化溶液を入れず、二度目の塗装時には抗酸化溶液を入れて、抗酸化ワックスを使用した物。
⑥ 一度目の塗装時に抗酸化溶液を入れず、二度目の塗装時には抗酸化溶液を入れて、抗酸化ワックスを使用していない物。
⑦ 一度目、二度目の塗装時には抗酸化溶液を入れず、抗酸化ワックスを使用した物。
⑧ 全ての工程で抗酸化溶液を使用していない物。
どれが、一番効果があるか解るだろうか?
当然、一度目も二度目も抗酸化溶液を入れて、抗酸化ワックスを使用した物がベストとなる。
では、③~⑥ではどうだろう?
答えに興味がある人は、お会いしたときのお楽しみということで・・・(笑)。
私は、「後は、施主がどの程度の施工を望み、資金と相談しながら決めると良いですよ。常にベストを提供するのではなく、ベターな提供の仕方も考慮して、振れ幅を持って考えた方が良いですよ」という回答をした。
崔社長もその考え方に、ホッとしたようで、早速、取り組んでいきたいと目を輝かしていた。
実験するまでもなく、私には答えは分かっているのだが、崔社長がインシュレーションボードを持って帰って、実験して欲しいと言うことなので、持って帰ることにした。
後一つ問題として、いきいきコートの色に難点があるというのである。
私は、水性塗料で着色できる旨を伝えたのだが・・・。
韓国では、水性塗料を油性塗料よりも、安物と見る傾向があるので、富裕層には向かないというのである。
確かに、日本でも一昔前までは、油性塗料の方が高性能というような傾向はあったが、最近では、水性塗料の性能もあがり、遜色が無く、環境面、臭気、安全性等々から、水性塗料へシフトしてきているのが現状である。
まあ、韓国は日本の20~30年前を追いかけているような状況なので、この価値観もいずれは変わるのだろう?
実際に、いきいきコートを着色してみれば解るのだが、水性塗料で色づけしても、それが塗料によって色づけされたかどうかは解りにくいのだが・・・。
崔社長にも、その旨を伝えたのだが、その点だけはどうしても譲れないらしく、仕方がないので、色々と試行錯誤をしてみてくださいと茶を濁して終わりにした。
次回へ・・・。