「真実の口」399 人命救助・・・その3

前回の続き・・・。

地方都市からの出張から帰り、車を駐車場に止め、事務所へと歩いていた。

時刻は5時を少し回ったくらいである。

歩を進めると、数人の人だかりが出来ている。

覗き込むと、歩道の端に70代くらいの男性が倒れている。

よく見ると、頭から少し出血しているようだ・・・。

男性を囲んでいた中の女性に、「どうしたんですか?」と尋ねてみると、「ふらふらと歩いていて、よろけて倒れたようだ」というのである。

その数人の人たちも、さほど慌てているようではないのだが、一応、頭を切っているようなので、男性に、「大丈夫ですか?」と尋ねると、意識はあるようで、「うんうん・・・大丈夫」と答える。

その吐く息が、アルコール臭い・・・。

「こんな時間から、出来上がっているのか・・・」と思いつつ、「頭から血が出てるから、ちょっと見せてね」と言って、傷口を見せてもらう。

傷口はそんなに深くなく、アルコールが入っている影響で、少し多目に出血したのだろうと思い、出張用に持ち歩いている“痛快”を男性に塗る事にした。

私:「お父さん!これ、傷を治すクリームだから塗っとくよ・・・」

男性:「うんうん・・・ありがとうねぇ」とご機嫌である。

それでも、一応、頭を打っているようなので、酔っぱらって歩いているくらいだから、自宅は近くだろうと、男性を自宅まで送る事にした。

男性に自宅の住所を聞くと、酔っぱらった人を連れてくには、少し距離があるので、先ほどの女性に、「すぐそこの駐車場から車を回してくるので、少し見ていていただけますか?」とお願いして、車を回してきた。

男性を車に乗せようとすると、先ほどの女性が、小銭を私に渡して来るではないか・・・。

どうやら、私が見かけたときだけでなく、何回か転んでいたらしく、その時に小銭を落としたというのである。

お金が絡むと、ややこしくなるので、女性が見ている前で、男性のズボンのポケットに小銭を入れて、男性に小銭があることを確認させて、自宅へと向かう事にした。

教えてもらった町名まで連れて行くと、意識はあるらしく、きちんと自分の家がわかったようで、自宅の目の前まで連れて行く事が出来た。

チャイムを鳴らすと、奥さんが出てきたので、状況を話して、「一応、頭を打っているので、お医者さんに診てもらった方が良いですよ」と伝えた。

奥さんは、恐縮して、何度も、「ありがとうございます。何かお礼をしたいのですが、住所と名前を教えて欲しい」と言ってくる・・・。

私は、「本当に、気を使わないで良いですよ」とだけ告げ、事務所に戻った。

そして、次は、つい、先日の事である。

私は、英語圏の国との取引のため、英会話をずっと習っているのだが、そのレッスンの時、片道6kmの距離を、行きか帰りのどちらかを歩いていく事にしている。

その日は、そこまで暑くなかったので、行きを歩いていく事にし、テクテクと歩いていると、信用金庫の駐車場を通りかかったところで、その駐車場内で、男性がいきなり後ろ向きに倒れるではないか・・・。

私が、慌てて駆け寄ると、同僚がいたらしく、「△▽さん、どうした~」とその人も駆け寄ってきた。

私は、持っていた薄いカバンを枕にして、男性に声をかけてみた。

意識がまるっきり無い・・・。

呼吸は何とかしているようだ・・・。

私は、同僚の男性に、「救急車を呼びましょう」と言うと、男性は信用金庫のインターホンに向かって走っていき、「救急車を呼んで下さい」と叫んでいた。

私は、携帯で呼んで欲しかったので、改めて、同僚の男性に様子を見るように言って、私が改めて、119番通報した。

これは、心配して出てきた信金の人や同僚の男性に、後で聞いて知ったのだが、そこに居合わせた全ての人間が、携帯からは、119番通報は出来ないと思っていたらしい。

私は、「もし、110番や119番に通報する事があったら、携帯から通報した方が良いですよ」と教えてあげた。

110番や119番通報をした場合、発信場所の位置情報を警察や消防に自動的知らせるようになっているのである。

通報者が、興奮して正確な位置を、伝えることが出来なかったり、土地勘が無く、住所も言えなかたりしても、即座に、対応できるようにするためである。

私が、通報している間に、信金の人間が出てきたのだが、どうしたらいいのか分からないようで、皆、呆然と見ているだけである。

私が、位置を伝え、状況を説明し、電話を切ったと同時に、突然、男性の顔が土色になり、痙攣を始めた。

電話で、「意識はないが、呼吸はある」と伝えたばっかりだったのに・・・。

私は、慌てて、男性の両手にブレスレットをあて、気道を確保した。

人工呼吸かAED(自動体外式除細動器)が必要なのかと私も焦ってきた。

今まで、経験がないのである・・・。

少し、怪しいと思われるかも知れないのだが、私は、気を集中して、心臓の上に手を置いた。

すると、しばらくすると、男性が、「ふう~」っ息を吐くのを感じ、土色だった顔が、徐々に生気を取り戻してきた。

少し、安心した私は、左のブレスレットを握りながら、男性の名前を何度も呼んで見た。

何度か声をかけていると、意識が回復してきたようで、自分が、何故倒れているのか分からないようで、起き上がろうとするではないか・・・。

私は、状況を話し、しばらく横になっているように伝え、今までにもこんな経験があるか尋ねてみた。

「先月、熱中症で倒れたけど・・・」と言う。

雑談が出来るくらいに回復したので、安心してきたのだが、救急車が一向に来ない。

その駐車場から、2kmも離れていない場所に、その市の消防本部があるのだが・・・。

結局、救急車が現れたのは、13分後だった。

救急車を待つ間、男性の状況に安心したのか、同僚の男性が、不思議そうに尋ねてきた。

同僚:「何故、そんな咄嗟の対応が出来たんですか?」

私:「よく人命救助の場面に出くわすんです・・・」

同僚:「だから、数珠を身につけているんですね?」

私:「あ~、これは、数珠ではなくて、血行を良くするためのブレスレットです・・・」

( ̄▽ ̄;)アハハ…

その後、到着した救急隊員に、状況を伝え、後は、同僚の男性に任せて、現場を後にした。

今回、寄稿したのは、ほんの一部である。

何故、これほどまで、救急の現場に出くわすのだろうか?

まるで、TVアニメ・名探偵コナンで、主人公の廻りで、毎回、殺人事件が起きるかのようである・・・。

お陰で、私は、普段歩出かけるときには、ブレスレットの予備と痛快を持ち歩くようにしている。

出来れば、遭遇しない方が好ましいのだが、万が一、そういう現場に居合わせたときに、皆も、抗酸化グッズを持ち歩き、人命を助ける事が出来れば良いのでは・・・?

最後に、下記リンクも参考になれば・・・。

http://www.hirane119.jp/pdf/kyuumeisoti1.pdf
http://www.hirane119.jp/pdf/kyuumeisoti2.pdf
http://www.hirane119.jp/pdf/kyuumeisoti3.pdf
http://www.hirane119.jp/pdf/kyuumeisoti4.pdf