「真実の口」487 解れば面白い元素周期表・・・?⑥

前回の続き・・・。

前回、宇宙と人体の関わりについて、寄稿した。

しかし、ひとつ疑問が湧き起こる・・・?

太陽系の元素構成は、以下のようだった。

水素(H) ・・・74.4%
ヘリウム(He)・・・23.7%
その他・・・1.9%

何故、2番目に多いヘリウム(He)は、人体に取りいれなかったのだろう?

元素と元素の間で行われる化学反応は、基本的には最も外側の空席を埋めて、エネルギーを安定させている。

しかし、ヘリウムが属している18族の元素には、元々、電子の軌道に空席がない。

そのため、ごく一部例外を除き、他の元素と化学反応を起こすことはない。

18族の元素は、一番外側の気道が、電子で全て埋まっているため、ひとつの原子が単独の状態で存在し、これでエネルギーは安定しているのである。

このような理由で、ヘリウム(He)は体内に取りいれることがなかったのである。

では、前段、取り上げた元素の主な役割を見てみよう。

水素(H)は、酸素と結びつくことにより、水となって、摂取した栄養素を体全体に運んだり、体内の老廃物を体外へ排出したり、体温調節をする。

酸素(O)は、上で書いたように水素と結びつき水になって、蒸気の役割を果たすほかに、細胞内で、身体に取り入れた食物を熱エネルギーに変える際に、それを助ける働きをしている。

炭素(C)は、タンパク質、糖、核酸、アミノ酸、脂質は、全て炭素を含んでおり、人体の構成、人体の維持に欠かせない。

窒素(N)は、タンパク質を構成するアミノ酸に必ず含まれており、アミノ酸には、生体内で起こる化学反応を促進する酵素があり、窒素原子を含んでいる。

リン(P)は、我々の細胞は、核にあるDNAに書き込まれた設計図に基づいているが、そのDNAにはリン酸が必ず含まれいる。また、骨や歯の材料になり、筋肉の収縮を手伝ったり、浸透圧の調整なども行っているほか、腎臓や心臓のはたらきや神経の伝達を補助する役割も担っている。

カルシウム(Ca)は、骨と歯をつくる成分となっている。また、筋肉の収縮を助けたり、中枢細胞から神経細胞への情報を伝える際に必用な情報伝達物質の分泌にも関わり、更に、細胞同士を結びつける性質もあるので、血管壁を丈夫にしたり、体に害のある物質が腸から吸収されるのを防いだりしている。

イオウ(S)は、メチオニンやシステインという名前のアミノ酸にはイオウが含まれており、このアミノ酸はタンパク質や酵素、皮膚、爪、毛髪に含まれている。

ナトリウム(Na)は、カルシウム(Ca)をはじめとする他のミネラルが血液中に溶けるのを促進し、吸収を促している。また、カリウム(K)とともに血圧を調整している。

カリウム(K)は、タンパク質合成、細胞内外の水の輸送、生命維持のための情報伝達など多種多様な生理機能を果たしている。また、体内の余分なナトリウムを排泄したり、心機能を正常に保ったり、筋肉の収縮を助ける役割も担っている。

塩素(Cl)は、胃から分泌される胃酸の成分である塩酸(HCl)を合成する。

マグネシウム(Mg)は、タンパク質、核酸、脂質の生合成に関わる酵素類の活性化や軟骨と骨の成長、また、脳と甲状腺機能維持に重要な働きをしている。

鉄(Fe)は、赤血球の中に含まれるヘモグロビンと結びつき、酸素を運搬している。また、粘膜の免疫力を高める働きもある。

亜鉛(Zn)は、酵素を活性化させる因子として、体内の様々な代謝で活躍し、特に、亜鉛が核酸やタンパク質と結合することで細胞分裂が活発に行われ、皮膚や髪はもちろん、食べ物の味を感じる味覚細胞も正常に保つことが出来、また、細胞分裂の初期に起こるDNAの分裂にも関わっているため、遺伝情報を正しく伝達し、正常な細胞を生み出すための重要な役割を担っている。

マンガン(Mn)は、補因子として酵素を活性化し、糖質や脂質をエネルギーに変える際に必用な酵素をはじめ、骨の形成に役立つ酵素、タンパク質を分解する酵素、体の材料となるタンパク質を作る酵素など様々な酵素の活性化を助けており、また、インシュリンや性ホルモンの分泌にも関わっている。

銅(Cu)は、ヘモグロビン生成に必要な鉄(Fe)を利用しやすくするという鉄と補間関係がある。また、コラーゲンの生成、メラニン色素の生成、SOD(抗酸化)酵素の合成も担っている。

15の元素の役割を見てきたが、微量元素と言えど、人体の維持には欠かせない存在であることが判ったような気がする。

次回へ・・・。