「真実の口」488 解れば面白い元素周期表・・・?⑦

前回の続き・・・。

前回、人体にある元素の役割について、寄稿した。

我々は、如何に元素に依存して、生命を維持しているかが理解出来たと思う。

今回は、著者が、これらの元素の中でも、別格と言えるほど重要と、述べている元素について、クローズアップしてみたいと思う。

それは、“鉄(Fe)”である・・・。

全ての元素の中で、鉄の原子核が、最もエネルギーが安定しているらしい・・・(・0・。) ホホ-ッ

その為、水素より、軽い元素(原子番号が26より小さい元素)は、核融合により、少しでも重くなろうとするらしい・・・。(´-ω-`)う~む

逆に、鉄よりも重い元素(原子番号が26より大きい元素)は、核分裂をして軽くなろうとするらしい・・・( ̄3 ̄)。o O フーン

著書で、原子核の結合エネルギーのグラフが書かれており、判りやすいのでUPしてみる・・・。

エネルギーカーブ

また、太陽系の元素の存在度を見てみよう・・・。

太陽系の元素存在量

金属元素(1族~12族)の中で、鉄(Fe)の存在がずば抜けて多いのが判ると思う。

これも、鉄(Fe)の原子核が、最も安定した構造を持っていることに由来する。

地球に限って言えば、重量比で見ると、3割~4割を鉄(Fe)が、占めているらしい・・・。

他の地球型惑星(金星・火星)と比べてみると、鉄(Fe)の存在比は各段に多い。

地球は、鉄が多いため、他の惑星よりかなり重量があり、この重さが重力を生み、大気が宇宙に逃げ出すのを防いでくれているのだから、地球という星にとっても、鉄(Fe)非常に重要な存在と言うことが言えるのではないだろうか???

更に、地球の地中深くの中心部のことを、核(コア)と言うのだが・・・。

核(コア)は、地球の中心部の内核とすぐその外側の外核とで構成されている。

外核は、熱で融解した鉄(Fe)やニッケル(Ni)で出来ているらしいのだが、その内側に位置する内核は、高圧のため鉄(Fe)やニッケル(Ni)は固体となっているらしい・・・。

ここで、“・・・らしい”と使っているのは、地球最深部のため、調べようがないからである。

鉄(Fe)は、最も強い磁力を持つ元素でもある。

地球の自転により、この内核の周りを、外核が一定方向に回ることで、起電力が生じ、いわゆる磁場を作り、地球は、巨大な磁石のような存在になったのである。

この磁場のおかげで、我々は、宇宙線や太陽風から生命が守られているのだから、改めて、鉄(Fe)の存在に感謝してしまう・・・。

更に、鉄(Fe)にしかない特徴がある。

鉄(Fe)は遷移元素の一つだが、2価の錯体と3価の錯体とで、立体構造がほとんど変わらないのである。

2価・・・?、3価・・・??、錯体・・・???、となっている人もいると思うのだが、説明すると、頭を抱えてしまうと思うので、そういう特徴があるということだけ覚えて欲しい・・・。

我々の生命活動には、酵素が欠かせないのは、今までにも触れてきているので、ご理解いただけると思うが、酵素には、様々な金属をタンパク質との錯体という形で含まれている。

その為、前述した鉄(Fe)にしかない特徴が、鉄と他の元素を置き換えることが出来ない、重要な理由になるのである。

前回、寄稿した我々の身体のなかでの鉄(Fe)の主な役割は、『赤血球の中に含まれるヘモグロビンと結びつき、酸素を運搬する』ことだった。

人体にある約60兆個の細胞は、全て、酸素によって生かされている。

血液は、肺から全身に酸素(O2)を運び、代謝で生じた二酸化炭素(CO2)を全身から肺へ送って捨てている。

しかし、ここで、酸素(O2)と二酸化炭素(CO2)との大きな違いがあるらしい・・・。

二酸化炭素は、水に溶けて炭酸になるので、血液中の水分に溶かして運べばいいので、非常に、簡単らしい・・・。

しかし、酸素(O2)は、水に簡単には、解けてくれないというのである。

酸素は(O2)は、低い温度であれば、ある程度が溶解するらしいのだが、人間の体内温度の37度では、ほとんど溶けてくれないらしい・・・。

余談だが、海水の透明度は、この酸素の溶解度に左右されるらしい・・・。

南国の海水は温度が高いため、酸素量が少なく、プランクトンが多くは生きられないため、透明度が高い。

逆に、北国の海水は温度が低いため、酸素量が多く、プランクトンが繁殖して、と明度が低い。

その為、プランクトンを食べる魚も水温が低いほど、よく育ち、巨大な鯨が北極あるいは南極近海に住んでいるのも、これらが理由と言うことらしい・・・。

今回は、地学から生物学まで、広げすぎたようだ・・・。

次回は、どうやって酸素が体内を駆けめぐるかを記したい。