「真実の口」490 解れば面白い元素周期表・・・?⑨

前回、予告させていただいたが、“我々は、何故、動くことが出来るのか?”というテーマで寄稿する。

また、最初、生物学っぽくなるが、ご容赦願いたい・・・。

動物が動き回れるのは、筋肉があるからである。

また、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を感じられるのは、神経があるからである。

著者は、「動物の性質を決定づけているのは、筋肉と神経に他ならない」と言っている。

「ああ、確かに・・・。」と納得してしまった。

チーターが、時速100km以上で走れるのも、筋肉の性質によるし・・・。

ゴリラが、150kgを優に超える身体で、ジャングルの木を身軽に登れるのも、筋肉の性質によるし・・・。

鮫が、一滴の血を百万倍薄めたものも嗅ぎ分ける事が出来るのも、臭覚神経の性質によるし・・・。

鷹などの猛禽類が、遙か1km上空から獲物を見つけることが出来るのも、視覚神経の性質によるし・・・。

猫や犬が、人間には聞き取れない高周波の音を聞き分けることが出来るのも、聴覚神経の性質によるし・・・。

筋肉は、伸びたり縮んだりして、身体を動かす働きをしている。

神経は、電気の刺激(インパルス)を使って、情報を伝達する組織である。

こういう風に伝えると、全く、異質な感じがするのだが・・・。

著者が言うには、筋肉と神経は、基本的な仕組みは同じらしい・・・(・0・。) ホホ-ッ

実は、これらは、ナトリウム(Na)とカリウム(K)の二つの元素によって、機能の本質的な部分が担われているらしいのである・・・( ̄□ ̄;)!!

ん・・・たった二つの元素で???

どうやら、ナトリウム(Na)とカリウム(K)は、小さい専用の穴を通って、細胞の内側と外側を行き来しているらしいのである・・・( ̄へ ̄|||) ウーム

専用の穴・・・(@・Д・@)??

ここで、元素周期表の登場である・・・キタ━(゚∀゚)━!!!!!!!

ナトリウム(Na)もカリウム(K)も、1族に位置している・・・。

1族の元素は、一番外側の軌道に電子が1個だけあるということは前述したと思う。

つまり、ナトリウム(Na)もカリウム(K)も、1個の電子を失って、プラス1価のイオンになるという共通した性質を持っているということである。

今回のテーマ②で、人間は、セシウム(Cs)をカリウム(K)と間違って、取りいれやすいということは覚えていることと思う。

著者が言うには、最も、注目すべきなのは、ナトリウム(Na)とカリウム(K)は、元素周期表の、すぐ上と下に位置していることであるらしい・・・。

動物が、神経と筋肉の働きを、ナトリウム(Na)とカリウム(K)に委ねた理由も、この位置関係にあったと言っている。

ナトリウム(Na)とカリウム(K)について、少し、解説してみよう。

ナトリウム(Na)は、原子番号11の1族第3周期に位置するアルカリ金属である。

ナトリウム(Na)は、チャンスがあれば、一番外側にある電子を捨て、プラス1価のイオンになろうとするほど不安定である。

そのため、空気中に放置すれば、酸素と反応してNa2o(酸化ナトリウム)になり、水に触れると、水酸化ナトリウム(NaOH)になる。

水酸化ナトリウム(NaOH)は、苛性ソーダとも言われ、石鹸の原料になるのだが、毒物及び劇物取締法によって、劇物に指定されている。

ちなみに、ナトリウム(Na)を素手で触れると、手の表面にある水分と化合し、皮膚等に付着したまま放置すると火傷のような症状を起こし、完全に除去しないと、皮膚の深部まで徐々に侵していってしまう。

また、水(H2O)とナトリウム(Na)が激しく反応すると、水素を発生させ、爆発を起こすこともあり得る。

カリウム(K)は、原子番号19の1族第4周期に位置するアルカリ金属である。

カリウム(K)も、ナトリウム(Na)同様、チャンスがあれば、一番外側にある電子を捨て、プラス1価のイオンになろうし、不安定だが、その反応はナトリウム(Na)より激しい。

空気中に放置すれば、酸素(O)との接触により、反応熱で自然発火することもある。

水(H2O)や17族のハロゲン元素とも、激しく発火して反応する。

高温では、水素(H)とも反応し、水素化カリウム(KOH)を生成し、カリウム(K)と水(H2O)との反応においては、反応によって水素(H)が発生し、さらに発生した水素(H)が、反応熱を生じるため、爆発の危険がある。

その上、水素(H)の燃焼によって生じた水(H2O)が、残ったカリウム(K)と再び反応して水素(H)をさらに発生させるため、金属カリウム(K)が消費され尽くすまでこの反応は進行し続ける・・・。

いやはや、ナトリウム(Na)もカリウム(K)も厄介な元素である。

このため、研究所では、金属ナトリウム(Na)は、石油の中で保存され、金属カリウム(K)は、空気や水(H2O)から遮断する必要があり、アルカリ金属類と直接反応をしない、構造が安定した炭化水素中やアルゴン(Ar)で満たしたガラスアンプルの中で保管されている。

次回へ・・・。