「真実の口」491 解れば面白い元素周期表・・・?⑩

前回の続き・・・。

前回、我々の筋肉と神経は、ナトリウム(Na)とカリウム(K)を使って、動かしたり、反応したりしているということを寄稿した。

では、我々の身体は、ナトリウム(Na)とカリウム(K)をどのように利用しているのだろうか?

またまた、生物学ぽくなって、眉をひそめる人もいるかもしれないが、少しだけお付き合い願いたい・・・m(_ _)m

前段でも書いたが、神経は、インパルスと呼ばれる電気的な興奮状態を作り出し、これを伝える働きをしている。

しかし、この電気的な興奮状態が続きっぱなしだと、情報は何も得られず、単なるエネルギーの浪費になる。

コンピューターの情報処理は、どれだけ莫大な情報量であろうが、全て、0と1の組み合わせで行われている。

神経も、コンピューターと同じように、興奮のオン・オフの組み合わせを行うことにより、初めて、情報を伝達出来るのである。

一方、筋肉は、収縮することで、身体を動かす原動力になっている。

しかし、筋肉が収縮しっ放しだと、我々の身体は、その形で固定され、新たな動きは見いだせなくなってしまう。

この収縮しっ放しの状態は、痙攣という言葉で表現される。

また、著者は、人間誰でも、全身の筋肉が収縮しっ放しになることがあるという・・・。

そう・・・・、それは、死後硬直・・・( ̄ー ̄)ニヤリ

死亡して、血液が流れてこなくなると、筋肉は緩んだ状態を維持出来なくなり、収縮してしまうらしい・・・。

筋肉には、伸ばす筋肉と曲げる筋肉があるが、曲げる筋肉の方が圧倒的に強く、一端、死後硬直が始まると、簡単には伸ばせなくなるということは、一度は耳にしたことがあるのでないだろうか?

つまり、筋肉は、収縮した後に、伸びて元の状態に戻って、初めて、役に立つのである。

神経も筋肉も、オン・オフの切り替えが出来て、初めて、機能するということのようである。

これらの、オン・オフの切り替えは、電気的にプラスなのか(?)、マイナスなのか(?)で、決定されるらしい。

神経の細胞も筋肉の細胞も、通常(オフの時)、細胞の内側が電気的にマイナス、細胞の外側が電気的にプラスになっているらしい・・・(・0・。) ホホ-ッ

これらの細胞にシグナルが伝わると、一時的に細胞の内側と外側のプラスとマイナスが逆になる仕組みらしいのである。

これが、オンの状態で、神経は情報を伝え、筋肉は緩むということになる。

このオン・オフの切り替えの主役が、ナトリウム(Na)とカリウム(K)ということなのだ。

人間の細胞は、全身で60兆個にも及ぶが、その全てにカリウム(K)が、豊富に含まれている。

また、細胞の外側には、リンパ液や血液が流れているのだが、これらには、ナトリウム(Na)が、豊富に含まれている。

体内にあるナトリウム(Na)とカリウム(K)は、前回の寄稿で触れたような金属の状態で存在せず、水に溶けたイオンの状態で存在している。

ナトリウム(Na)とカリウム(K)は、1族の元素で、一番外側に1個だけ持っており、それを手放し安定したいために、プラス1価のイオンになっている。

前段でも触れたが、細胞を包む膜には、ナトリウム(Na)のみが通れる専用の穴とカリウム(K)のみが通れる専用の穴がある。

神経も筋肉も、シグナルが伝わると、まずナトリウム(Na)専用の穴が開くらしい・・・。

そうすると、ナトリウム(Na)が多い細胞の外から、ナトリウム(K)が少ない細胞の中には、ナトリウム(Na)が一斉に入ってくるという結果になる。

細胞の中に入ったナトリウム(Na)は、プラス1価のイオンなので、電気的にマイナスの状態だった細胞の内側はプラスに変わり、逆に、プラスの状態だった細胞の外側は、プラスが減った分だけ、マイナスに変わってしまう・・・。

このようにして、細胞の内側と外側とで、プラスとマイナスが入れ替わるという現象が起きるのである。

これを切欠として、神経は情報を伝え、筋肉は緩むのである。

つまり、ナトリウム(Na)イオンが細胞の外側から内側へ移動した状態が、オンの状態ということになる。

そして、ナトリウム(Na)が細胞の中に入って来て、細胞の中がプラスになると、今度は、カリウム(K)専用の穴が開くらしい・・・。

そうすると、カリウム(K)が多い細胞の中から、カリウム(K)が少ない細胞の外に、移動していくということになる。

カリウム(Na)は、プラス1価のイオンなので、カリウム(K)が出て行った細胞の内側は、再び、マイナスに変わり、逆に、カリウムが出てきた細胞の外側は、プラス変わってしまう・・・。

こうやって、オンの状態のから、オフへとリセットするのである。

つまり、神経も筋肉も、ナトリウム(Na)とカリウム(K)が対照的に働くことによって、互いに機能しているのである。

次回へ・・・。