「真実の口」528 訪中記~続・番外編~

中国に行った際に、驚いた話をもうひとつ・・・。

中国では、人口抑制のために、“一人っ子政策”がとられていると言うことは、誰でも知っていることと思う。

しかし、私はその中身までは、詳しく知らなかった。

以下は、全て、通訳をして頂いていたOさんから聞いた話である。

人口の94%を占める漢族、それに次いで人口が多いチワン族に適用されるもので、それ以外の少数民族に対しては免除されている。

漢族同士の夫婦にのみ適用され、夫婦のどちらかが、少数民族や外国人の場合は適用されない。

香港・マカオ在住の中国人には適用されない。

私は、てっきり、中国人全員に適用されているものと勘違いしていた。

更に、話を聞くと、二人目を産んでしまった際のペナルティがえげつない・・・。

罰金を払わなければ、戸籍をもらえないというのだ・・・。

正式には、社会扶養費というらしい・・・。

更に、昇級や昇進もストップするというのだから、迂闊に子供は作れない・・・。

因みに、北京で暮らしていたOさんの場合は、約300万円が必要になると言う・・・( ̄□ ̄;)!!

2011年調べの北京で働くサラリーマンの平均年収は約65万円で、300万円と言えば、約5倍に相当する。

これが、地方で暮らしている人間の場合は、幾分、安くなるらしい・・・。

それでも50~100万円という罰金だから、軽く年収を超えているのは言うまでもない。

更に、簡単に罰金を支払える高額所得者は、第二子以降も産むという構図があり、そのため、政府は年収の3倍?10倍以上という罰金の増加、違反者の公表、税金や社会保障での待遇格差をつけるなど、対策の強化を検討しているらしい・・・。

しかも、この罰金が、行政の貴重な財源となっているというのだから、どうしようもない。

Oさんは、恐ろしい話も聞かせてくれた。

二人目を産んだにも関わらず、罰金を払っていない女性が、三人目を妊娠したため、国によって、妊娠7ヶ月目にも関わらず、強制的に堕胎させられたというのである・・・(○Д○;)絶句iilllilll

いやはや、何とも・・・。

話は変わるが、日本でも昔は、働き手となる男の子を望むという時代があった。

中国では、現在でも、男が親の面倒を見るという伝統的な側面と、農村部においては、肉体労働の担い手となる男の子の出産を希望する農民が多いため、女の子の場合は中絶してしまうので、男女比率がいびつな現象になっているらしい・・・。

そうなると、成人しても男はあぶれて、結婚ができなくなったり、晩婚になったりという問題が生じてきているらしい・・・。

そして、このいびつな男女比率のためなのか、ゲイが増えているというのだ・・・(」゚ロ゚)」

しかし、中国では、ゲイは認められていないので、アンダーグラウンドで密かなパーティが開かれているというのだが・・・???

更に、農村部では、無許可で出産して、戸籍がないため、学校にも行けない子供がいるという。

こんな子供等のことを、“黒孩子(ヘイハイズ)”と呼ばれ、数千万人から数億人とまで言われ、政府でさえ把握出来ない、まさに、黒(闇)というところだろう・・・。

Oさんの話では、こんな子供等を売り買いする人身売買の組織が、実際にあるというのだから驚きである。

ところで、この“一人っ子政策”が始まったのが、1979年なのだが、一人っ子政策下に生まれ育った子供らを、中国では“80后(バーリンホウ)”、と表現するらしい。

Oさんによると、この“バーリンホウ”は、中国でも、深刻な悩みの種になっているらしい。

何故かというと、夫婦の間に一人しか子供がいないから、両親、そして両親の祖父母から、一身に愛情を受けて育てられる。

一身に愛情を受けて育てられると言えば、聞こえは良いが、要は、超甘やかされて我が儘放題に育てられる。

男は小皇帝(シャオファンディ)、女は小公主(シャオファンホウ)・・・。

Oさんによると、これが、全く使えないらしい・・・。

一緒に、仕事をしていても、依存心が強く、忍耐力もなく、人間関係の構築もできない等々、ケチョンケチョンにけなしていた・・・( ̄▽ ̄;)アハハ…

結局、人口抑制策で“一人っ子政策”を導入したのは良いが、政策的にも、負の部分を多く抱え、結局、“黒孩子”が増えたのでは、何のための政策だったのだろうと疑問に思うしかない・・・。

今や、経済大国とまで呼ばれる中国だが、その失速のスピードは考える以上に早いのではないだろうか???