「真実の口」689 食の安全に関する再考⑮

前回の続き・・・。

1980年以降、中国の農業は、集団経営から、再び、個人経営へと移行していく・・・。

そして、機械化と科学技術の発展により、着実に変容を遂げる・・・。

中国政府の農業改革は着実に成果を上げていく・・・!

改革前の1978年を100とすると、1984年までの食糧生産量の年平均増加率は5%を超え、1957年から1978年までの、年平均増加率2.15%を大幅に上回っている・・・ヾ( ゚∀゚)ノ゙

また、人口1人当たりの食糧生産量を指標にとれば、1957年から1978年までの20年間では、ほぼ300kg前後する停滞的水準にあったが、わずか6年後の1984年には、約400kgの水準にまで到達している・・・(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ

(以上:参考文献『解放後における中国農業発展の道』王振鎖氏)

しかし、ご多分に漏れず、経済の発展に伴い、世の流れは、第一次産業から第二次産業、第 三次産業へと産業がシフトしていく・・・。

以下が、中国の就業人口の産業別構成比の推移である。

第1次産業

第2次産業

第3次産業

1980

30.2

48.2

21.6

1985

28.4

42.9

28.7

1990

27.1

41.3

31.5

1995

20.0

47.2

32.9

2000

15.1

45.9

39.0

2001

14.4

45.2

40.5

2002

13.7

44.8

41.5

2003

12.8

46.0

41.2

2004

13.4

46.2

40.4

2005

12.1

47.4

40.5

2006

11.1

47.9

40.9

2007

10.8

47.3

41.9

2008

10.7

47.4

41.8

2009

10.6

46.8

42.6

(単位:%)

(資料:CEIC Database )

因みに、2010年の日本の就業人口の産業別構成比は、第一次産業が4.2%、第二次産業が34.1%、第三 次産業が46.6%となっている・・・( ̄へ ̄|||) ウーム

この産業構造の移行は、言うまでもないが、地方から都市部への人口流出、それに加え、厳しい労働条件の割には所得が少ない第一次産業より、(第一次産業と比較すると)楽して稼げる(?)第三次産業へ、シフトしていくのは当然のことである・・・。

データを見ると明らかである・・・。

1980年の農村部1人当たり純収入が191元に対して、都市部1人当たり可処分所478元である。

その差は2.5倍・・・。

改革が進み、1985年では、農村部1人当たり純収入が398元に対して、都市部1人当たり可処分所739元である。

その差は1.9倍・・・。

中国政府の成果が如実に表れたようなのだが・・・σ(・ω・*)ンート…

その後、残念ながら、都市部と農村部の所得格差は徐々に拡大していくのである・・・(´Д`)ハァ…

以下が、中国の都市部と農村部の所得格差である。

(年)

A

B

C

1980

191

478

2.5

1985

398

739

1.9

1990

686

1,510

2.2

1995

1,578

4,283

2.7

2000

2,253

6,280

2.8

2001

2,366

6,860

2.9

2002

2,476

7,703

3.1

2003

2,622

8,472

3.2

2004

2,936

9,422

3.2

2005

3,255

10,493

3.2

2006

3,587

11,759

3.3

2007

4,140

13,786

3.3

2008

4,761

15,781

3.3

2009

5,153

17,175

3.3

(単位:元)

A:農村部1人当たり純収入

B:都市部1人当たり可処分所得

C:倍率

(資料:中国国家統計省「中国統計年鑑」)

1990年半ばからは、”三農問題”として、頭を痛める社会問題としてクローズアップされるようになる・・・。

“三農問題”とは、農民問題、農村問題、農業問題の三つを指し、2000年、湖北省監利県棋盤郷党委員会書記の李昌平が、朱鎔基総理に「農民は本当に苦しんでおり、農村は本当に困窮しており、農業は本当に危険である(農民真苦、農村真窮、農業真危険)。」といった内容の手紙を提出したことにより、一般的にも疲れるようになった・・・。

以下、Wikipediaより・・・。

農民問題:三農問題の中核となる問題、農民の収入が低く、増収は困難であり、都市-農村間の貧富の差は拡大し、農民は社会保障の権利を実質得ていないことを示している。

農村問題:農村の状態が立ち遅れ、経済が発展しないことに集中して示している。比喩として、中国の都市はヨーロッパのようだが、農村はアフリカのようである。

農業問題:農民が農業で金を稼げず、産業化のレベルが低いことを示している。

これに伴い、中国国内では、年間10万件に近い農民抗争が起きているというのだから事態は深刻だ・・・ヽ((◎д◎ ))ゝ ひょえぇ~

日本であれば、百姓一揆という感じなのだろうか・・・?

次回へ・・・。