「真実の口」740 食の安全に関する再考55

前回の続き・・・

前回、寄り道をしてGM蚊について寄稿した・・・。

昆虫で遺伝子組み換えが実現されているのであれば、当然、動物も・・・???

正解・・・¬(・_・;)ビンゴ!!!

2010年9月3日、米食品医薬品局(FDA)は、「遺伝子組換え鮭の安全性」を発表している・・・工エエェェ(´ロ`ノ)ノェェエエ工

《New York Times原文》http://www.nytimes.com/2010/09/04/health/policy/04salmon.html?ref=health&_r=0

「突然、何の発表だ・・・!」と感じる方が多いと思う・・・。

流石に、GM作物に溢れたアメリカでも、驚きの声は隠せなかったというのだから、FDAの企みには、感心する以外無い・・・(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ

マサチューセッツ州ウォルサムにあるAquaBounty Technologies社の開発者によれば、「通常、アトランティック・サーモンは市場に出るまで30ヶ月かかるが、GM鮭は16~18ヶ月で市場サイズになる」と語っている。

養殖鮭とGM鮭

FDAの獣医薬品諮問委員会は、9月19~20日に承認の是非について議論・・・。

その後、パブリックミーティングで、このサケに由来する食品の表示をすべきかどうか、表示をするとすればどう表示するか議論・・・。

更に、FDAは、その後数週間を経て最終決定を行う・・・。

AquaBounty Technologies社は、「GM鮭がスーパーに出回るのは、承認されてから2?3年後」と強気の姿勢を崩していない・・・。

そもそも、このGM鮭は、2m大と巨大な大きさになることからキングサーモンと呼ばれているチヌーク・サーモン(サケ目サケ科)の成長ホルモン遺伝子に、スズキ目ゲンゲ科の魚が持つプロモーター遺伝子を組み合わせたものを、アトランティックサーモン(サケ目サケ科)の卵に投与したものらしいのだが・・・。

しかも、AquaBounty Technologies社によれば、少ない飼料で育ち、海ではなく内陸のタンクで養殖することで、環境、消耗が激しい海の資源も守ることができる主張している。

更に更に、画像で判るように体長は2倍程度だが、体重は8倍程度になると言う・・・Σ(゚Д゚;エーッ!

中には、25倍にもなる可能性があるという識者もいるらしいのだが・・・ヽ((◎д◎ ))ゝ ひょえぇ~

時は流れ、FDAの安全宣言から2年強の2012年12月21日、食品医薬品局(FDA)が環境アセスメントにおいて、「GM鮭は環境に重要な影響をもたらさない」とする結果を発表した・・・。

FDAによれば、環境アセスメントを行った結果、内陸で養殖され、しかも不妊化されたメスを飼育するので、逃げ出して野生のサケと繁殖して自然に影響を及ぼすリスクはきわめて低い、と結論づけたようである・・・。

このFDA発表の少し前になるのだが、アメリカでは、熱い大統領選が繰り広げられ、オバマ大統領が11月6日圧勝している。

しかも、この時、カリフォルニア州では遺伝子組換えの表示義務化の是非を問う州民投票も行われていたのである・・・φ(*’д’* )メモメモ

合衆国政府は、遺伝子組換え作物は非組換え作物と食品として同等である、という理由で、表示を義務づけないという立場を取っている。

元来、カリフォルニア州は、アメリカの中で、最も有機農業が盛んな州であり、これまでも郡や地区単位で、遺伝子組換え作物の商業栽培禁止を求める市民運動が起こされてきた経緯がある・・・。

そこで、カリフォルニア州独自の表示制度の立法運動が起こり、州民投票にまで持ち込まれ、「表示Yes派」と「表示No派」が激しい運動を繰り広げられたようである。

そこは、ハリウッドを抱えるカリフォルニア州のことである・・・。

有機食品の生産や販売関係者が後押しする「表示Yes派」と、遺伝子組換え開発メーカーや大手食品メーカーが後押しする「表示No派」が、大量の資金を投じての熾烈な選挙合戦だったらしい・・・( ̄▽ ̄;)アハハ…

「表示Yes派」は920万ドル(約9億2千万円)、「表示No派」は4600万ドル(46億円)というのだから、流石、ザ・アメリカである・・・???(0^□^0)???

環境問題と言うよりも、モンサント社率いる「表示No派」との利害抗争という感じが否めないのだが・・・。

さて、投票の結果は・・・!

結果は、68.68%という高い投票率の中、賛成48.6%、反対51.4%という2.8ポイントの僅差で否決され、「表示No派」に軍配が・・・( ̄へ ̄|||) ウーム

次回へ・・・。