「真実の口」1,066 東日本大震災から6年

東日本大震災から6年の月日が流れた。

例年であれば、3月11日は東北入りして、何処かの追悼式に参加しつつ、東北各所を慰霊のために赴いている私だが・・・。

今回は、当日、末娘の卒園式と重なったため、3月7日~10日の4日間にかけて、福島から岩手へと足を運んだ。

2011年3月11日、岩手・宮城・福島の三県で、100人を超える新しい命が生まれていた。

また、震災翌日から4月1日まで、あの惨状の中で多くの命が生まれている。

この子等も、4月には、私の娘と同じように小学生になる。

この子等がどのような6年を歩んできたかは、想像もできない。

6年というと長いようだが、あっという間だった。

この間、何度、東北に足を運んだか・・・。

昨年は、4月に熊本地震があったため、熊本に足を運ぶ機会が増え、3月に行ったきり、約1年ぶりの東北入りということになった。

この一年の間に、インフラの整備の進み具合には眼を見張るものがあった。

海岸に長く築かれた防潮堤、市街地の嵩上げ工事、住宅地の高台移転等々・・・。

復興庁から、平成29年度1月末時点での公共インフラの本格復旧・復興の進捗状況が発表されている。

平成28年度1月末時点での公共インフラの本格復旧・復興の進捗状況もリンクを貼るので、是非、比較して欲しい。

そして、例の如く、あの日からの被害状況の変化を見てみよう。

消防庁災害対策本部から、平成28年3月8日14:00に出された『平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)について(第153報)』と平成29年3月8日14:00に出された『平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)について(第155報)』で比較してみよう。

【人的被害】

平成28年3月1日現在・・・。

死者:19,418人(前年比+193人)
行方不明者:2,592人(前年比-22人)
負傷者:6,220人(前年比+1人)

平成29年3月1日現在・・・。

死者:19,533人(前年比+115人)
行方不明者:2,585人(前年比-7人)
負傷者:6,230人(前年比+10人)

復興庁から発表された避難者等の数が以下のようになっていている。

平成28年2月26日現在・・・。

①全国の避難者の数:174,471人(前年比-65,392人)
②全国の避難箇所:47都道府県1,139(-23)の市区町村

平成29年2月13日現在・・・。

①全国の避難者の数:123,168人(前年比-51,303人)
②全国の避難箇所:47都道府県1,094(-45)の市区町村

自県外に避難等している者の数は、福島県から39,598人(前年比-776人)、宮城県から5,434人(前年比-122人)、岩手県から1,315人(前年比-103人)となっている。

そして、現在も仮設住宅での生活を余儀なくされている方の数は・・・。

公営・応急・民間賃貸を併せて、155,791人にものぼる・・・。

最近、東京電力福島第一原子力発電所事故により、非難されている方々への謂われのない中傷、差別、いじめの問題が後を絶たない。

子供同士だけではなく、教師が問題発言をしたり、更には教育長まで・・・。

河北新報社とインターネット調査会社マクロミルが、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故に関するネットアンケートを、東北6県と首都圏1都3県で実施した結果、避難者へのいじめや差別を身近に感じたことがある割合が、福島県では64.3%に達したという。

いつからこの国はこんな国になったのだろう?

また、政府は、平成27年の6月12日、「帰還困難区域を除いた」区域の避難指示を平成29年3月までに解除する方針を示した。

これにより、平成29年3月31日までに浪江町、飯舘村、川俣町山木屋地区、平成29年4月30日までに富岡町の避難指示が解除されることになった。

私は福島原発付近を通る時はガイガーカウンターを持参して通行しているのだが、これらの地区でない、既に、避難指示が解除されている地域でさえ、ガイガーカウンターは鳴りっぱなしだ。

こんな中、各地域では、帰還者と避難者の間で対立構造が露わになってきている。

国は解除の明確な理由も明示していない・・・。

皆は、復興特別所得税を徴収されていることをご存知だろうか?

復興特別所得税額=基準所得税額×2.1%で計算されるのだが・・・。

平成25年から平成49年までの24年に渡り徴収されることになっている。

東日本大震災は他人事ではなく、自信のお金も復興に使われているのだから、その使用用途を知る権利と義務がある。

ただ、一つ残念なのは、3月11日のテレビ局各局の取り上げ方の小ささである。

3月11日・関西地区のテレビ欄

震災5年の節目を越えて、6年になるから仕方ないのかも知れないが、決して風化させてはいけない。

そんな中、NHKのテレビ欄のメッセージは心に滲みた。