「真実の口」1,082 平成28年熊本地震から1年・・・③

前回の続き・・・。

前2回は人的被害にスポットをあてて寄稿した・・・。

そのデータは、熊本県熊本地方を震源とする地震(第100報)に基づいていたのだが・・・。

私が4月14日に熊本入りするために、福岡へのフライトの間に熊本県熊本地方を震源とする地震(第101報)が公表されていた。

■人的被害
・死亡者数:225人→228人(熊本県:222人→225人、大分県:3人)
・重傷者数:1,143人→1,149人(熊本県:1,124人→1,130人、大分県:11人、佐賀県:4人、宮崎県:3人、福岡県:1人)
・軽傷者数:1,604人(熊本県:1,552人、大分県:22人、福岡県:16人、佐賀県:9人、宮崎県:5人)
≪参考≫死者数の内訳
【熊本県から報告】(平成29年4月13日18:00現在)
・警察が検視により確認している死者数:50人
・災害による負傷の悪化または避難生活における身体的負担による死者数:167人→170人」
(うち、市町村において災害弔慰金法に基づき災害が原因で死亡したものと認められたもの:164人→167人)
・6月19日から6月25日に発生した豪雨による被害のうち熊本地震との関連が認められた死者数:5人
【大分県から報告】(平成29年3月13日16:30現在)
・害弔慰金法に基づき災害が原因で死亡したものと認められたもの:3人

複雑な思いがする・・・。

今回は、建物・その他の被害について見てみよう。

震災発生後3ケ月目に発表された『平成 28 年(2016 )熊本県熊本地方を震源とする 地震に係る被害状況等について』から1年でどのように変わったのだろう?

■建物被害
・住宅被害
全壊:8,305棟→8,697棟(熊本県:8,299棟→8,688棟、大分県:6棟→9棟)
半壊:26,094棟→34,037棟(熊本県:25,932棟→33,809棟、大分県:159棟→222棟、福岡県:1棟→4棟、宮崎県:2棟)
一部損壊:125,846棟→155,902棟(熊本県:120,584棟→147,563棟、大分県:5,007棟→8,062棟、福岡県:230棟→251棟、宮崎県:20棟→21棟、山口県:3棟、佐賀県:1棟、長崎県:1棟)
・被住宅被害
公共建物:243棟→439棟(全て熊本県)
その他:1,809棟→11,007棟(熊本県:1,771棟→10,943棟、大分県:35棟→62棟、佐賀県:2棟、福岡県:1棟→)
・火災:6棟→15棟(全て熊本県)
■避難の状況(平成29年4月13日 13:30発令中のもの)
避難指示:2市1町1村→1市1町【宇土市・御船町】(2,340世帯→179世帯、5,550人→408人)
避難勧告:8市7町2村→1町1村【南阿蘇村・御船町】(78,571世帯→336世帯、192,008人→816人)
■避難所の状況
【熊本県】11月18日をもって県内全避難所を閉鎖
※避難所への避難者最大数:183,882名(4月17日、855箇所開設
【大分県】5月16日をもって県内全避難所を閉鎖
※避難所への避難者最大数:12,443名(4月17日、311箇所開設
■その他被害状況
・土砂災害:190件
土石流等:57件(熊本県:54件、大分県:3件)
地すべり:10件(全て熊本県)
がけ崩れ:123件(熊本県:94件、大分県:15件、宮崎県:11件、佐賀県:
件、長崎県:1件、鹿児島県:1件)
・河川被害
国管理河川:6河川172箇所・・・堤防天端のひび割れ補修などの応急対策を全 て完了、堤体の変状が比較的大きい11箇所について、緊急的な復旧工事を全て完了
都道府県・政令指定都市管理河川:一般被害なし、河川管理施設被害(48河川322箇所)・・・1箇所は復旧工事完了、その他は応急対策全て完了
■ライフラインの状況
・電力(九州電力管内)
平成 28 年 4 月 20 日(水)19 時 10 分、がけ崩れや道路の損壊等により復旧が困難な箇 所を除いて、高圧配電線への送電完了。大規模な土砂崩れにより送電が困難となっていた阿蘇 市、高森町、南阿蘇村においては、全国から手配した電源車の活用により通電していたところ、 平成 28 年 4 月 27 日(水)送電線の仮復旧工事が完了し、4 月 28 日(木)21 時 36 分、系統か らの電力供給に切り替えを完了。
停電戸数:0戸
(参考)
最大停電戸数:477,000戸(4月16日14:00時点)
・ガス(西部ガス管内)
供給停止:4月30日(土)13時40分、熊本市周辺の供給区域における復旧作業を完了し、家屋倒 壊その他の事情により供給再開ができない需要家を除くすべての需要家に対するガスの供給を 再開。
供給停止戸数:0戸
(参考)
最大供給停止戸数:105,000戸(4月16日9:00時点)
・石油(GS)
熊本県内計797箇所中736箇所稼働
・燃料の応援要請への対応については、平成 28 年 4 月 16 日 に発動した石油備蓄法に基づ く「災害時石油供給連携計画」を 5 月 15 日に終了。
・水道
断水:1村2戸(熊本県内) →断水解消済み(平成 28 年 7 月 28 日)
(参考)
最大断水戸数:445,587戸
■通信関係
全て復旧
■道路
・高速道路:被災による通行止め:0区間
・直轄国道:被災による通行止め:1区間
国道57号熊本県南阿蘇村81K100付近=斜面崩壊によるもの
・補助国道:被災による通行止め:5区間→2区間
国道325号熊本県南阿蘇村河陽=落橋
国道445号熊本県御舟町下鶴=法面崩壊
・都道府県・政令指定市道被災による通行止め:18区間→1区間
熊本市(橋梁ずれ:1)
■交通機関
・新幹線:全線運転再開
・在来線:2事業者2路線運転休止
JR九州肥後線:肥後大津~阿蘇間
南阿蘇鉄道高森線:全線→立野~中松間
但し、代行バスによる輸送実施中
・空港:運行再開
・港湾:重要港湾4港(熊本港、八代港、水俣港、別府港)=応急復旧済み

次回へ・・・。