「真実の口」1,083 平成28年熊本地震から1年・・・④

前回の続き・・・。

前回、人的被害に続いて、建物・その他の被害について寄稿した。

その寄稿日の4月19日(水)の毎日新聞に驚くような記事を目にした。

Blogは出張等があるため2~3話分を先にUPしているのだが・・・。

折角なので、全文を掲載する・・・。

毎日新聞さん、著作権法違反で訴えないでね・・・m(_ _)m

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熊本地震 大分・由布が被災建物を再調査へ 判定に誤り

大分県由布市が、熊本地震で被害を受けた建物の罹災(りさい)証明書発行に伴う調査に誤りがあったとみて、1,774件の再調査に乗り出すことが、分かった。被災状況を低く判定した可能性もある。判定が変われば、被災者生活再建支援金などの給付額も変わってくる。内閣府の防災担当は、今回のような再調査について「聞いたことがない」と話している。

「被災状況の評価が低い」と被災者から相談された建築士の指摘で、調査に誤りがある可能性が浮上した。建物の外観の被災程度などから全壊や半壊などと判定する調査の一部で、誤りがあったとみられる。

内閣府の防災担当や市によると、家屋の基礎部分を調査する際、外周の長さに対する損傷した部分の割合で判断するが、由布市の調査では、外周に必要のない部分も入れてしまい、被災割合を低く見積もった可能性があるという。

由布市は被災状況の調査を昨年4月26日から開始。担当課以外の職員や県職員の応援も含めて延べ数百人が調査に当たり、調査員によって調べる方法に差があったとみられる。

既に解体済みの家屋もあり、当時の調査データを基に再調査するケースもあるという。

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罹災証明書とは・・・。

被災者生活再建支援法に基づき、各市区町村(自治体)が、災害被害に遭った被災者の申請で家屋の被害状況の調査を行い、「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」等を認定して発行する証明書のことをいう。

この証明書によって住宅が全壊(全焼・全流失)した世帯、あるいは住宅が半壊または敷地等に被害が生じてやむなく解体した世帯、大規模半壊世帯と認定されると、被災者生活再建支援金の支給対象となる。

家屋の被害の度合いに応じて支援金の額や支援の規模も異なってくる。

熊本地震においては、地震発生後一ケ月の5月14日時点で、熊本県内では、「罹災証明書」の申請が計97,741件に上り、発行は28,266件(28.9%)と3割に満たない数字にとどまっていた。

熊本県によると、12日までに被災者から県内の30市町村に発行の申請があり、熊本市が57,244件で最も多く、震度7を二度観測した益城町が9,837件、西原村は1,793件、南阿蘇村は1,548件だった。

しかし、その一ヶ月で 発行できたのは熊本市が、18,785(32.8%)と3割を越えたようだが、益城町、西原村、南阿蘇村等の9市町村は発行できていない状況だった。

この大きな要因は市町村の人手不足である。

今年3月末で罹災証明書の新規申請受付を終了した熊本市では、これまでに約16万件を発行。

地震発生から半年間は、窓口での申請や被害認定調査などの業務に1日当たり618人を動員したという。

それでも、申請期限を過ぎた現在でさえ、住宅分だけで約1,000件の調査が終わっていないのが現状らしい・・・。

2次調査の再依頼もあり、約30人が、現在でも調査に当たっている。

しかし、罹災証明書の発行の遅れは、被災者の生活再建の足かせとなることは否めない。

熊本地震では、当然、被災者からは不満の声が多くあがっていた。

そんな状況の中での、大分県由布市の1,774件の再調査は耳を疑った。

本文にも書いてあるのだが、既に解体済みの家屋もあり、どのように結果を導いても疑問を挟む余地がありそうだ・・・。

もちろん、政府も判定業務効率化の必要性は認識しているようで・・・。

被害認定調査に携わる職員の負担を減らすため、今年度に判定の効率化に向けた検討に着手するらしい・・・。

「被災建築物応急危険度判定」については、以前、寄稿しているので参考にして欲しい。

次回へ・・・。