「真実の口」1,089 平成28年熊本地震から1年・・・⑨

前回の続き・・・。

去る、前震に当たる4月14日から本震発生の4月16日まで、熊本入りしていた旨はお伝えしていたと思う・・・。

追悼式、シンポジウム、被災地の現状を通して、私が感じたことを寄稿したいと思う。

事前の調べでは、4月14日、午前10時から熊本県庁において熊本地震犠牲者追悼式が執り行われることになっていた。

当日入りでは、間に合わないため、前日夜の便で福岡入りして、朝一の新幹線で熊本に向かった。

以前は、2時間強かかっていた福岡~熊本間も、新幹線が通るようになって早い新幹線だと38分で着くのだから便利になったものだ。

もちろん、この新幹線も熊本地震ではダメージを受け、前線が開通するまでに13日の復旧期間が必要だった。

熊本地震の時に脱線している新幹線の映像は覚えているのではないだろうか?

九州新幹線

1964年の開通以来、この時を含めて4度しか脱線していないというのだから日本の秘術の高さには改めて感心するばかりだ。

熊本に着いた私はレタカーを借りて、会場へと向かった。

少し早めについたので、駐車場で時間をつぶす。

9時45分になったので、会場に足を運ぶ・・・。

受付が正面にあったのだが・・・。

私は、式の前に小用を済まそうと思い、受付を素通りして化粧室へ・・・。

小用を済まし、会場へ向かおうとすると、物々しい警備でざわついていた。

当日、安倍内角総理大臣を始め来賓の方々が参列していたから当然なのだが・・・。

その時、私の隣にいたスタッフらしきかたから声をかけられた。

スタッフ(以下:ス):「すいません。今、通れないので・・・。」

私:「ああ。わかりました。」

ス:「遺族の方ですか?」

私:「いいえ。違います。」

ス:「今日は遺族だけしか参列できないんですが・・・。」

私:「えっ?そうなんですか?東日本大震災の時には誰でも参列できたもんで・・・(苦笑)。」

ス:「どうされますか?上までご案内しますが・・・。」

私:「ああ。じゃあ、お願いします。」

ス:「こちらへどうぞ。」

私:「ありがとうございます。モニターとかはないんですか?」

ス:「さあ?ちょっと聞いてみますね。」

私:「よろしくお願いします。」

近くの別のスタッフに確認して・・・。

ス:「モニター等の準備は無いようです。」

私:「ああ。そうですか。じゃあ、車のテレビで拝見します。」

ス:「申し訳ありませんでした。ジャーナリストですか?」

私:「はあ・・・。(まあ、そのようなもんだわ)」

苦笑しつつ、車へ移動する私。

10時に追悼式が始まり、1分間の黙祷・・・。

平成28年熊本地震追悼式

安倍内閣総理大臣の追悼の辞(全文)

抜粋:「復旧・復興をできるだけ早く成し遂げることこそが、犠牲となられた方々の御霊に報いる道です。被災者の方々お一人おひとりのお気持ちに寄り添い、1日も早い生活の再建と、生業(なりわい)の再生、被災地の復興を実現するため、引き続き、政府ー丸となって全力で取り組んでまいります。また、熊本地震から得られた多くの貴重な教訓を踏まえて災害対策の一層の充実を図り、災害に強い、強靭な国づくりを進めていくことを、ここに固くお誓いいたします。
御霊の永遠に安らかならんことを改めてお祈り申し上げるとともに、御遺族の皆様の御平安を心から祈念し、私の追悼の言葉といたします。」

蒲島熊本県知事式辞(全文)

抜粋:「未来を担う、この子ども達のためにも、安心して暮らすことができ、夢と誇りにあふれる熊本を必ずや創り上げて参ります。そして、創造的復興を成し遂げた「ふるさと熊本」を、次の世代に引き継いでいくことを、あらためてお誓い申し上げます。
最後に、皆様の御支援に対する感謝を深く胸に刻み、犠牲となられた方々のご冥福と、一日も早い熊本の復興を願い、追悼の言葉といたします。」

遺族代表の言葉(全文)

抜粋:「普段はあまり顔も見たことのないご近所の、そんな心温まる言葉やさりげない援助を知るうちに、感謝の気持ちが芽生え、交流が始まるなど、いくつもの変化が少しずつ私の中に生まれました。悲しく辛い地震でしたが、まわりの人の優しさは、私の生活に希望の花を咲かせてくれました。(中略)これ迄も、またこれからも、遺族として悲しみが癒えることはありません。それでも多くの人に支えられてここまで来ました。本日の追悼式をきっかけに、私たち遺族が少しでも前を向いて、元気に歩きだすことは、亡くなった方々の望みではないでしょうか。私自身も顔を上げて生きていきたいという思いで、本日、この場に立たせていただきました。悲しみを乗り越え、この辛さを心の糧として立ち上がる人が増えて、熊本が笑顔と活気に溢れるふるさとに再建されていくことを願い、私の挨拶といたします。」

追悼式も終わり、車を出そうと思って、ふと気づいた・・・( ゚д゚)ハッ!

声:「俺って、もしかしたら不審者に思われてた?」

受付を素通りして、化粧室にまっすぐに向かっった時点で、例のスタッフに目をつけられて監視されていたとか・・・Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン

軽くショックを覚えつつ、益城町へ車を走らせた。

次回へ・・・