「真実の口」1,090 平成28年熊本地震から1年・・・⑩

前回の続き・・・。

熊本県庁から益城町へは約10km、車で10分程度である。

地震直後は、この距離を1時間以上かけなければいけなかった。

道路はところどころに亀裂が走り、不自然な隆起・陥没があちらこちらで見受けられ、電柱は斜めに傾いているそんな状況だった。

1年経過した道路の状況は、幹線道路はほぼ全面で補修が行われ、渋滞もなくなっている。

一部、 路地裏に入ると、通行禁止等はあるが、日常生活に支障がない程度である。

車を停めて、益城町を1時間半ほど歩いてみた。

前述したが、前回1月に訪れた時より、更に、復旧が進んでいた。

所々に瓦礫のまま残された家屋はあるものの、大方、更地になっていた。

朝日新聞が空撮した写真があるので、拝借・・・m(_ _)m

地震から1年後の益城町の空撮

歩を進めると・・・。

新築の家。

(画像処理済み)

建築中の家。

(画像処理済み)

造成中の家。

(画像処理済み)

このようなブルーシートが掛けられたままの家屋はところどころで散見する程度までに減っていた。

(画像処理済み)

歩いていて気付いたのだが、新築された家のほとんどが平屋なのである。

私の気のせいなのかと思い、帰ってから、調べてみると、やはり、住宅再建する約7割の方が「平屋」を希望されているということだった。

何故かというと、平屋の方が地震に強いと言われているからである・・・。

単純なことだが、平屋は上層階がないわけでだから、地震発生時に上層階の重量が加わることはない。

つまり、平屋の家屋が支えるのは屋根の重量だけということになる。

これだけでも、倒壊のリスクが減るわけである。

家屋を再建するにあたり、一番頭を痛めるのは資金の問題だと思う。

まずは、義援金について見てみよう。

【一部損壊世帯への災害義援金の支給】

対象者:住家が一部損壊の判定を受け、修理費用(※注)に100万円以上支出した世帯
(※注)日常生活に欠くことができない部分の修理が対象、内装や外構のみの工事、家電製品の修理等の費用は除く。

対象となる 工事箇所・部分
・屋根、柱、床、外壁、基礎等 ・ドア、窓等の開口部(ガラス・鍵の交換も含む)
・上下水道、電気、ガス等の配管、配線、給排気設備(換気扇等)
・衛生設備(便器、浴槽等)、給湯設備(電気温水器等)
※上記の対象箇所・部分であっても、壊れていない場合の取り換えや  リフォーム、グレードアップは非対象
対象外の 工事箇所・部分
・内装(間仕切り壁、壁紙、天井の仕上げ、ふすま、障子等、畳)
・外構(門、車庫、カーポート、塀、柵等)
・家電製品

配分額:一世帯あたり10万円

次に、国からの住まいの建設・購入に関する給付金の支給制度を見てみよう。

【住まいの建設・購入に関する給付金の支給制度(被災者生活再建支援法)】

表にしたほうが分かりやすいと思うので・・・。

                                                  (単位:万円)
区   分 基礎支援金 加算支援金
住宅の被害程度 住宅の再建方法
基礎支援金(1) 加算支援金(2) (1)+(2)
複数世帯 全壊世帯 100 建設・購入 200 300
(世帯の構成員が複数) 解体世帯 補 修 100 200
長期避難世帯 賃 借 50 150
大規模半壊 50 建設・購入 200 250
世   帯 補 修 100 150
賃 借 50 100
単数世帯 全壊世帯 75 建設・購入 150 225
(世帯の構成員が単数) 解体世帯 補 修 75 150
長期避難世帯 賃 借 37.5 112.5
大規模半壊 37.5 建設・購入 150 187.5
世   帯 補 修 75 112.5
賃 借 37.5 75

まあ、早い話が、全壊状態でも最大300万円である。

つまり、住宅再建をしようと思ったら、その負担はほぼ自身にかかってくるということである。

次回へ・・・。