「真実の口」1,099 平成28年熊本地震から1年・・・⑲

前回の続き・・・。

前回、熊本市で開催された『復興記念シンポジウム』の中で、「“プッシュ型支援”は、首都直下型地震や南海トラフ地震など、熊本地震を大きく超える被害が出た場合には役に立たない。」という提言があったことをお伝えした。

今回のその提言を検証してみよう。

熊本地震において・・・。

避難所数は 855箇所。

最大避難者数は 183,882人。

もし、首都直下型地震が起きた場合、どのような被害が考えられるのだろうか?

政府は、平成25年12月に首都直下型地震被害想定を発表している。

首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)

【1.膨大な建物被害と人的被害】
・震度6強以上の強い揺れの地域では、特に都心部を囲むように分布している木造住宅 密集市街地等において、老朽化が進んでいたり、耐震性の低い木造家屋等が多数倒壊するほか、急傾斜地の崩壊等による家屋等の損壊で、家屋の下敷きによる死傷等、多数の人的被害が発生する。
★揺れによる全壊家屋:約 175,000棟
★建物倒壊による死者:最大約 11,000人

・家具の下敷きや、家屋の損壊に伴う出口の閉塞等により、多くの自力脱出困難者が発生するが、救命・救助活動が間に合わず、時間の経過による体力の消耗、火災や余震に 伴う建物被害が増大した場合、死者が増大する。
★揺れによる建物被害に伴う要救助者:最大約 72,000人

【2.市街地火災の多発と延焼】
・地震発生直後から、火災が連続的、同時に多発し、地震に伴う大規模な断水による消火栓の機能停止、深刻な交通渋滞による消防車両のアクセス困難、同時多発火災による 消防力の分散等により、環状六号線から八号線の間をはじめとして、木造住宅密集市街地が広域的に連担している地区を中心に、大規模な延焼火災に至ることが想定される。
★地震火災による焼失:最大約 412,000棟
★倒壊等と合わせ:最大約 610,000棟

・ 同時に複数の地点で出火することによって四方を火災で取り囲まれたり、火災旋風の発生等により、逃げ惑い等が生じ、大量の人的被害がでるおそれがある。
★火災による死者:最大約 16,000人
★建物倒壊等と合わせ:最大約  23,000人

想定では、約 700万人の帰宅困難者が発生し、1週間後の避難所生活者数は、最大約 460万人とされている。

熊本地震と比較すると、地震直後で38倍、1週間後で25倍となる。

また、地震直後、約700万人の避難者に対して220万人分の避難所しか用意されていないというのが現状である。

更に、南海トラフ地震が起きた場合、どのような被害が考えられるのだろうか?

政府は、が平成25年3月に南海トラフ地震被害想定を発表している。

南海トラフ巨大地震の被害想定について(第二次報告)

南海トラフ地震は、静岡県・愛知県から紀伊半島、四国にかけての南方の沖合約100Kmの海底にある長さ700Kmに及ぶ水深0.4Km溝状の地形において発生するので、被害範囲は広範囲にわたる。

【1.建物被害】
★揺れによる被害:約 62.7 万棟~ 約 134.6 万棟が全壊
★液状化による被害:約 11.5 万棟~ 13.4 万棟の建物が沈下
★津波による被害:約 13.2 万棟~約 16.9 万棟が全壊
★急傾斜地崩壊による被害:約 4.6 千棟~約 6.5 千棟が全壊
★地震火災による被害:約  4.7  万棟~約  75  万棟が焼失

【2.人的被害】
死者数
★揺れによる被害:約  3.8  万人~約  5.9  万人
★津波による被害:約  11.7  万人~約  22.4  万人
★火災による被害:約  2.6  万人~約  2.2  万人
★液状化により、約  11.5  万人~ 約 13.4 万棟
要救助者
★建物倒壊に伴う要救助者:約  14.1  万人~約  24.3  万人
★津波浸水に伴う要救助者:約  2.6  万人~約  3.5  万人

想定では、帰宅困難者が中京都市圏で約400万人、京阪神都市圏で約660万人が発生し、地震後しばらくして混乱等が収まり、帰宅が可能となる状況になった場合においても、 遠距離等の理由により徒歩等の手段によっても当日中に帰宅が困難となる人(帰宅困難者)は、中京都市圏で約 100 万人~約 110 万人、京阪神都市圏で約 220 万人~ 約 270 万人 に上るとされている。

また、避難者 ・避難者は断水の影響を受けて1週間後に最大で約 950 万人が発生すると想定されている。

津波の発生が考えられるので、現在避難所に指定されている避難所が機能するかどうかさえ分からない。

内閣府の調べでは、指定避難所数(平成26年10月1日現在)は、全国で合計48,014施設となっている。

全国指定避難所

その中で、南海トラフ地震が起きた際、10万人以上の避難者が出ると予想されている県は、2府15県。

2府15県の避難所総数は、17,143施設

17,143施設950万人の避難者・・・。

プッシュ型の支援は役に立たないということがお分かり頂けるのではないだろうか?

朝日デジタルで『南海トラフ地震の被害想定という特集が組まれており、各都道府県の被害が想定されているものを見ることができる。

今回、熊本地震から1年たった現状にあわせて、近いうちに起きるだろうと考えられている首都直下型地震、南海トラフ地震の被害想定を見てみた。

当ブログを見て、何らかの対策を講じるのも、何も対策を打たないのも人それぞれである。

私はすべての現象は振動と共鳴であるという持論の元、各地に抗酸化の“アルモノ”を収めて歩いている。

昨年、私が行動を始めて以降、震度5弱以上の地震は9回。

震源リスト
地震発生日時 震央地名 最大震度
1 2017/2/28 4:49 PM 福島県沖 M5.7 5弱
2 2016/12/28 9:38 PM 茨城県北部 M6.3 6弱
3 2016/11/22 5:59 AM 福島県沖 M7.4 5弱
4 2016/10/21 2:07 PM 鳥取県中部 M6.6 6弱
5 2016/9/26 2:19 PM 沖縄本島近海 M5.6 5弱
6 2016/8/31 7:46 PM 熊本県熊本地方 M5.2 5弱
7 2016/7/27 11:47 PM 茨城県北部 M5.4 5弱
8 2016/6/16 2:21 PM 内浦湾 M5.3 6弱
9 2016/6/12 10:08 PM 熊本県熊本地方 M4.3 5弱

いずれの地震においても、若干の負傷者は発生したものの、死者は出ていない。

もし、あなたの思考と生き方で、地震が抑えられるとしたら・・・?

受け取り方は人それぞれだろうが・・・(笑)

次回へ・・・。