「真実の口」1,142 シックハウス対策へ、3化学物質追加・・・②

前回の続き・・・。

自分で改正建築基準法の概要・詳細を書きながら、「ああ・・・、こんなんだったっけ?」と嘲笑する自分がいた・・・。

読んでみてどう感じたろうか?

通称、シックハウス法と言われながら・・・。

規制する揮発性有機化合物はホルムアルデヒドのみ・・・?

家の中に揮発性物質があるなら外に強制廃棄・・・??

クロルピリホスのみが規制された防蟻処理・・・???

住宅性能表示制度においては、空気環境(シックハウス)は選択項目と軽視・・・????

一応、厚生労働省も形ばかりは、揮発性有機化合物(VOC)の指針値は示している。

揮発性有機化合物(VOC)とその考えられる健康への影響の可能性を列挙してみる。

揮発性有機化合物 室内濃度指針値
(※1)(※2)
健康への影響の可能性(※3) 設定日
ホルム
アルデヒド
100μg/m3(0.08ppm) 眼・鼻・喉への刺 激・炎症、流涙、接触性皮膚炎、発ガン 1997.6.13
アセト
アルデヒド
48μg/m3(0.03ppm) 眼・鼻・喉に刺激、接触性皮膚炎、高濃度で麻酔作用、意識混濁、気管支炎、肺浮腫等 2002.1.22
トルエン 260μg/m3(0.07ppm) 眼・気道に刺激、高濃度長期暴露で頭痛、疲労、脱力感等 2000.6.26
キシレン 870μg/m3(0.20ppm) 眼・気道に刺激、高濃度長期暴露で頭痛、疲労、脱力感等 2000.6.26
エチル
ベンゼン
3800μg/m3(0.88ppm) 眼・喉への刺激、目眩、意識低下等 2000.12.15
スチレン 220μg/m3(0.05ppm) 眼・鼻・喉への刺激、眠気、脱力感等 2000.12.15
パラジクロロ
ベンゼン
240μg/m3(.004ppm) 高濃度長期暴露で肝・ 腎・肺・メトヘモグロビン形成に影響 2000.6.26
テトラ
デカン
330μg/m3(0.04ppm) 高濃度で麻酔作用、接触性皮膚炎 2001.7.5
クロル
ピリホス
1μg/m3(0.07ppb)

小児の場合:

0.1μg/m3(0.007ppb)

アセチルコリンエステラーゼ阻害、倦怠感、頭痛、目眩、胸部圧迫感、吐き気、縮瞳等 2000.12.15
フェノ
ブカルブ
33μg/m3(3.8ppb) アセチルコリンエステラーゼ阻害、倦怠感、頭痛、目眩、悪心、吐き気、縮瞳等 2002.1.22
ダイア
ジノン
0.29μg/m30.02ppb) ラット吸入暴露における血漿及び赤血球コリンエステラーゼ活性への影響 2001.7.5
フタル酸ジ
-n-ブチル
220μg/m30.02(ppm) 眼・皮膚・気道に刺激 2000.12.15
フタル酸ジ
-2-エチルヘキシル
120μg/m3(7.6ppb 眼・鼻・気道に刺激、接触性皮膚炎 2001.7.5

(※1):単位の換算は、25℃の場合。
(※2):1ppb=1000ppm
(※3):厚生労働省「室内空気中化学物質についての相談マニュアル作成の手引き」より暫定目標値

次に、これらの揮発性有機化合物(VOC)がどんなところに使われているかを見てみよう。

揮発性有機化合物 主な用途
ホルムアルデヒド 接着剤、防腐剤
アセトアルデヒド 接着剤、防腐剤
トルエン 接着剤、塗料の溶剤
キシレン 接着剤、塗料の溶剤、可塑剤
エチルベンゼン 塗料の溶剤
スチレン 断熱材
パラジクロロベンゼン 防虫剤、芳香剤
テトラデカン 塗料の溶剤、灯油
クロルピリホス 殺虫剤、防蟻剤
フェノブカルブ 防蟻剤
ダイアジノン 殺虫剤
フタル酸ジ-n-ブチル 可塑剤
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 可塑剤

さてさて、お国の指針値が示され、改正建築基準法が施行されて14年・・・。

シックハウスが問題視され始めた2000年頃、化学物質過敏症の推定患者数は70万人とも100万人とも言われていた。

前回寄稿の「“香”という名のテロリスト」でも紹介したが、芳香性柔軟剤・洗剤に不快を覚える人はかなりの数に上る。

専門家の間では、これら予備軍を併せると1,000万人を優に超えるのではないかと言われている・・・ヽ((◎д◎ ))ゝ ひょえぇ~

そんな中、15年ぶりに以下の3化学物質が追加された・・・。

★テキサノール
★2-エチル-1-ヘキサノール
★2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイソブチレート

全く見たことも聞いたこともない・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛

テキサノール・・・水性塗料の溶剤

2-エチル-1-ヘキサノール・・・可塑剤、合成潤滑剤、界面活性

2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイソブチレート・・・塩化ビニル用可塑剤、塩ビ用成形滑剤

テキサノールは、既に指針値のあるフタル酸エステル類の代わりに広く使われているらしく、2-エチル-1-ヘキサノールは、オフィスなどのビニール製の床材から放散され、問題になることが多いとされているようだ。

更に、これらの追加指定に加えて、キシレン、エチルベンゼン、フタル酸ジ-n-ブチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシルの4物質を既に定めている指針値を改定し、規制を強化するという。

キシレン・・・870μg/m3200μg/m3
エチルベンゼン・・・3800μg/m358μg/m3
フタル酸ジ-n-ブチル・・・220μg/m317μg/m3
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル・・・120μg/m3100μg/m3

キシレンの濃度は従来の約4分の1、エチルベンゼンは約66分の1に引き下げられるというのだが・・・(。-∀-) ニヒ♪

この対策で・・・。

化学物質過敏症の方が救える・・・?

予備軍の発症を抑えられる・・・??

さあ、サイが投げられるのは年内らしい・・・ψ(*`ー´)ψ ゥヶヶ

次回へ・・・。