「真実の口」1,224 血液型と病気・・・⑲

前回の続き・・・。

前回、沖縄独自の文化“モアイ(模合)”を紹介した。

今回は、もうひとつ沖縄独自の飲酒文化を紹介したい。

“オトーリ”である・・・!

“オトーリ”は、感じで表記すると、”御通り”となる。

元々は 16 世紀ごろ、琉球王国時代、沖縄本島で流行した中国式の乾杯から来たものらしい・・・。

酒宴の開催者が、来賓者に酒を振る舞うために行っていたらしいのだが、その当時、琉球では、穀物の生産量が少なく、泡盛は首里でのみ製造を許可されていたため、庶民には非常に貴重品だったようだ。

そのため、貴重品だった泡盛を酒宴の参加者全員に均等に分けるために考えられたものだったらしい・・・。

当時のオトーリは祭祀の中に取り入れられるなど、今よりも神聖な行為として扱われていたらしいのだが、そこはホレ、島人・・・( ̄ー ̄)ニヤリ

一般の人々に広まるにつれ、また沖縄本島から宮古島に伝わるにつれ、酒豪たちの大飲み自慢のような文化に変化していったのだ・・・ψ(*`ー´)ψ ゥヶヶ

今では、沖縄本島でこの習慣に出会うことは無いが、宮古島には根強く残っている・・・。

私が数年前に行ったときに、実際、オトーリを体験した・・・。

そのルールは・・・。

1.参加者の中から一人、親を決める。
2.親が口上を述べ、盃に注いだ酒を飲み干す。
3.親は同じ盃に酒を注ぎ、隣に座っている者に渡す。
4.盃を渡された人は、黙って全て飲み干す。
5.飲み干した盃は親に返します。
6.親はまた盃に酒を注ぎ、次の人に渡す。
7.これを、全員が一杯ずつ飲み終えるまで繰り返す。
8.全員が飲み終わったら、親はもう一度盃の酒を飲み干し、感謝の口上を述べる。
9.親が、次の親を指名して、もう一度オトーリが始まる。
10.これを出席者全員が親になるまで続ける。
11.出席者全員が親を終えると、最初の親に戻り、新たに、口上を述べ、再び、オトーリが始まる。
12.enders・・・。

如何だろうか?

そして、これはあくまで一般的なルールで、私が体験したルールは下に書くが、もっと地獄絵図のような光景が展開される・・・( ̄▽ ̄;)アハハ…

更に、ここでは、盃と書いているが、実際は、オト-リグラスなるジョッキサイズのもので行うのである・・・。

写真を撮っていたと思うので、アルバムを探してみたら、出てきた・・・(笑)

オトーリグラス

グラスには見慣れない単語が書かれている。

宮古島の方言らしく・・・

★いぴっちゃ→ちょびっと

★なから→少なめ

★ずみ→最高

★やまかさ→たくさん

・・・という意味らしい。

私が行ったのは、 2011 年 7 月のようだ・・・。

そのときの“オトーリ”の参加メンバーは、沖縄本島(浦添市)で土建業兼建築業を営んでいる I さん、沖縄本島(那覇市)で海ぶどうの養殖を営んでいる K さん、宮古島でクルマエビの養殖を営んでいる Y さん、そして、私の4人である。

ホテルの一階が居酒屋だったので、ホテルに着いて、すぐに酒席へ・・・。

実は、この時、まだ夕方5時過ぎで、宮古島では燦燦と太陽が照り付けていた・・・( ̄▽ ̄;)

オトーリなる文化を紹介されたのだが、私は勝手が分からないので、まずは Y さんが親になり、口上を述べる。

Y:「きょうは、大阪からわざわざ佐々田さんにお越しいただき有難うございます。是非、これを機会に、抗酸化を広めて、交流を深めていきたい思います。」

グラスを煽り、次席の人( K さん)に、酒を注ぐ・・・・・・〆(・。・〟)フムフム

この時は、盃を回していくシステムではなく、全員がオト-リグラスを持っていた。

K さんがグラスを空にする・・・。

・・・と、ここで Y さんが、「ちょっと、ローカルルールを入れます。」と宣う。

声:「ん?」

Y:「本来だったら、次の席の人に回していくんですが、親に戻ったら、再度、親は泡盛を注いで、飲み干して、次々席( I さん)に注いでいきましょう。」

声:「ん??親・・・、えげつなくない???」

・・・ということで、宴の始まりである。

つまみは、島蛸、島らっきょう、地魚の盛り合わせ、ゆし豆腐、etc・・・。

一次会では、泡盛一本を空けて、2次会のスナックへ・・・。

ここでも、当然、オトーリが続く・・・。

段々、ペースが遅くなる面々・・・。

私の順番まで待てない私は、オト-リグラスとは別にもう一杯、泡盛の水割りを作る・・・(; ´_ゝ`) フッ

空いた泡盛4本・・・。

時間は2時半・・・。

店の人に言わせると、このうちの2本半くらいは私が飲んだらしい・・・。

そして、翌朝・・・。

合流する時間、8時になっても誰も降りてこない・・・。

仕方なく、ホテルからすぐ近くの港に行き、時間を潰す・・・┐( -_-)┌ ヤレヤレ

最初に降りてきたのは、意外にも I さん・・・。

実は、 I さんはお酒は好きなのだが、飲むと、すぐに寝てしまうので、昨夜も皆の中では飲んでいなかったのである。

結局、皆がそろったのは、ホテルのチェックアウト時間の10時だった・・・。

K さんと Y さんは口をそろえて・・・。

「佐々田さんみたいな人は見たことがないです。」

私:「言ったじゃないですか~。私は酒の申し子、酒天童子だって・・・。」

K & Y :「・・・(絶句)。」

ただ、このオトーリと言う文化も、ずっと続いてきたわけでは無く、とある酒造メーカーが泡盛の売り上げを上げる為に広めた文化、ようはバレンタインみたいな戦略で、1980年代以降に広がったものらしい・・・。

こんな飲み方してたら、そりゃ、肝臓悪くするわ・・・(o゚ー゚)/ナットク

お前はどうなんだと聞こえてきそうだが・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛

ちょっと、深く語りすぎたので次回へ・・・。