「真実の口」1,145 奇跡の梨・前編

化学物質過敏症についての寄稿をしていたが、急を要するので、今回はこれをご報告させていただく。

どこかで聞いたようなタイトルだが、まあ、次元が違うので最後までお付き合い願いたい。

「真実の口」1,061 環境回復農法~技術指導編・熊本~

ここから先は、名前を公表していいので、以降は、毎床さんと綴らせていただく。

1月の訪問以後、4月、7月と2度お伺いさせていただいた。

4月に再訪した際は、丁度、梨の花が咲くころを狙っての訪問だった。

梨の花

以前、紹介した樹齢百余年の二十世紀梨も無事咲いていた。

原木案内柱 樹齢百余年の二十世紀梨

因みに、このお方が毎床さんである・・・(笑)

毎床氏

1月以降も小松菜で色々と実験をしていたようだが、毎床さん曰く、「えみなは何かが違う。」という位、差別化ができているらしい・・・。

実験①

前回、訪れた時には気付かなかったのだが、農村景観大賞を取っているらしい・・・。

農村景観大賞

『毎床は標高200~300mの丘陵地に位置する集落です。集落内は大部分が棚田状の梨園で、4月初旬には梨の花が集落を埋めつくします。
集落の自慢の一つに宝暦2年(1752)に完成した毎床溝があります。この水路はもともと農業用水として開さくされたものですが、生活用水としても活用され、地域全体で維持管理されています。したがって、水神祭は重要な行事です。
また、山神祭や地蔵祭、毘沙門天祭など地区内では各種の祭が伝統的に行われ、人々の心の拠所となっています。
さらに毎床には梨があります、昭和初期、毎床協蔵氏によって導入された梨は、現在の基幹作目として成長しました。そして、稲穂たなびく棚田と段々畑の梨棚とが、季節によって表情を変える景観とともに、水を守り、農業を中心とした人々の絆の深さは、好ましい農村の姿として認められ、平成2年「第1回熊本県農村景観大賞」を受賞しました。
最近は「梨まつり」も復活し、都市との交流促進に取り組んでいます。』

毎床さんの名前が地名になっている毎床集落だが、元々、大正時代に過疎化を心配した“毎床脇造氏”によって、出稼ぎに行くことなく所得を得るため“梨”が導入され、地区住民の協力で産地化、ブランド化に成功した集落なのだ。

“毎床脇造氏”は、毎床さんの高祖父に当たる人だ。

平たく言えば、ひいひいじいさん・・・(笑)

この“毎床脇造氏”が、大正元年、梨の苗150本を取り寄せて、桐の久保という所に植えたのが始まりだというのだから、毎床さん、スゲェ・・・。

集落内には、毎床脇造氏の碑も造られている。

毎床脇造氏の碑

そして、毎床集落には、全長8kmにもわたる毎床溝という水路が集落を駆け巡っている。

毎床溝① 毎床溝②

宝暦3年(1753年)から1年5ヶ月を要して造られた毎床溝が、農耕に不向きとされていたこの地において水稲栽培を可能にし、併せて梨の産地化、ブランド化を確立したらしいのだ・・・。

上から見下ろせば、あたり一面、梨畑なのだ・・・。

棚田状の梨畑

毎床集落の真向かいには、日本の棚田百選にも選ばれている松谷棚田がある。

松谷棚田① 松谷棚田②

非常に、自然豊かなところだ・・・。

7月再々訪・・・。

レンタカーを降りるといきなりライフル音が・・・( ̄□ ̄;)!!

パーン♪

間隔をあけて再び・・・。

パーン♫

電話を掛けると、毎床さんが玄関から顔を出した。

私:「ご無沙汰してます。この音は害獣除けですか?」

毎床さん(以下:毎):「ああ。そうです。」

私:「一日中鳴っているんですか?」

毎:「はい。日の出から日の入りまでは鳴ってますよ。」

私:「結構、響きますよね?」

毎:「慣れますよ・・・(笑)。」

私:「そんなもんですか・・・(笑)?」

毎床さんは、4月以降、更に、色んな実験をしていたようで・・・。

玄関わきにもいくつもの鉢が・・・。

同じ鉢なのに、差が歴然・・・w( ̄△ ̄;)wおおっ!

実験②

どっちがどっちか言うまでもないだろう・・・。

こちらも・・・( ̄ー ̄)ニヤリ

実験③

梨畑に案内してもらう・・・。

豊水・・・。

豊水

そして、これが今冬話題になるだろうマンゴー梨。

マンゴー梨

更に、面白い実験をしていた。

木の幹を中心に半分はえみなを散布して、半分は無散布・・・。

実験④

写真では分かりにくいが、現物を見たら、葉の青々した感じ(右半分がえみな散布)が一目瞭然だった・・・!

更に更に、こんな実験も・・・。

木の幹を中心に左側は無塗布、右側の枝にはえみなと石灰を混ぜて塗布・・・。

えみな無しの枝 えみな塗布の枝

実は、これが後日凄い成果を導くとは知る由もなかった・・・。

田んぼでも実験を・・・。

柵を作って、えみなを使った稲と使わない稲の違いを見たかったらしい・・・。

えみな無しの稲 えみな散布の稲

これも写真では分かりづらいが、明らかにえみなを使った方(右の写真)が成長して活き活きとしているのだ・・・。

様々な実験をして、実に、環境回復農法を楽しんでいらっしゃるようだ・・・(笑)

次回へ・・・。