「真実の口」1,202 血液型と病気・・・①

前回取り上げたインフルエンザの際に、血液型によって、インフルエンザに罹りやすい・罹りにくいがあるということを寄稿した。

不思議に思い、色々調べてみた・・・。

ナント、世界各国の医療機関や研究機関から様々なデータが公表されているではないか・・・!

例えば・・・。

古くは、1921 年、イギリスの研究者が発表した、『がんは AB 型に多く、消化器潰瘍はO型に多い』という論文。

そして、 2009 年、アメリカで発表された、『「すい臓がん」は O 型がなりにくく、非 O型( A型、 B型、 AB型)のリスクが高い。』という論文。

具体的には、『約 10 万人の男女を 8年間追跡調査、期間中に発症したすい臓がんの人々を、飲酒、喫煙、年齢、遺伝など他の要素を除外したうえで、血液型との関連を分析した結果、 O 型の発症リスクが一番低いことがわかった。そして、他の血液型のなりやすさは O型に比べ、 B 型は約 1.7 倍、 AB型は約 1.5 倍、 A 型は約 1.3 倍だった。』という。

この研究は、世界に衝撃を与えたらしい・・・w( ̄△ ̄;)wおおっ!

それ以降、それまで研究され続けていた血液型と病気の発症リスクを関連づける研究が、相次いで、発表されているようだ・・・

2012年、アメリカ・ハーバード大学の発表、『約 9 万人の男女を、約 20 年間調査した結果、心筋梗塞や狭心症の発症リスクはO型が一番低い。 O 型に比べ、他の血液型の発症リスクは AB 型が 20% 増、 B 型が 11% 増、 A 型が 8%増だった。』

2014 年、フランス国立保健医学研究所の発表、『約 62,000 人の女性を、約 18 年間追跡調査した結果、糖尿病の発症率は O 型が一番低い。O 型に比べ、他の血液型の発症リスクは B 型が 21% 増、 AB 型が 17% 増、 A 型が 10% 増だった。』

同年、東京医科大学の発表、『前立腺除去手術を受けた前立腺がん患者 555 人を、約 4 年間追跡調査した結果、再発するリスクは O 型が一番低く、一番高い A 型に比べ35% 低かった。』

同年、アメリカ・バーモント大学の発表、『約 30,000 人の男女を 3 年半追跡した結果、軽度認知症を発症するリスクは AB 型が特に高く、他の O ・ A ・ B型の平均に比べ、 82% 増だった。他の 三つの型の間では目立った差は見られなかった。』

2015 年、アメリカ国立衛生健康研究所の発表、『すべての病気の死亡率との関連を調べるため約 50,000 人の男女を約 7 年間追跡した結果、特に心血管疾患で差が大きく、 O 型は他の血液型に比べ、心血管疾患で死ぬリスクが 15% 低い。また総死亡率(早死するリスク)が 9% 低い。すべてのがんの発症率では、特に胃がんの差が顕著で、 O 型は他の血液型よりも 55% 低かった。』

2016 年、スウェーデン・カロリンスカ研究所肺塞栓症の発表、『約 1,360 万人の献血者を調査した結果、 O 型に比べ、 A ・ B ・ AB 型の肺塞栓症の発症率は 1.8 倍高かった。』

これらの論文を読んで、ほくそ笑んでいる血液型の人がいると思う。

そう・・・、 O 型である。

それに引き換え、 AB 型の人は、「なんでやねんΣ\( ̄ー ̄;)」と突っこみを入れているのではないだろうか?

これも、前回投稿時に書いた東京医科歯科大学の藤田絋一郎名誉教授の話と一致してくるのだ。

「白血球の中のリンパ球(抗体を作る)の割合が血液型によって異なる。」

≪血液型リンパ球の割合≫
O 型・・・39 %
B 型・・・37 %
A 型・・・36 %
AB 型・・・34 %

リンパ球の役割は、外部からの異物(ウイルス、細菌、 etc )と戦う抗体を作ることであり、その絶対数に左右されてしまうというのだ。

藤田名誉教授の著書では、これらの原因を、「これは進化の過程で血液型が分かれてきたためだ。人間の先祖は最初 O 型だった。やがて農耕生活に入り、穀物や野菜を食べるようになると、それらを消化できるよう腸内細菌が変化し、 A 型人間が登場。牧畜を始めると乳製品を消化できるよう B 型人間が誕生、最後に AB 型が現れた。 O 型は人間の「基本形」だけに、何でも食べた頃のたくましい免疫力を残しているらしい。」と書かれていらっしゃるようだ。

最強血液型 O 型・・・。

極弱血液型 AB 型・・・。

まあ、言い換えれば、より原始的か、より現代的かというところだろうか・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛

また、最近になって、血液型を決める遺伝子は、血中コレステロールを調整する一部の遺伝子と同じ染色体上にあることが判明したという・・・。

ゲノム解析の研究からは、血液型を O 型に決定する酵素が、同時に心筋梗塞を予防する働きに関連することがわかっており、つまり、 O 型は先天的に「血液サラサラ体質」と言え、非 O 型の人は、おのおの特有の「血液ドロドロ因子」を持っているらしい・・・( ̄へ ̄|||) ウーム

そもそも血液型はどうやって決まるのか・・・?

血液中には、酸素を運ぶ役目をしている赤血球がある。

この赤血球の表面には、血液型上特徴のある物質(抗原)がくっついている。

具体的に言うと・・・。

O 型には、 O 型の抗原
A 型には、 O 型の抗原と A 型の抗原
B 型には、 O 型の抗原と B 型の抗原
AB 型には、 O 型の抗原と A 型の抗原と B 型の抗原

また、血液の成分の中から赤血球や白血球や血小板などの血球成分を除いたものを血漿(けっしょう)というのだが、こちらには、自分がもつ赤血球の抗原と反応しない抗体を持っている。

具体的に言うと・・・。

O 型には、 A 抗原に対する抗体、B 抗原に対する抗体
A 型には、 B抗原に対する抗体
B 型には、 A抗原に対する抗体
AB 型には、抗体なし

抗原・抗体の具体例を挙げれば・・・。

A 型の人は B 抗原に対する抗体を元々持っているので、B 型の血液が輸血されると B 型の抗原が入り込むので免疫反応がおき、拒絶反応が起こりるということになる。

これらを比較することで、 ABO 型の血液型の判別が出来るという訳だ。

次回へ・・・。