「真実の口」1,204 血液型と病気・・・③

前回の続き・・・。

前回、世界の各国の血液型を寄稿した。

多分、読まれる方は流し読みをされたと思うのだが、数字とリンクに追われる作業で、4 ~ 5 時間を費やしてしまった・・・( ̄▽ ̄;)アハハ…

前述した藤田名誉教授の著書では、「人間の先祖は最初 O 型だった。やがて農耕生活に入り、穀物や野菜を食べるようになると、それらを消化できるよう腸内細菌が変化し、 A 型人間が登場。牧畜を始めると乳製品を消化できるよう B 型人間が誕生、最後に AB 型が現れた。」と書かれていることを紹介した。

しかし、国によって血液型のバランスが違うのは何故だろうか?

前回寄稿の各国の血液型比率を見直して欲しい。

O 型が多い地域は、どういう国か?

アフリカ、東南アジア、中南米など熱帯から亜熱帯地域の人に O 型が多いことに気づかないだろうか?

実は、これはある病気に関係しているらしいのだ。

それは、マラリア・・・( ̄□ ̄;)!!

誰でも耳にしたことはある病気だと思うのだが・・・。

ハマダラカという蚊に刺されることにより、マラリア原虫が体内に入り、感染する病気である。

Wikipedia より編集

マラリアは日本語では “ 麻剌利亜 ” と書かれるらしい・・・。

元々は、「悪い空気」という意味の古いイタリア語に由来するもので、古典などで出てくる瘧(おこり)とは、大抵このマラリアを指していたらしい・・・。

症状は、高熱や頭痛、吐き気などの症状を呈し、悪性の場合は脳マラリアによる意識障害や腎不全などを起こし死亡する。

WHO によれば、全世界の 100 ケ国以上にみられ、年間 3 ~ 5 億人の罹患者と 150 ~ 270 万人の死亡者があるとされている・・・ヽ((◎д◎ ))ゝ ひょえぇ~

因みに、ハマダラカとはこんな蚊である・・・。

ハマダラカ

特徴は、止まる姿勢が他の蚊と異なりお尻を上げて止まり、成虫の羽には、まだら紋様があるらしい。

我々がよく見るイエカはこんな感じ・・・。

更に、ヤブカはこんな感じ・・・。

ヤブカ

数年前、海外渡航歴のないデング熱患者が確認されたと厚生労働省より発表され、
大騒動になったのを覚えているだろうか?

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/20140827-01.pdf

あの時、話題になったのは、日本にも生息するヒトスジシマカはヤブカ属だ・・・。

ヒトスジシマカ

こうしてみると、確かに、ハマダラカは止まり方に特徴があるようだ。

ハマダラカの特徴

では、マラリアと血液型の比率が関係するかと言うと・・・…ф(..)

O 型は、重症のマラリアにかかりにくいからだそうだ・・・(・、・)フーン

2015 年、スウェーデン・カロリンスカ研究所は発表した研究結果では、マラリア原虫が“ RIFIN ”というタンパク質を分泌し、これが赤血球の表面に付着して接着剤の役目を果たし、“ RIFIN ”は A 型の赤血球の表面には強く結合するが、 O 型とは結合が弱いため、マラリアの多い地域に O 型が生き残り、人口比が高くなったというのである。

さらりと書いたが、 A 型はマラリアに要注意ということでは無いか・・・ブルブル(((( ;゚д゚)))ガクガク

てっきり、 AB 型が一番マラリアに罹りやすいと思っていたのに・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛

一応、情報として入れて置いた方が良いかもしれないので・・・。

厚生労働省からは、以下のような注意喚起ががされている

●ハマダラカは主に夕暮れから明け方にかけて活動します。長袖・長ズボンを着用し、できる限り肌の露出を少なくしましょう。防蚊の最善の策は蚊に刺されないことです。
●虫よけスプレーやローションが使われています。海外では、濃度が高い DEET(ディート)製品が使用されています。一方、国内では有効成分の濃度が低い製品が多く販売されています。濃度によって、効果の持続時間が異なりますので、こまめに塗る必要性など、予め情報を入手しておいてください。
●マラリアには予防薬があります。マラリア流行地へ渡航する際は、抗マラリア薬の予防内服を行うことが望ましいとされています。国内で承認されている予防薬としてメファキン「ヒサミツ」錠 275®(メフロキン塩酸塩錠)やマラロン配合錠®(アトバコン・プログアニル塩酸塩配合錠)があります。マラリア予防薬は、医師の処方が必要です。渡航先の流行状況や滞在期間、活動内容、基礎疾患の有無などによって適応となる予防薬が異なります。ご自分の体調や渡航先について事前に専門医と相談し、必ず専門医の指示に従って服用してください。予防薬を服用していても防蚊対策は必要です。

ただし、マラリアの疑いがあると思った方は、日本国内での入手先が少ないことや渡航先で流行している耐性マラリアの情報が少ないことから現地での購入を考えた方が良いと WHO は推奨しているようだ。

◆マラリアの流行地域

マラリアのリスクある国

〈アジア〉
・中国南部、フィリピン、ベトナム、ラオス、タイ、カンボジア、ミャンマ-、インドネシア、マレ-シア、パプアニュ-ギニア、モルジブに発生。
・一般に都市周辺部やリゾ-ト地では危険性が少なく、森林、山岳地帯に多く流行。
・クロロキン耐性のマラリアが数多く報告されてる。

〈アフリカ〉
・北緯 20° ~ 南緯 25° までの広範な地域に流行しており、アジア地域と比較しても、その流行は濃厚で都市部であっても感染する可能性がある。
・東アフリカ、西アフリカ沿岸ではクロロキン耐性マラリアが報告されている。

〈中南米〉
・グアテマラ、ホンジュラス、コロンビア、エクアドル、ペル-、ガイアナ、スリナム各国の平野部や森林地帯および低山岳地帯(標高 1,500 m 以下)、ブラジルのアマゾン全域、ボリビアの平野部に流行。
・一般に 1,500 m 以上の高原地帯や山岳地帯での発生はないとされているが、1,800 m の高地でも流行したとの報告もある。
・クロロキン耐性マラリアは、ほとんど全域で報告されている。

一つの病が、その国・地域の血液型を決定していくのだから、実に、興味深い話だ・・・。

次回へ・・・。