「真実の口」1,213 血液型と病気・・・⑫

前回の続き・・・。

前回、日本人の Y 染色体ハプログループを追っかけてみた。

すっかり、書き忘れていたが、この Y 染色体ハプログループは、 Y 遺伝子を追っかけているので、父親から息子へ伝えられるもので、父親から娘へは伝えられない。

自然界では、弱肉強食が当たり前で、強いものが弱いものを食べることで世界が成り立ち、強い雄だけが己の遺伝子を残すことが出来る。

弱肉強食

ちょっと、脱線するが・・・。

例えば、ゾウアザラシは、 1 頭の雄が 100 頭以上の雌を従えて、ハーレムを形成して生活しているというのは、動物番組で取り上げられたりするのでご存知の方も多いかもしれない・・・。

ゾウアザラシのハーレム

これだけ、聞くと、実に羨ましい限りである・・・(○´・σЗ・)ゥラヤマシィ~♪

1 頭の雄が雌を独占して、自身の最強遺伝子を遺していくということだ・・・。

しかし、このボスになるには、滅茶苦茶、強くなければいけない!

ボスはハーレムの覇権をかけて常に戦い続けなければならない。

ゾウアザラシの死闘

当然、自身が雌と繁殖してできた子の中にも雄がいる。

その子らを、飽くなき迄に叩き出し、ハーレムを維持していくのである

では、一方、弱い雄は、一体どうするのか?

ハーレムを作ることができなかった雄たちの多くは一カ所に集まって雄だけの群れを作り、そのまま生涯を終えていくという・・・。

中には、ボスに戦いを挑むハグレ雄もいる。

ハーレムに潜入しようとするハグレ雄を発見すると、ボスは雌や子アザラシを巨体で踏みつぶしながら、ハグレ雄に突進し、撃退するために死闘を広げるのである・・・┗(`・ω・´)┛フンヌッ!

休息するのも束の間、今度は、ハーレムの反対側に別のハグレ雄が現れると、再び、高速移動し、ハグレ雄を撃退するために死闘を広げるのである・・・Σ ゚ロ゚≡(   ノ)ノ

東奔西走・・・_| ̄|○⇒_|\○_⇒_/\○_⇒____○_ヘトヘト

ボスって大変やん・・・┐(´~`;)┌

因みに、雄は体長 4 ~ 5m、体重 3 t 前後、雌は 体長 2 ~ 3m、体重 400kg 前後と雄に比べるとかなり小柄である。

でっかい巨体で取っ組み合う雄 2 匹・・・。

中には巻き込まれて圧死する雌や子がいるという。

面白いのが、雄の中には、子孫を残すことを諦めずに、独自の戦略を練るものもいるらしい・・・。

たとえば、雄の中でも、身体の小さな雄がいるようで、雌のふりをしてハーレムに忍び込み、そうして、ちゃっかりと子孫を残してしまうという。

学者によれば、雌も騙されているわけではなく、このような知恵のある雄を選んでいる可能性を指摘しているので、遺伝子を遺すということは実に複雑である。

因みに、ハーレムのリーダーとなったボスは、寿命が短いらしい・・・。

太く短く・・・。

ハーレムの覇権維持に明け暮れて、心身共にボロボロになって、死んでいくというのだから、実に、切ない・・・。

すっかり、脱線してしまったが・・・。

これらの弱肉強食は、動物たちだけではない。

我々人間も、同じである。

より良き土地を求めて、移動・侵略してきたわけだから・・・。

日本人の Y 染色体ハプログループは、 O 、 C 、 D の 3 系統で、全体の 98% 以上を占めているということは前述したが・・・。

その中でも、C2a というグループは日本固有・・・。

更に、C1a1 というグループが確認されているのは、世界中でも日本列島だけ・・・。

このことも併せて書いた。

日本と周辺諸国の Y 染色体ハプログループを見てみよう・・・。

地域 C1 C3 D1 D2 D3 N O1 O2 O2b1 O2b* O3
日本(2007) 2.3 3.0 0.4 38.8 0 0.8 3.4 0.8 25.1 8.4 16.7
韓国(2006) 0 9.3 0 4.0 0 2.7 2.7 2.7 4.0 33.3 40.0
中国(漢族)(2006) 0 4.5 0 0 0 11.4 0 6.8 0 0 65.9
東南アジア 0 3.7 2.6 0 0 4.1 13.8 17.6 0.6 0.4 44.7

(参考:様々な分野のターゲットを数理科学的に考えるページ)

もっと見やすく、円グラフにしてみよう・・・!

日本

日本の Y 染色体ハプログループ

韓国

韓国の Y 染色体ハプログループ

中国

中国の Y 染色体ハプログループ

東南アジア

東南アジアの Y 染色体ハプログループ

グラフで見るとより鮮明に違いが分かるのではないだろうか?

●他の集団にほとんどいない D2(※注) 系統が 40% 近く存在する。

● O3 系統の人たちが、他の地域に比べて圧倒的に少ない。

(※注) 従来はハプログループ D2 と系統名称で呼ばれていたが、 2014 年 5 月 23 日、 ISOGG の系統樹が更新されたことにより、本項目で語られている内容の系統名称はハプログループ D1b と改訂されている。

日本では 4 割を占める D1b 系統に焦点を当ててみよう!

Wikipedia 参照

『ハプログループ D のうち、出アフリカ後、東進して日本列島に至り、中国大陸から弥生人が日本列島にやってくるまでの約 3万5,000 年の間に、日本列島においてハプログループ D1 の中からハプログループ D1b が誕生したと考えられる。

彼らは縄文人として、彫りの深い顔、濃い髭、二重まぶたの特徴を持ち、主に浅瀬で漁をして生活をし、後に、 O 系統などの弥生人と融合し、陸稲を栽培していたと考えられる。』

これから推察すると、日本と言う四方を海に囲まれた環境が作り出した独自の系統ということが分かるのではないだろうか?

次回へ・・・。