「真実の口」1,293 遺伝子組み換え問題に朗報・・・⑧

前回の続き・・・。

前回、日本の国内種苗メーカーは、近年、自然災害の多い日本から海外生産へと移行しているということを寄稿した。

こんなデータがある。

今年(平成 30 年 6 月)に、農林水産省食料産業局知的財産課から出された「種苗をめぐる情勢」という資料である。

その中で、以下のような記述がある・・・。

『我が国の種苗産業の市場規模を示す一般的な統計資料はないものの、各種の試算が試みられており、おおむね 2,000 億円から 3,000 億円程度と推計するものが多い。』

声:「おいおい・・・、農業の根幹・・・、言い換えれば、国の根幹とも言える“タネ”の統計を把握していないのか・・・?」

『種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。』

声:「山●元農林水産大臣の言い分では、輸入ばかりが増えているような言い草だが、実態は違うようだ。」

『野菜の種子は、我が国の種苗会社が開発した優良な親品種の雄株と雌株を交配することでより優良な品 種が生産されるが、この交配の多く(約 9 割)が海外で行われている。

これは、①多種多様な品目の供給が必要となる野菜の種子を安定的に生産する必要性や、②一般に、作物は原産地に似た気候で育てた方が良質な種子ができること等が大きな理由である。』

声:「農林水産省がこのような見解を明らかにしているにも関わらず、『30年前まで野菜の種子は全て国産でしたが、今では90%以上が外国産です。』って言うのはどうよ・・・。まあ、外国産と言えば、外国産だが・・・(笑)。」

表とグラフで見てみよう・・・!

我が国における種苗の輸出入額( 2017 年)

我が国における種苗の輸出入額( 2017 年)

我が国における野菜種子の輸出入額の推移

我が国における野菜種子の輸出入額の推移

野菜種子の輸入元国( 2017 年)

野菜種子の輸入元国( 2017 年)

野菜種子の輸出先国( 2017 年)

野菜種子の輸出先国( 2017 年)

一方、世界に目を向けてみると・・・。

『世界の種苗の貿易額は、 80 年代後半以降、急速に拡大し、 2016 年においては約 114 億 US$ (約 1 兆 2,400 億円)となっている。』

グラフで推移を見てみると・・・。

世界の種苗の貿易額の推移

70 年代から 80 年代にかけては、10 億 US$ あたりを推移していたのに、約14倍に拡大している・・・w( ̄△ ̄;)wおおっ!

声:「世界的人口の増加と食料危機という人間の深層心理が影響しているのだろうか・・・?」

『世界の種苗の市場規模は、おおむね 450 億ドル程度と見積られており、国別にみると、アメリカ、中国 等が上位を占めている。』

少しデータが古いようだが、グラフと表で見てみる・・・。

国別種子産業の規模( 2012 年)

声:「アメリカ・・・、中国・・・、ここでも熾烈な戦いを・・・((´д`)) ぶるぶる・・・。」

『我が国は、野菜種子の輸出において、上位に入る規模を有しているところ。』

声:「 9 位・・・。約 3% ・・・。これは、健闘しているのか?」

エリア別に見てみると・・・。

世界の種子市場規模( 2012 年)

声:「こう見れば、北米、アジア、 EU と均衡が取れているような・・・??」

次に、これも少しでたーが古いようだが、企業別に見てみると・・・。

世界の主要な種苗会社の種苗売上高( 2011 年)

声:「モンサント・・・、凄っ・・・!!ただ、サカタのタネとタキイ種苗も名だたるグローバル企業を向こうに、ベスト 10 に入るのは大健闘ではないか・・・o(*’▽’*)/☆゜’パチパチ」

次に、野菜のみの種苗の国際シェアを見てみよう・・・。

野菜種子の主要会社のシェア( 2009 年)

声:「モンサントの 22% も凄いが・・・、サカタのタネとタキイ種苗の 2 社で 10%は大健闘だろう・・・スゴイスゴイ (*´▽`V=人☆パチパチ)」

サカタのタネとタキイ種苗がどれだけ凄いかを見てみると・・・。

『両社は、多くの国に展開しているグローバル企業で野菜種子においては上位を占めており、特に、サカタのタネはブロッコリーで高い世界シェア、タキイ種苗は東南アジアのキャベツで高いシェアを有している。』

我が国の種苗会社の海外展開事業

サカタのタネ・・・ブロッコリーの約 65% 

タキイ種苗・・・キャベツのインドネシアでのシェア約70% 、タイでのシェア約 50 ~60%

声:「すんげぇ・・・。」

『国内市場の拡大が見込めない一方、種苗の国際競争の激化が見込まれており、我が国種苗会社の さらなる輸出拡大や海外展開が重要。』

声:「う~ん・・・。私から見ると、種子法改正の大きな目的はここでは無いのだろうか?」

更に、前回紹介したタキイ種苗の HP の中に、種苗を取り巻く業界構造がきちんと解説されているので紹介しよう・・・。

『現在、世界の種子市場は約 3 兆円と推定されています。その内訳は、穀物種子が 2  兆 7,400 億円、野菜種子が約 5,000 億円、草花種子が約 400 億円となっています。

日本では、米や麦といった穀物類の種苗の生産流通について国が主導してきた歴史的背景から、タキイも含む民間種苗メーカーの品種開発は野菜や花が中心となっています。

次に、野菜種子の市場について地域別に見ると、日本はヨーロッパ・アジア太平洋(日本と中国を除く)に次いで 17% を占めており、国土面積が小さいにも関わらず世界市場において有数の規模であることが分かります。

これは、四季の気候変化に対応し、限られた耕地面積において生産効率を高めるために、様々な特性を備えた品質の高い種子の需要が大きいためです。

こうした市場に向けた品種開発を行っている日本の種苗メーカーの技術力は、世界市場のなかでもトップレベルにあります。」

声:「これだけの世界的技術を誇る我が国が、わざわざ、他の国の種子を買うって言うのか?馬●じゃなないの・・・( *´艸`)クスッ♪」

次回へ・・・。