「真実の口」1,355 24時間戦えますか?(笑)・・・③

前回の続き・・・。

前回、ウコンの力について寄稿した。

今回は、ウコンの力と同様に肝臓に良いと言われ、酒席の前に薦められるもう一種類についてスポットを当ててみる。

ゼリア新薬のペパリーゼというシリーズである。

川平慈英さんの CM で有名である・・・(笑)。

https://youtu.be/hEef-ZPbzMc

このペパリーゼは、コンビニで買える清涼飲料水から、薬局・ドラッグストアでしか買えない第二類医薬品・第三類医薬品(※注 1 )までシリーズがある。

(※注 1 ) 一般用医薬品の中でも特にリスクが高いものは、第一類医薬品に分類され、リスクはそれほど高くないものの、リスクの懸念が全くないわけではない、といった程度のものは第二類医薬品に区分され、第三類医薬品は、服用することで体調に影響があったとしても日常生活に支障を来すには至らないレベルのものが区分される。例えばビタミン剤や整腸薬などが第三類医薬品に含まれる。

【清涼飲料水】・・・コンビニ
★ペパリーゼW
ペパリーゼW
・肝臓エキス 100mg
・ウコンエキス 54mg (クルクミンとして 45mg )
・すっきり美味しいパイン味(無果汁)

★ペパリーゼW HYPER(ハイパー)
ペパリーゼW HYPER
・肝臓エキス 120mg
・ウコンエキス 54mg (クルクミンとして 45mg )
・コンドロイチン配合
・ピリッとオレンジ味(無果汁)

★ペパリーゼW PREMIUM(プレミアム)

ペパリーゼW PREMIUM
・肝臓エキス 250mg
・ウコンエキス 54mg (クルクミンとして 45mg )
・すっきりアップル味(無果汁)

【指定医薬部外品】・・・コンビニ
★ペパリーゼ Amino
ペパリーゼ AMINO
・疲れたときなどにオススメのヘパリーゼ
・BCAAをはじめとするアミノ酸が毎日の元気をサポート

【第三類医薬品】・・・薬局・ドラッグストア
★新ペパリーゼ ドリンク
新ペパリーゼ ドリンク
・肝臓や胃腸などに働き、滋養強壮効果を発揮する肝臓水解物・ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミンを配合
・飲みやすいパイン風味

★ペパリーゼ ドリンクⅡ
ペパリーゼ ドリンクⅡ
・肝臓や胃腸などに働き、滋養強壮効果を発揮する肝臓水解物・ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミンを配合

★ペパリーゼ Hiプラス
ペパリーゼ Hi プラス
・肝臓や胃腸などに働き、滋養強壮効果を発揮する肝臓水解物・ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミンを配合
・生薬を5成分配合
・飲みやすいグァバ風味

【第二類医薬品】・・・薬局・ドラッグストア
★ペパリーゼ キング
ペパリーゼ キング
・計15種類の有効成分を配合
・たまった疲れに効果を発揮する生薬 サンシュユ・トシシ・ハゲキテン配合
・飲みやすいフルーツミックス風味

★ペパリーゼ キングプラス
ペパリーゼ キングプラス
・計15種類の有効成分を配合
・胃腸の働きをサポートする生薬 ショウキョウ・ケイヒ配合

★ペパリーゼ キングEX
ペパリーゼ キングEX
・計15種類の有効成分を配合
・ストレス社会での滋養強壮に効果を発揮するシゴカ・ローヤルゼリー配合

この他にも錠剤があるが今回は除外する。

いずれも効果効能は、滋養強壮、胃腸障害・栄養障害・病中病後・肉体疲労・発熱性消耗性疾患・妊娠授乳期などの場合の栄養補給、虚弱体質となっている。

医薬品・医薬部外品のどちらにも入っている基本の成分は、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミンである。

医薬品には、それ以外に肝臓水解物やコンドロイチン硫酸エステルナトリウム等がジクロロ酢酸ジイソプロピルアミンより多めに配合され、それ以外の医薬品でしか使えない成分も配合されている。

ゼリア新薬の HP には以下のように解説されている。

『肝臓水解物は天然の新鮮な豚のレバーに消化酵素を加えて加水分解し、効率良く栄養を取り入れるために、アミノ酸やペプチドの形にしたもの。

ひとの胃腸の代わりにあらかじめ細かく分解してあるので、お肉などでタンパク質を補給するよりも、消化吸収しやすくなっています。ヘパリーゼの肝臓水解物はカラダの中から良く効きます。』

声:「なんだか良さそうではないか?」

しかし、私より疑り深い方が、ゼリア新薬のお客様相談センターへ、直接、薬効を問いただしたらしい・・・(笑)。

その結果、以下の答えを導き出したらしい・・・。

・ヒトの肝臓に対し有効性を確認した証拠は一件もなく、示されたのはマウスの実験結果だけ。

・アルコールによる肝臓への悪影響を抑えた投与量は、 70kg の大人の場合、『ヘパリーゼW』 700 本分にも相当する量だった。

・そもそも肝臓水解物は、肝臓庇護剤として医療用医薬品としても認められているがヒトで有効性を示す研究はほぼ無い疑惑の成分である。

これは、私が言っているのではない・・・(笑)。

この御仁が、ゼリア新薬のお客様相談センターに問い合わせて導き出した答えである。

因みに、ゼリア新薬が根拠とする論文が以下である。

エタノール誘発行動障害および致死・肝毒性に対する肝臓水解物の効果

要約すると・・・。

・実験に使ったマウスの体重は 22 ~ 28g

・肝臓水解物は、蒸留水に溶解して 2ml/kg の容量にて投与

・エタノールは、 33.3% 溶液あるいは 50.0% 溶液を用いた

・アセトアルデヒドは、 8.0%(pH3.4) 溶液を用いた

結果・・・。

マウスのエタノールおよびアセ トアルデ ヒ ド誘発致死毒性に対する肝臓水解物の腹腔内投与の効果は、肝臓水解物 は100~1000mg/kgの用量範囲でエタノール の致死毒性に対する有意な効果は認められなかったが、アセトアルデヒドの致死毒性に対しては用量依存的かつ有意な抑制を示した。特に 1,000mg/kg 投与群にお いては正向反射(※注 2 )の消失は完全に抑制された。

(※注 2 ) 正向反射は頭部を重力の方向に対して正常の位置を回復するようにする反射運動である。内耳の平衡機能を反映するものであるが、空中に投げあげてとんぼ返りさせて四肢で着地させるような試験法では、その他の神経機能も関連してくる。

因みに、ペパリーゼは全商品 50ml の容量になっている。

その中に、肝臓水解物は 200mg が配合されているようだ。

これで計算すると、体重 1kg に対して 5 本のペパリーゼが必要になる。

成人男性の平均身長・平均体重は、概ね、 170cm・70kg である。

これを考量したら、 350 本が必要になるということだ・・・(笑)。

これは、 第二類医薬品・第三類医薬品に分類されるペパリーゼシリーズに配合されている肝臓水解物のみを取り上げているので 350 本ということになっているが、前述の 700 本は、清涼飲料水のペパーリゼWに含まれる肝臓エキスが 100mg であることから算出されているものである。

まあ、しかし、これもマウスの実験であり、人間の実験をしていないようなので、疎かと言ってしまえば、素も子も無いのだが・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛

単純に考えて、レバーを食べて、肝機能が良くなるかということだ・・・?

そうであれば、全ての、肝臓病の方が、レバーを食べれば完結するという話人にならないだろうか・・・??

自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科の肝臓専門医・浅部伸一氏によると・・・。

「肝臓のアルコール分解能力は一定のため、まずはそれをいかにオーバーしないようにするかがつまみの選択のカギ。アルコールの約 90% は胃を素通りして小腸から吸収され、肝臓で分解される。胃に食べ物があればアルコールがとどまり、“時間稼ぎ”ができるため、肝臓に負担をかけにくい。まずはしっかりつまみも食べることが大事である。」としている・・・。

しかし、その一方、要注意のつまみがあるという。

浅部氏が、筆頭に挙げたのはレバー・・・・(笑)。

「男性はそもそも鉄分不足になりにくい。特に酒飲みで肝臓を酷使する人や脂肪肝の人は鉄が蓄積しやすい」と言う。

レバーは、栄養満点で肝臓の働きを助けてくれそうなイメージだが、レバーに含まれる鉄分が要注意ということらしい。

また、鉄分の過剰摂取は C 型肝炎や脂肪肝を進行させるリスクもあるというから恐ろしものである。

その他、シジミもレバーと同様に鉄分を多く含むため注意したい食材らしい・・・。

浅井氏によれば、「鉄分が肝臓に蓄積すると炎症が悪化しNASH(非アルコール性脂肪肝)が進行するリスクが高まる。」ということだ・・・。

余談だが・・・。

浅井氏によると、「“健康つまみ”は、いかに肝臓をサポートするかで選びたい。肝機能を高める働きのあるタンパク質やビタミンB1は豚肉に多く含まれる。タンパク質は大豆から取るのもよい。また、食物繊維は胃にとどまり、アルコールの吸収を穏やかにする。」らしい・・・。

お薦め料理は・・・。

【豚肉料理】タンパク質、ビタミンB1

タンパク質が分解されてできるアミノ酸はアルコール代謝を促進。
ビタミン B1 はアルコールの分解に使われ、不足すると翌日の疲労感が増す。
タンパク質とビタミン B1 を含むのは豚肉。

【きんぴら】食物繊維

食物繊維を豊富に含むきんぴらごぼうや切り干し大根などの根菜料理は、消化に時間がかかる料理。
そのため、アルコールの胃での滞留時間を長くし、小腸からの吸収を穏やかにする効果を期待できる。

【大豆料理】タンパク質

大豆には、良質な植物性のタンパク質が含まれており、肝機能の向上が見込める。
枝豆や納豆でももちろんいい

【チーズ】タンパク質

チーズはタンパク質を含む他、消化吸収されにくく腹持ちが良いため、アルコールの吸収が穏やかになる。
ただし、塩分の取り過ぎには注意。

【ナッツ】食物繊維

他の料理ですでに腹が満ちていれば乾き物のナッツ類もよい。
食物繊維や不飽和脂肪酸を多く含む。
素焼きでない場合は塩分や糖分などの摂取量に要注意。

前回のウコンに続き、(?)なアルコール分解ドリンクが続いたが、お酒が好きな方は、上記を意識した食事を選んだ方が良さそうである。

次回へ・・・。