「真実の口」1,438 マイクロプラスチック ・・・③

前回の続き・・・。

予想だにしない疾病のお陰で休稿を余儀なくされたが、ようやく回復してきたので再開する。

前回までに、全世界的にプラスチックが過剰生産され、このままの状態が続けば大変なことになるということをお伝えした。

プラスチックが増えれば、当然、マイクロプラスチックも増えるというのは誰でも理解できることだろう。

マイクロプラスチックによる問題を具体的に見てみよう。

一番に挙げられるのは、海洋生物の生態系の破壊ということである。

魚類、甲殻類、貝類やカモメといった海鳥、アザラシなどの海洋哺乳類が海水に混ざったマイクロプラスチックを誤嚥してしまい、マイクロプラスチック自体は消化出来ないため、消化不全や胃潰瘍などを引き起こし、海洋生物を死に至らしめるらしいのだ。

更に、海洋生物のマイクロプラスチックの誤嚥は我々人間にとっても他人事ではないという・・・。

欧米消化器病学会では、 2018 年に、人体にマイクロプラスチック片が取り込まれていることを証拠とともに発表しているようだ。

参照:http://rief-jp.org/ct12/83985?ctid=65

オーストリア環境庁とウィーン医科大の研究によるもので、研究チームは日本、英国、イタリア、オランダ、オーストリア、ポーランド、フィンランド、ロシアの各 1 人、計 8 人から大便の提供を受けて検査した。

その結果、 8 人全員の便から 0.05 ~ 0.5mm のマイクロプラスチックが検出されたという・・・。

検出されたのは、 PET (ポリエチレンテレフタレート)やポリプロピレンなど最大 9 種類で、平均すると便 10g につき 20 個のマイクロプラスチックが見つかったというのだ。

また、韓国の研究者グループと環境保護団体「グリーンピース東アジア」の合同チームが行った調査では、食塩の 9 割にマイクロプラスチックが含まれていたことが明らかになっている。

無視できないデータである・・・(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

前回までに取り上げた生産量と廃棄量から、どれだけの量のマイクロプラスチックが、世界の海にプカプカしているか想像して欲しい・・・。

台風ごみ

上の写真は昨年の台風 21 号・ 24 号によって、名古屋市港区の藤前干潟や周辺の河口付近に打ち上げられたプラスチックごみである。

自然災害でも、大量のプラスチックが海に漂う結果となり、引いては、マイクロプラスチックへとなっていくのだ・・・( ̄へ ̄|||) ウーム

Plastic waste inputs from land into the ocean

上記の調査報告によれば・・・。

毎年およそ 1,230 万トンのプラスチックごみが海に流入している。

そのうち 80% 以上が陸上由来の廃棄物である。

これらの大半がプラスチックボトルやプラスチック容器・包装で占められている。

残りの 20% の海洋プラスチックごみは、主に船舶活動や漁業活動(紛失または遺棄された漁具)から放出されたごみが原因である。

プラスチックの構造は極めて強固で安定しており、生物に分解されることはほぼないと言われている・・・・

一応、自然崩壊されるというのだが、その速度は極めて遅く、海の中に入ったプラスチックが物理的に分解されるには数百年〜数千年の長い時間が必要だそうだ・・・工エエェェ(´ロ`ノ)ノェェエエ工

つまり、 1950 年頃から大量生産が始まったプラスチックのうち、海に流れ込んでしまったプラスチックは、その殆どが、今も海中に現存するということだ・・・ヽ((◎д◎ ))ゝ ひょえぇ~

ゾッとする話だが、 1950 年以降、海に蓄積したプラスチックの量はどのくらいになるのだろう?

ご丁寧に計算してくれ方がいたので参考に・・m(_ _)m

2010 年に海に流出したとされるプラスチックの重量は 470 万トン〜 1,270 万トン(中間値 800 万トン:ジャンボジェット機 5 万機相当)だった。

同年に世界で生産されたプラスチックの総重量は 2 億 6,500 万トン

470 万トン〜 1,270 万トンを 2 億 6,500 万トンで割ると、 1.8 〜 4.8% になる。

中間値の 800 万トンで考慮すると、約 3% になる

1950 年以降、海洋に流出したプラごみの総量は約 83 億トンなので、その 3% は 約 2 億 5,000 万トンになる。

また、現在製造されているプラスチックの約半分が、海水よりも比重が小さく海水に浮き、一方、半分は海水よりも比重が大きく、重いので沈むということになる。

このことから、海洋に流出した約 2 億 5,000 万トンの半分約 1 億 2,500 万トンが洋上に漂う可能性があるという計算だ。

ただ、データによれば、軽いプラスチックの一部は浜辺や沿岸域にとどまりまるらしいので、その 6 割以上は外洋に流出すると推定されているらしい・・・。

つまり、少なくとも約 7,500 万トンのプラスチックごみが洋上に浮かんでいるということになるのだろうか・・・( ゚ Д ゚!)・・・・マヂカッァァァ

しかし、こんなデータがある・・・?

A global inventory of small floating plastic debris

『2014 年のマイクロプラスチック粒子の累積数は、 15 ~ 51兆個で、 9 万 3,000 ~から 23 万 6,000 トンの重さであり、 2010年の推定世界プラスチック廃棄物総量の約 1% に満たない。』

当初の設定総量が上記の私の計算式とは違うので、“約 1% に満たない”という表現になっているのは了解して欲しい。

しかし、残りの 99% は何処に行った・・・???

The deep sea is a major sink for microplastic debris

上記レポートによると・・・。

微細化したプラスチックは生物が付着することにより沈降したり、マイクロプラスチック同士が凝集して沈下したのではないかということである。

沈んだのなら良いじゃん・・・(笑)。

・・・と言う訳にはいかない・・・(-▽-)…アハハ…

実際の問題を考えてみよう・・・!

次回へ・・・。