「真実の口」1,452 化学物質過敏症・・・③

前回の続き・・・。

前回、人間は簡単にミスリードされてしまうという少し意地悪なデータの引用法を紹介した。

公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターあてに相談されたシックハウスの相談件数を見て、ここ数年、 0.01% 前後だからと言って 10,000 戸に 1 件の相談と安易に判断することはできない。

当然、ハウスメーカーや工務店に相談していたり、各自治体に相談していたり、あるいは我々のようなシックハウス対策の出来得る企業に相談していたりという例もある。

そして、その症状は、家が原因だということを気づかずに悩んでいるという場合も多々ある。

つまり、住宅リフォーム・紛争処理支援センターのシックハウスの相談件数は氷山の一角にしか過ぎないということである。

今一度、相談件数のグラフを見てみよう!

シックハウス関連の相談件数 2019

厚生労働省のマニュアルが指摘するように 2003 ~ 2010 年にかけての減少は、改正建築基準法(シックハウス法)の影響が大きいことは否定できない。

しかし、当 Blog でも改正建築基準法(シックハウス法)のカラクリは幾度となく指摘してきた。

もういちど、おさらいをしよう!

基本は 4 つの柱である。

( 1 ) 規制の対象とする化学物質は、クロルピリホス及びホルムアルデヒドとする。
( 2 ) 居室を有する建築物には、クロルピリホスを添加した建築材料の使用を禁止する。
( 3 ) 居室の種類及び換気回数等に応じて、内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建築材料の面積制限を行うものとする。
( 4 ) 居室には、一定の条件を満たす機械換気設備の設置を基本的に義務付けるものとする。

クロルピリホスとは・・・。

毒性の強い有機リン系の化合物で、広く防蟻剤(シロアリ駆除剤)や農薬に使われており、住宅においては土台や柱などに吹き付けたり、床下の土壌に散布されていた。

因みに、アメリカでは、 2000 年 6 月 8 日、米環境保護庁( EPA )より、一般家庭や公共施設などで害虫駆除等の目的等で広く使われてきたクロルピリホスの使用が全面的に廃止の通達がなされている。

まあ、これ以降も、農薬としては、バンバン使っているのだが・・・(笑)。

EPA Administrator Pruitt Denies Petition to Ban Widely Used Pesticide

上のニュースは、『米環境保護庁のスコット・プルイット長官が、クロルピリホスの農薬利用禁止に関する嘆願書を退ける行政文書に署名した。』というニュースである。

クロルピリホスは 1965 年に殺虫剤として登録され、農業用、家庭用、工業用として広く使用されていたが、 (前述したが) 2000 年に農薬を除く殺虫剤での使用と居室を有する建築物建材での使用が禁止された。

それでも、農薬使用に関しても市民社会から懸念の声が出続けており、オバマ政権時代の 2015 年 10 月、自然資源防衛協議会( Natural Resources Defense Council )と北米農薬行動ネットワーク( Pesticide Action Network North America )から嘆願書を受け取り、農薬に使用されるクロルピリホス残留許容量基準を廃止し、農薬使用の全面禁止を起案していた。

それを、現政権トランプ大統領の元、ちゃぶ台返しにした形となったわけだ・・・( ̄▽ ̄;)アハハ…

ちゃぶ台返し

オバマ大統領の決めたことは、片っ端から気に入らないトランプ大統領だから・・・

現在、世界の話題の中心となっているイラン問題も、トランプ大統領が 2018 年 5 月 8 日、 2015 年のオバマ政権時に米英独仏中ロとイランの間で結んだイラン核合意を離脱すると表明したことに起因するわけだし・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛

ああ、心配しなくても大丈夫・・・(^-^)/

日本でも、リンゴ、梨、桃、李、ミカン、ブルーベリー、馬鈴薯、大豆、玉葱、etc・・・。

規制があるとはいえ、全面的に使われているので・・・。

クロルピリホス-厚生労働省-

クロルピリホス農薬使用方法① クロルピリホス農薬使用方法① クロルピリホス農薬使用方法①

住宅から脱線してしまったが話を戻そう・・・(o´∀`;o)aポリポリ

ホルムアルデヒドとは・・・。

揮発性有機化合物の一種で、接着剤、塗料、防腐剤などの成分であり、安価なため建材に広く用いられ、住宅においては、合板などの製造に使われる接着剤、内装などの塗料、また防腐剤などに使用されていた。

因みに、アメリカでは、日本の改正建築基準法(シックハウス法)施工から遅れること 7 年後の 2010 年、「複合木材製品ホルムアルデヒド基準法」が制定されている。

ただ、法は制定されていたが、米環境保護庁からこの法案に合わせて追加された「有害物質規制法( TSCA )」との実施規則が公表されたのは 2013 年 5 月 29 日のことだった。

EPA Proposes Rules to Protect Americans from Exposure to Formaldehyde

この法案は、アメリカ国内で製造または輸入される、ベニヤ合板などの複合木材製品からのホルムアルデヒド放散を対象とするもので、有害化学物質ホルムアルデヒドからアメリカ国民の健康を守ることを目的としている。

規則案の内容は 2 点。

( 1 ) 複合木材製品からのホルムアルデヒド放散上限値、試験条件や製品ラベルなどの規定。木材加工工程の残留物や、熱や湿気で樹脂が劣化するにつれ放散されるものも対象となる。

( 2 ) 認定第三者機関による複合木材製品の認証の枠組み。第三者認証機関、その機関の認定を行う認定機関の資格要件や責任も定め、製品が国内・国外のいずれで生産されても、放散基準の遵守を確保するものとしている。

余談だが、この前の月にアメリカ・コロラド州を訪れている。

「真実の口」550 訪米記(2013年4月)⑨

その際には、 OSB ( Oriented Strand Board :配向性ストランドボード(※注 1 ))がふんだんに使用され、現場に近寄ることさえ出来なかった・・・。

(※注 1 ) 木質材料の一種で、日本農林規格( JAS )が定める構造用パネルの一種。合板や集成材よりも小さな木片を材料にできるため、木材の利用率は高く、細い木材や成長の早いまっすぐに育ちにくいタイプの木でも材料にすることができる。

OSB ( Oriented Strand Board :配向性ストランドボード)

更に、 2016 年 7 月 27 日、米国環境保護庁は、複合木材製品からのホルムアルデヒドの放出を削減する規則の草案を発表している。

連邦規則では、複合木材を含む複合木材製品および最終製品は、 1 年以内に有害物質規制法(※注 2 )( TSCA )タイトルVI 準拠のラベル表示が義務付けられるという。

(※注 2 ) 有害物質規制法( TSCA )は、タイトルI〜VIの6つのタイトルに分かれているが、タイトル Ⅵ は、複合木材製品のためのホルムアルデヒド基準によるもの。

もう一つ余談だが、この TSCA は、制定以来約 40 年間大幅な改正は行われていなかったのだが、長期に渡る改正議論の末、 2016 年 6 月 22 日、改正法案にオバマ大統領がサインし、正式に改正され、同日発効した。

そして、 2016 年 11 月 8 日執行のアメリカ合衆国大統領選挙一般投票でドナルド・トランプ氏が勝利。

2016 年 12 月 19 日、ドナルド・トランプ氏が正式に、第 45 代アメリカ合衆国大統領に決定した・・・(笑)。

Further Delay of Effective Dates for Five Final Regulations Published by the Environmental Protection Agency Between December 12, 2016 and January 17, 2017

米環境保護庁は、 2016 年 12 月 12 日付けで、連邦政府が新たに採用する省庁職員によるさらなるレビューを受けるまで新しい規制要件の実施を延期することを指示したトランプ政権の大統領令に従うために TSCA タイトル VI 最終規則の発効日を延期している・・・(゚Д゚;∬アワワ・・・

2017 年 3 月までの延期に従って、最終規則は 2017 年 3 月 22 日からの発効となった・・・┐( -_-)┌ ヤレヤレ

オチがついたところで次回へ・・・。