「真実の口」1,477 東日本大震災から 9 年

今日で、東日本大震災から 9 年の月日が経過したことになる。

例年通り、被災した 3.11 の週には、東北入りしているため、この Blog は、 3 月 4 日に書いている。

この Blog が公開される頃には、以前、当 Blog で紹介した楢葉町で現在でも放射線被害と闘っている〇藤さん宅に寄っているころだと思う。

「真実の口」526  5 度目の被災地入り④

〇藤さんは、不評被害に負けず、環境回復農法をずっと続けて頂いている。

機会があれば、また、寄稿したいと思う。

現在、日本は、自然災害ではなく、中国発症の新型コロナウィルスの脅威にさらされている。

政府は 3 日、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、 11 日に予定する政府主催の東日本大震災 9 周年追悼式を中止する調整に入ったそうだ。

当初は規模縮小を検討していたが、感染者数が増加を続ける中、安倍首相が大規模イベントの縮小を自ら呼びかけたこともあり、政府が率先して感染拡大防止に取り組む姿勢を示す必要があると判断。

これまでのような式典は行わないが、首相や秋篠宮さまが何らかの形でメッセージを出すことを検討しているそうだ。

そして、今日( 3 月 4 日)、東京電力福島第一原発が立地する福島県双葉町で、県内で、唯一、自治体全域で続いていた原発事故による避難指示が 4 日午前 0 時、初めて一部で解除された。

双葉町で避難指示が解除されたのは、放射線量が比較的低い「避難指示解除準備区域」に指定されていた北東部と、比較的高い「帰還困難区域」にあるものの、除染を行い、放射線量を低減させた JR 双葉駅周辺の道路など合わせて 2.4 ㎢ で、町全体の面積の 4.7% に当たるらしい(図参照)。

双葉町の現状
双葉町は原発事故に伴って出された避難指示が、唯一全域で続いていた自治体で、事故から約 9 年で、初めての解除となり、また、帰還困難区域で避難指示が解除されたのも初めのこととなる。

報道によれば、解除された地域では、水道など生活インフラの整備が進んでいないため、戻って生活する住民はいないそうだ。

このほか、避難指示が継続される帰還困難区域のうち、除染作業が進む双葉駅周辺の「特定復興再生拠点区域(復興拠点)(※注 1 )」の約 5.5㎢ では、宿泊はできないものの、 24 時間自由に立ち入ることができるようになったそうだ(図参照)。

(※注 1 ) 東京電力福島第一原発事故後、長期間人の出入りが制限された帰還困難区域を再び居住できる状態にするため、国費で除染し、宅地や社会インフラを集中整備する区域のことで、平成 29 ( 2017 年)年 5 月に制度化された。福島県の 6 町村が計画を策定し、面積は計約 27.5㎢。居住人口の目標は計約 8,0000 人(うち、双葉町は約 2,000 人)。避難指示解除は令和 4 ( 2022 年)年春~令和 5 ( 2023 年)年春を予定している。

JR 常磐線も 14 日に全線で運転再開する予定らしい。

町北東部は「働く拠点」として産業団地が整備され、東京オリンピック・パラリンピックに合わせて、震災と原発事故を後世に伝える県の「東日本大震災・原子力災害伝承館」が 7 月に開館するそうだ。

双葉町では、駅西側を「住む拠点」として、災害公営住宅などを整備し、 2 年後の令和 4 ( 2022 年)年から、住民の帰還を目指すとしている。

福島県では、東京電力福島第一原発の事故のあと、 11 市町村の 1,150㎢ に避難指示が出された。

避難指示は平成 26 ( 2014 年)年 4 月以降 9 回にわたり、 10 市町村で全域、もしくは一部が解除され、双葉町は避難指示の解除が行われていない唯一の自治体となっていた。

5 日には、大熊町の JR 大野駅周辺で、 10 日には富岡町の JR 夜ノ森駅周辺で避難指示が解除されることになっている。

その一方、これ以降も 7 市町村の約 337㎢ では、避難指示が続けられる。

これは、福島県全体の面積の 2.4% となり、避難指示が出された地域の面積の約30% に当たる。

避難指示区域と特定復興再生拠点区域

帰還困難区域は、平成 25 ( 2013 年)年 5 月までに、 7 市町村の総面積の 3 割で設定され、国は平成 28 ( 2016 年)年 8 月、帰還困難区域内で人が住めるようにする復興拠点を設ける方針を決定した。

現在、7 市町村のうち南相馬市を除く 6 町村で整備中だが、帰還困難区域の 9 割が拠点に含まれず、除染など復興の動きは見られない。

国は、復興拠点の制度化に合わせて帰還困難区域を「長い時間がかかろうとも全て避難指示解除する」と表明。

6 町村は、平成 31 ( 2019 年)年、除染や解除の具体的な方針を令和 4 ( 2022 年) 年度末までに示すよう国に要望したのだが・・・。

平成 31 ( 2019 年)年の国の基本方針では「解除に向け方向性を検討する」と記すにとどまっている。

最大のネックは膨大な除染費用。

福島県内外で除染にかかった費用は、平成 31 ( 2019 年)年度末までに 3 兆 3,800 億円で、今後さらに膨らむことは想像に難くない。

帰還しないと決めている住民の割合も高いのをいいことになのかどうか分からないが(?)、自治体が要望を続けても、国は除染の方針を示さないと言うのが実情のようだ。

一方、放射能の自然減衰は進んでいるようだ。

町域の 96% が帰還困難区域の双葉町でも観測地点 37 カ所のうち 34 カ所で毎時3.8μ㏜ を下回っているらしい。

今回は、未だに復興が進まない福島県の現状を紹介させていただいたが、例年のように、全体の復興状況もお伝えしよう。

復興の現状と課題(令和 2 年 2 月)

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一日でも早く、被災された方々が、穏やかな日常を取り戻せること切に望む。