「真実の口」1,552 熱中症

連日、各所で 35℃ を超える猛暑日が伝えられ、 TV からは“命の危険がある暑さ”が頻りに訴えられている。

気象庁は、豪雨災害も収まらない最中の 7 月 23 日、記録的な暑さについて異例の緊急会見を開いている。

「気温が高い状態は 8 月上旬にかけて続き、熱中症で命を落とす危険性もある。」として、十分注意するよう呼びかけた。

気象庁によると、東日本と西日本では、今月中旬、気温が平年より 3℃ 以上高い記録的な暑さが続いていて、埼玉県熊谷市では 23 日、午後 2 時過ぎに、これまでの国内最高気温となる 41.1℃ を観測したほか、東京都青梅市や、岐阜県多治見市、山梨県甲府市でも、 40℃ を超える危険な暑さとなったようだ。

気象庁は、今年の記録的な暑さを「 1 つの災害と認識している。長期的にみると地球温暖化の影響が表れてきている。」と説明した。

また、気象庁は、「気温が高い状態は 8 月上旬にかけて続く。」と予想。

「熱中症で命を落とす危険性もある。」として、十分注意するよう呼びかけた。

そして、現在、気象庁の予想通り、日本全体が猛暑に見舞われている。

命の危険のある暑さ

新型コロナウィルス感染防止にマスクを着用している中でのこの暑さはたまったものではない。

熱中症には十分に注意をしなければいけない。

新型コロナウィルス感染の症状と熱中症の症状は非常に似ているようだ。

熱中症と熱中症の原因ともなる脱水の危険について警鐘を鳴らす「教えて!『かくれ脱水』委員会」の副委員長を務める済生会横浜市東部病院患者支援センター長兼栄養部部長の谷口英喜医師によると・・・。

「熱中症と新型コロナの症状は、共通するものが多いんです。全身倦怠感、頭痛。吐き気や食欲がないといった消化器症状。筋肉痛、関節痛、発熱。これらの症状は、すべて新型コロナと熱中症で共通して起こります。新型コロナに特徴的だと話題の味覚異常も、熱中症でも起こりますよ。」

そして、医師でも、症状だけで見分けるのは難しいそうだ。

ただ、問題なのは、熱中症は一刻を争う病気だということらしい。

「熱中症は、放っておくとその日のうちに死に至る病です。急に重症化するという点では、実はコロナよりも熱中症のほうが怖いんです。ですから、もし上記のような症状が出たら、まず熱中症を疑ってください。」

熱中症の原因を調べると・・・

熱中症の主な原因は、暑熱環境と脱水だそうだ。

脱水状態で暑熱環境が加わると熱中症になりやすくなるという。

人間の身体の約 6 割は水分と塩分からなる体液でできおり、脱水とはこの体液が不足した状態なので、改善するには水分と塩分の両方を補う必要があるそうだ。

テレビ等で経口補水液の CM を目にするが、これは、水分と塩分に一定量の糖分を加え、素早く吸収できるように濃度が調整されている。

ドラッグストアなどで購入できるので、一分一秒を争うときのため冷蔵庫に 1 、 2 本入れておくと熱中症対策の心強い味方になるようだ。

そして、今年は新型コロナの外出自粛による影響もあるようだ。

4 月に緊急事態宣言が出て、数カ月間、ほとんど外出しない生活を送ってきた人は外の暑さになれておらず、汗をかきにくくなっていることが想像できる。

運動不足で筋力が衰えているのも、熱中症に影響するらしい・・・。

体の中の水分は、主に筋肉に蓄えられ、運動不足で筋肉量が減れば、それだけ水分をためにくい体になっているからのようだ。

谷口氏によれば・・・。

「経口補水液を飲んで症状がおさまるようならば脱水症を伴った熱中症の可能性が高く、そのくらいのレベルなら病院に行く必要はありません。もし新型コロナやインフルエンザのような感染症だったとしても、経口補水液を飲んで汗をかけば、熱を下げられます。いったん熱が下がっても、しばらくしてまた熱が上がってくるようなら、新型コロナを疑ってください。」

一つの目安になりそうではないか?

しかし、医療現場や救急のスタッフに、コロナか熱中症等の判断を下す労力を与えないように、熱中症に罹からないようにすることがベストである。

それが、引いては、コロナ対策にもつながるのである。

消防庁からは、救急搬送された人の数が公表されている。

昨年も猛暑と言われたが、今年のコロナ禍と比較してみる。

・令和元年 6 月 1 日~ 6 月 7 日(確定値 1,379 人)
・令和 2 年 6 月 1 日~6 月 7 日(速報値 1,194 人< -185 人>)

・令和元年 6 月 8 日~ 6 月 14 日(確定値 612 人)
・令和 2 年 6 月 8 日~ 6 月 14 日(速報値 1,586 人< +974 人>)

・令和元年 6 月 15 日~ 6 月 21 日(確定値 888 人)
・令和 2 年 6 月 15 日~ 6 月 21 日(速報値 1,461 人< +573 人>)

・令和元年 6 月 22 日~ 6 月 28 日(確定値 978 人)
・令和 2 年 6 月 22 日~ 6 月 28 日(速報値 1,651 人< +673 人>)

・令和元年 6 月 29 日~ 7 月 5 日(確定値 933 人)
・令和 2 年 6 月 29 日~ 7 月 5 日(速報値 998 人< +65 人>)

・令和元年 7 月 6 日~ 7 月 12 日(確定値 1,091 人)
・令和 2 年 7 月 6 日~ 7 月 12 日(速報値 994 人< -7 人>)

・令和元年 7 月 13 日~ 7 月 19 日(確定値 1,500 人)
・令和 2 年 7 月 13 日~ 7 月 19 日(速報値 1,337 人< -163 人>)

・令和元年 7 月 20 日~ 7 月 26 日(確定値 4,323 人)
・令和 2 年 7 月 20 日~ 7 月 26 日(速報値 3,073 人< -1,250 人>)

・令和元年 7 月 27 日~ 8 月 2 日(確定値 15,479 人)
・令和 2 年 7 月 27 日~ 8 月 2 日(速報値 3,426人< -12,053 人>)

・令和元年 8 月 3 日~ 8 月 9 日(確定値 15,299 人)
・令和 2 年 8 月 3 日~ 8 月 9 日(速報値 6,664 人< -8,655 人>)

σ(・ω・*)ンート…

どうやら、今年の方が救急搬送者は少ないようだ・・・(笑)

ただ、熱中症に罹からないに越したことはないので、熱中症を予防するための正しい知識を身につけておいた方が良い。

分かり切ったことだが、“適切な水分補給をすること”である!

水分補給について、まとめたサイトがあったので紹介する。

① 砂糖の入っていない飲み物を飲む

☞清涼飲料水などでグビグビと水分補給をすると、血糖値が急上昇し、一時的に糖尿病に似た症状「ペットボトル症候群」になってしまうことがあるため要注意!

② こまめに水分補給する

☞「のどが乾いた」と感じたときは、すでに身体の中で水が足りていないというサインなので、脱水症状を予防するためには「のどが乾く」前に、少量ずつこまめに水分補給をすることが大事!

③ 就寝前&起床後に「命の水」を

☞人間は寝ているだけで、体内の水分を 500ml 以上も奪われる。そのため、就寝前と起床後の水分補給がとても重要!

④ スポーツドリンクや塩飴を過信しない

☞スポーツドリンクは、スポーツや長時間屋外にいる場合の水分補給には良いが、糖分が多すぎるので、日常生活での水分補給には適していない。

また、夏になると、水分補給とともに重要視される「塩分補給」だが、多くの人が食事で塩分を摂り過ぎているので、塩飴等での塩分補給は要注意!

⑤ 水分保持能力の高い牛乳を活用

☞水分保持能力とは、身体の中の水分を保つ力のことだが、牛乳は水分保持能力が高く、スポーツ後のコップ 1 杯の牛乳は、脱水の予防とともにタンパク質も補給できて一石二鳥!

⑥ 「飲むこと」以外からの水分補給方法もある

☞我々は「飲むこと」以外に、「食べること」と「体内での代謝からつくられる代謝水」でも水分を得ている。そして、この 3 つの水分補給で、排出される水分(約 2.5㍑ )をまかなっているのだが、内訳は、「食べること」で 1㍑ 、「代謝水」で 0.3㍑ 、「飲むこと」で 1.2㍑ 。「食べること」での水分補給は、食物に含まれる水分や料理に追加している水分によるものだが、これは 3 食をきちんと食べた場合なので、 1 日 2 食になると相対的に水分摂取量も下がってしまうので要注意!

⑦ 自分の「必要水分量」を知っておこう!

☞ 1 日の必要水分量は個人差があり、体重や体格に大きく左右される。具体的には「体重 × 40 ~ 50ml 」と言われている。 50kg の人なら「 50kg × 40 ~50 = 2,000 ~ 2,500ml 」ということになる。必要水分量のうち、半分以上は「飲むこと」から摂取するよう心がけること!

これらを心掛けて熱中症にならないように、猛暑を乗り切ろう!

消防庁からも熱中症対策のルーフレットも出ているので参考までに・・・。

消防庁・熱中症対策リーフレット① 消防庁・熱中症対策リーフレット② 消防庁・熱中症対策リーフレット③ 消防庁・熱中症対策リーフレット④