「真実の口」1,780 新型コロナウィルス・・・277

前回の続き・・・。

今年の初めの頃の話題で恐縮なのだが、コロナ対策として、画期的な研究結果が発表された。

続報があるかと思い、寄稿をためらっていたのだが、ようやく進展が見られたので、今更ながら報告したいと思う。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0006291X2100156X

これは、今年の 2 月 8 日夜、国際誌『 Biochemical and Biophysical Research Communications 」に掲載された論文で、長崎大学の北潔教授のチームが発表したものである。

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【概要】

現在( 2021/02/08 時点)の新型コロナウィルス感染症 COVID-19 の感染拡大に対し、効果的な治療法の開発が緊急的に求められています。

5-アミノレブリン酸(以下、 5-ALA )は、天然で合成されるアミノ酸であり、その高い生物学的利用能から抗がん療法や健康食品など、さまざまな目的で使用されています。

私達は、本研究において、 5-ALA が COVID-19 の原因ウィルスである SARS-CoV-2 の感染を培養細胞において強力に抑制することを示しました。

この抗ウィルス効果は、明らかな細胞毒性無しに、ヒト細胞と非ヒト細胞の両方で認められました。

そのため、 5-ALA は COVID-19 に対する抗ウィルス薬の候補としてさらなる研究を進める価値があると考えられます。

【本研究のトピックス】

・ 5-ALA は、培養細胞において SARS-CoV-2 の感染を抑制しました。
・ 5-ALA の抗ウィルス効果は、非ヒト細胞よりもヒト細胞に対してより顕著でした。
・ 5-ALA は、細胞毒性もなく濃度依存的に抗ウィルス効果を示しました。

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“ 5-アミノレブリン酸とは、通称“ 5-LLA ”と呼ばれている天然のアミノ酸のことである。

あらゆる生命体の細胞の中で作り出される“ 5-ALA ”は、「生命の根源物質」とも呼ばれているそうだ。

人体では、“ 5-ALA ”は、鉄と結合することでヘムという構成成分として利用される化合物になり・・・。

このヘムが血液中のヘモグロビンに含まれ、酸素を運ぶ働きを助けることで、身体のすみずみまでエネルギーを運ぶことができるという。

また、植物では、“ 5-ALA ”は、葉緑素を生み出す働きがあるので、光合成を向上させるはたらきがあるという。

これらの働きから、動物、植物のエネルギー生成をサポートすることが、「生命の根源物質」と謂われる所以らしい。

“ 5-ALA ”には、さまざまな効果があるらしいので紹介しよう。

★代謝改善

人が活動するために必要なエネルギーであるアデノシン三リン酸( ATP )は 90% 以上がミトコンドリアという器官で作り出されているのだが・・・。

ミトコンドリアの機能が加齢などを理由に衰えると、体内にエネルギーが循環しにくくなるという。

その結果、老化や成人病といった代謝の悪化によって引き起こされる病気にかかりやすくなるらしいのだ。

しかし、“ 5-ALA ”を摂取すると、ミトコンドリアの機能が活性化することが研究で明らかになっているそうだ。

Effects of 5-aminolevulinic acid and sodium ferrous citrate on fibroblasts from individuals with mitochondrial diseases

上記リンクは、千葉県こども病院から 2019/7/23 に発表され、『 Scientific Reports 』に 7 月 22 日付でオンライン掲載されたものである。

このことから、“ 5-ALA ”が代謝を改善し、代謝の低下によって引き起こされる病気の改善が期待されているようだ。

★糖尿病の予防

“ 5-ALA ”を含む物質を使った研究によって、“ 5-ALA ”が血糖値を改善する効果も明らかになっているそうだ。

5-aminolevulinic acid, a precursor of heme, reduces both fasting and postprandial glucose levels in mildly hyperglycemic subjects

上記リンクは、広島大学の研究チームが、米科学誌『 Nutrition 』に「ヘムの前駆体 5-ALA は軽度高血糖を示す被験者の空腹時血糖と食後血糖の双方を抑制する」という表題で発表したものである。

研究チームは、軽度の高血糖を示す被験者を対象に、“ 5-ALA ”とクエン酸第一鉄ナトリウム(以下、 SFC )を異なる量比で組み合わせた食品 3 種類のどれかと、“ 5-ALA ”も SFC も含まないプラセボを摂取する被験者をランダムに割り振り、 12 週間に渡って糖代謝に関わる指標を測定した。

その結果、高用量の“ 5-ALA ”と SFC の組み合わせを摂取したグループでは、空腹時血糖、血清糖化アルブミン、糖負荷試験 2 時間値のそれぞれがプラセボを摂取したグループと比較して改善していた。

特に糖負荷試験では、試験食品の摂取を始める前の試験成績がより糖尿病に近い被験者ほど改善の程度が高いという結果が出た。

なお、試験中特筆すべき副作用は見られなかったそうだ。

★高齢者運動機能

“ 5-ALA ”配合サプリメントの摂取により、運動効率を上昇させ、高齢女性のトレーニング成績を改善することが明らかになっているそうだ。

Impact of 5-aminolevulinic acid with iron supplementation on exercise efficiency and home-based walking training achievement in older women

上記リンクは、信州大学の研究チームが、米国学術誌 『Journal of Applied Physiology 』に発表したものである。

研究によると、“ 5-ALA ”とクエン酸第一鉄ナトリウム(以下、 SFC )の試験食(以下「試験食」)の摂取が運動効率と自発的インターバル速歩トレーニング(以下、  IWT )の成績に及ぼす響についてプラセボ対照二重盲検クロスオーバー法にて検討。

12 ヶ月以上 IWT を行い試験当時も IWTを 実施していた 65±3 歳の 10 人の女性に対し、試験食またはプラセボを各々、 2 週間の無摂取期間を挟んで前後 7 日間、クロスオーバーで与えた。

また、試験食摂取前後の試験においては、室温 27.0℃ および湿度 50% の環境下で段階的に負荷を漸増するサイクリング試験が行われた。

当試験では、酸素消費量、二酸化炭素排出量および血漿中乳酸値が測定され、さらに、試験食摂取期間の最初の 6 日間には IWT の運動強度が加速度測定法で測定された。

その結果、試験食摂取期間においては、段階的サイクリング負荷試験実施中の酸素消費量と二酸化炭素排出量が、各々 12% と 11% 、血漿中乳酸値は 16% といずれも有意に減少したが、プラセボ摂取期間では全てに変動がなかったそうだ。

また、トレーニング日数、早歩きの強度と時間は、試験食摂取期間の方が各々 42% 、 102% 、 69% 増加したそうだ。

以上の結果から、試験食の摂取は、運動効率を上昇させ、これにより高齢女性の IWT 成績を改善することが示されたという。

★睡眠の質

“ 5-ALA ”配合サプリメントの摂取により睡眠の質有意に改善し、摂取終了後はスコアが再び悪化することが明らかになっているそうだ。

The Role of 5-Aminolevulinic Acid (5-ALA) and Sleep

上記リンクは、ハワイ大学の研究チームが、学術誌『 International Journal of Clinical Medicine ( IJCM )』発表したものである。

研究チームによると、 40 〜 70 歳の計 40 人の被験者を対象に、 4 ヶ月に渡り“ 5-ALA ”を摂取したグループと摂取しないグループに分けて試験を行ったそうだ。

その結果、“ 5-ALA ”を摂取していたグループの方が、睡眠の質を改善する効果があると示唆されたという。

その他にも、「肌の水分量・弾力性」、「仕事による疲労感減退」、「怒り – 敵意の減化」、「がん細胞のアポトーシス(細胞死)促進効果」等々にも効果がある旨の研究結果が発表されているそうだ。

夢のような“ 5-ALA ”だが・・・。

本題の長崎大学による“ 5-LLA ”が COVID-19 に効果があると言う研究結果に戻る。

2 月の発表では、“ 5-LLA ” が COVID-19 の原因ウィルスである SARS-CoV-2 の感染を強力に抑制することを示したわけだが・・・。

それ以降、 COVID-19 感染患者への“ 5-LLA ”投与に関する特定臨床研究を計画し、 2020 年 10 月 28 日、長崎大学の認定臨床研究審査倫理委員会において、特定臨床研究開始が正式に承認されたそうだ。

特定臨床研究とは、医薬品や治療法のエビデンスを構築することやより良い使用方法や治療方法を探索することを目的とする臨床試験のなかで、製薬企業等から研究資金等の提供を受け医薬品等を用いる臨床研究、あるいは、未承認・適用外の医薬品等を用いる臨床研究のことを言う。

国の行う“治験”の前段階と捉えればいいようだ。

m-RNA ワクチンとかよりもより安全性が高いのではないだろうか?

COVID-19 感染予防に、“ 5-LLA ”が含まれている食品を紹介しよう。

5-ALA含有量

ここまで来ると、何故、私がこれを紹介したかったかお分かりいただけると思う・・・( ̄ー ̄)ニヤリ

日本酒は、“ 5-LLA ”含有量がずば抜けて高いのである。

1 日 3 ~ 4 合を飲む酒呑童子と呼ばれる私にとっては凄い朗報だったわけだ・・・ダッシュ!ε≡≡ヘ( ´Д`)ノ

次回へ・・・。