「真実の口」1,799 新型コロナウィルス・・・288

Coffee Brake 36 として故・水島新司氏のドカベンプロ野球編を寄稿しようと思ったが、合同部会が開催されたので、後日、寄稿し直すことにする。

1 月 21 日(金)に、第 75 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和 3 年度第 26 回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)が開催された(以下、合同部会)。

今回は、“アナフィラキシー事例”を寄稿する。

≪アナフィラキシー報告事例≫

【ファイザー社製】

1.報告状況

○ 前回の集計対象期間( 12 月 5 日)以降、コミナティ筋注の副反応疑い報告において、製造販売業者からアナフィラキシーとして報告された事例が新たに 32 件あり、令和 3 年 2 月 17 日から令和 4 年 1 月 2 日までに報告されたアナフィラキシー事例は計 3,114 件(うち、 3 回目接種後の事例は 3 件)、総副反応事例は計 17,091 件となった。

2.専門家の評価

○ 令和 4 年 1 月 2 日までに報告された 3,114 事例を対象に、専門家の評価を実施。

○ 評価結果の概要は、以下のとおり。

ブライトン
分類レベル
報告件数
1回目接種時 2回目接種時 3回目接種時
1 117(+2) 90(±0) 27(+2) 0(±0)
2 459(+6) 336(+4) 122(+1) 1(+1)
3 24(-1) 21(±0) 3(-1) 0(±0)
4 2,411(+26) 1,773(+21) 636(+3) 2(+2)
5 103(-1) 70(+1) 33(-2) 0(±0)
合計 3,114(+32) 2,290(+26) 821(+3) 3(+3)

○アナフィラキシーの症例定義として国際的な指標になっている「ブライトン分類」での評価は、 3,114 事例中、何らかの循環器症状か呼吸器症状を発症し、重篤とされている“ 3 ”以上に該当するのは 600 ( +7 ) 例となっている。

●レベル 1 ~ 3 の報告件数/推定接種回数注・・・600 件/ 168,296,343 回接種
● 100 万回あたりの報告件数・・・ 3.6 件

○ブライトン分類レベル 1 ~ 3 の年齢別・性別の報告件数も見てみる。

年齢(歳) 報告件数
男性 女性 性別不明
0~4 0 0 0 0
5~9 0 0 0 0
10~14 4(+1) 2(+1) 2 0
15~19 13 6 7 0
20~24 46(+1) 11(+1) 34 1
25~29 50 6 44 0
30~34 54(+1) 12(+1) 42 0
35~39 82 8 74 0
40~44 81 8 73 0
45~49 92(+3) 8(+1) 84(+2) 0
50~54 55(+2) 2 53(+2) 0
55~59 41 5 36 0
60~64 19 1 18 0
65~69 25 6 19 0
70~74 12 4 8 0
75~79 4(-1) 0 4(-1) 0
80歳以上 21(+1) 3(+1) 18 0
不明 1 0 1 0
合計 600(+7) 82(+5) 517(+2) 1(±0)
(参考)
65歳以上
62(±0) 13(+1) 49(-1) 0(±0)

表から見て取れることは・・・。

【年齢】
65 歳未満・・・ 538 ( +7 )例
65 歳以上・・・ 62 ( ±0 )例

〔考察〕 7 例増加分の 1 例が 3 回目摂取時に起こっているが、頻度としては 1 ~ 2 回目摂取時と変わらないようだ。

【性別】
男性・・・ 82 ( +5 )例
女性・・・ 517 ( +2 )例

〔考察〕 ファイザー社の報告通り、副反応は圧倒的に女性が多いのが分かる。

〔考察〕 前回までは、アレルギーの有無も報告されていたのだが、今回からは割愛されたようである。

【モデルナ社製】

1.報告状況

○ 前回の合同部会( 12月 5 日)以降、スパイクバックス筋注の副反応疑い報告において、医療機関からアナフィラキシーとして報告された事例が新たに 3 件(うち、 3 回目接種後の事例は 0 件)あり、令和 3 年 5 月 22 日から令和 4 年 1 月 2 日までに報告された副反応事例は、計 518 件、総副反応事例は計 2,287 件となった。

(※注) 旧販売名:COVID-19ワクチンモデルナ筋注

2.専門家の評価

○ 令和 4 年 1 月 2 日までに報告された 518 件のうち、アナフィラキシーの疑いのある事例を対象に、専門家の評価を実施し、評価結果の概要は、以下のとおり。

ブライトン
分類レベル
報告件数
1回目接種時 2回目接種時 3回目接種時
1 8(±0) 7(±0) 1(±0) 0(±0)
2 44(+1) 32(+1) 12(±0) 0(±0)
3 0(±0) 0(±0) 0(±0) 0(±0)
4 441(+2) 331(+4) 110(-2) 0(±0)
5 25(±0) 25(±0) 0(±0) 0(±0)
合計 515(+11) 390(+4) 125(+7) 0(±0)

○ 「ブライトン分類」での評価は、 518 事例中、何らかの循環器症状か呼吸器症状を発症し、重篤とされている“ 3 ”以上に該当するのは 52 例となっている。

・ レベル 1 ~ 3 の報告件数/推定接種回数・・・ 52 件/ 32,435,344 回接種
・ 100 万回あたりの報告件数・・・ 1.6 件

○ ブライトン分類レベル 1 ~ 3 の年齢別・性別の報告件数

年齢(歳) 報告件数
男性 女性 性別不明
0~4 0 0 0 0
5~9 0 0 0 0
10~14 1 0 1 0
15~19 3 0 3 0
20~24 14(+1) 6 7(+1) 1
25~29 9 2 7 0
30~34 9 0 9 0
35~39 5 3 2 0
40~44 3 0 3 0
45~49 3 1 2 0
50~54 3 0 3 0
55~59 1 0 1 0
60~64 0 0 0 0
65~69 1 0 1 0
70~74 0 0 0 0
75~79 0 0 0 0
80歳以上 0 0 0 0
不明 0 0 0 0
合計 51(+1) 12(±0) 39(+1) 1(±0)
(参考)
65歳以上
1(±0) 0(±0) 1(±0) 0(±0)

表から見て取れることは・・・。

【年齢】
65 歳未満・・・ 51 ( +1 ) 例
65 歳以上・・・ 1 ( ±0 )例

〔考察〕 前回、今回共にブライトンレベル 3 以上の報告が 1 件だったため、それ以外に偏った変化はなかった。

【性別】
男性・・・ 12 ( ±0 )例
女性・・・ 39 ( +1 )例

〔考察〕 ファイザー社同様、副反応は圧倒的に女性が多いのが分かる。

〔考察〕 前回までは、アレルギーの有無も報告されていたのだが、ファイザー社製同様、今回からは割愛されたようである。

【アストラゼネカ社製】

1.報告状況

○ 前回の集計対象期間( 12 月 5 日)以降、バキスゼブリア筋注の副反応疑い報告において、医療機関からアナフィラキシー疑いとして報告された事例が新たに報告はなく、令和 3 年 8 月 3 日から令和 4 年 1 月 2 日までに報告されたアナフィ ラキシー疑い事例は計 5 件のままである。

2.専門家の評価

○ 令和 3 年 12 月 5 日までに報告された 5 事例を対象に、専門家の評価を実施し、評価結果の概要は、以下のとおり。

ブライトン
分類レベル
報告件数
1回目接種時 2回目接種時 3回目接種時
1 0(±0) 0(±0) 0(±0) 0(±0)
2 0(±0) 0(±0) 0(±0) 0(±0)
3 0(±0) 0(±0) 0(±0) 0(±0)
4 5(±0) 2(±0) 3(±0) 0(±0)
5 0(±0) 0(±0) 0(±0) 0(±0)
合計 5(+2) 2(±0) 3(±0) 0(±0)

○ 「ブライトン分類」での評価は、 5 事例中、何らかの循環器症状か呼吸器症状を発症し、重篤とされている“ 3 ”以上に該当するのは 0 例となっている。

・ レベル 1 ~ 3 の報告件数/推定接種回数・・・ 0 件/ 115,501 回接種
・ 100 万回あたりの報告件数・・・ 0 件

○ ブライトン分類レベル 1 ~ 3 の年齢別・性別の報告件数は無し。

アナフィラキシーに関する考え方(副反応疑い報告の状況に関するまとめ)

【 3 回目接種についてのまとめ】

○ ファイザー社ワクチンの 3 回目接種については、接種開始後( 2021 年 12 月 1 日)より、今回の審議会( 2022 年 1 月 2 日時点)までにおいて、医療機関より 147 件( 3 回目推定接種回数のうち 0.03% )、製造販売業者より 10 件( 3 回目推定接種回数のうち 0.00% )の報告があり、 1 ・ 2 回目接種時と大きな変化はなかった。
また、 3 回目接種後の死亡として 1 件( 3 回目推定接種回数 100 万回あたり 1.9 件)の報告があった。
○ 武田/モデルナ社ワクチンの 3 回目接種については、今回の審議会までにおいて副反応疑い報告はなかった。

【 3 回目接種に関する論点のまとめ】

○ 国内の 3 回目接種後に係る副反応疑い報告状況については、現時点では重大な懸念は認められない。
○ 国内外の 3 回目接種後の係る副反応疑いの報告状況についても、引き続き注視していく。

〔考察〕 前回から、アナフィラキシーに関する状況整理やまとめ等が削除され、 3 回目接種をクローズアップしている。今回の報告では、死亡例が 1 例になっているが、厚生労働省の専門部会は、新型コロナウィルスの 3 回目のワクチン接種後に男女 2 人が死亡したと発表している。死亡したのは 70 歳の男性と 57 歳の女性である。男性はモデルナのワクチンを接種、女性はファイザーのワクチンを接種していたということでだが、相も変わらず、ワクチン接種と死亡との因果関係について、厚労省の専門部会は「情報不足で評価できない」としていて、今後、詳しく調べる方針としている。

次回へ・・・。