「真実の口」1,689 新型コロナウィルス・・・192

前回の続き・・・。

26 日(水)に、第 60 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和 3 年度第 8 回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)が開催された。

その中で、 5/12 ~ 5/21 の 10 日間で、ワクチン接種後の死亡報告例が、新たに、46 件報告され、合計で 85 件になったことが報告された。

その中でも 2 件の自殺者が出ていることが、一番、目を引く内容だった。

まとめるのに時間が掛かるので、詳細は、来週、報告する。

今週は、違うテーマを寄稿する。

先月 26 日に発表されたあるランキングが話題を呼んだ。

各都道府県の新型コロナウィルスへの対応ランキングである。

ランク付けをしたのは応用統計学を専門とする慶応義塾大学商学部・濱岡豊教授で、海外の国際比較ランキングを参考に、各自治体のコロナ対応力を数値化したらしい。

慶応大学のプレスリリースによると、論文は専門誌「科学」(岩波書店) 5 月号にまで掲載されたそうだ。

1.研究方法

・新型コロナウィルスへの対応についての国際比較ランキングを参考として、都道府県での時系列データが入手可能な「健康影響」、「対策」、「市民の協力」、「経済影響」の 4 カテゴリ 10 指標を選定。

指標評価

・ 2021 年 3 月 21 日までのデータを用いて、都道府県間で比較できるよう 10 指標それぞれを偏差値化し、総合評価点を算出。

・総合評価点が高い順に並べ、 10 指標をレーダーチャートで示すことによって 47 都道府県の特徴を比較。

総合ランキング上位 5 県と下位 5 都道府県

2.結果の概要

・総合指標が最も高いのは鳥取県であり、レーダーチャートをみると「累積陽性者あたり累積検査人数」、「人口あたり受入確保病床数」という「対応」についての 2 項目が突出しており、「人流(乗り換え駅)」が低めなのを除くと全般的に良好な状況となっている。

・次いで島根県は死亡者がゼロであり、「累積陽性者致死率」が最良となっている。

・ランキング下位には、大阪府、東京都、京都府などが並んでいる。

・これらはいずれの指標も低くなっているが、特に客室稼働率という経済面への影響が大きくなっている。

・大阪府はいずれの指標も低くなっており全体的に対策を立て直す必要がある。

・東京都は市民の協力・人流 2 項目に関しては高い方であり、市民の自粛と比べて都が行うべきことを行っていないことによって健康や経済への影響が大きくなっているといえる。

鳥取県と最下位の大阪府の指標のトレンドを比較

【鳥取県】
・陽性者数が少ない段階から多くの検査を行っていた。
・第三波以降は、陽性者数が減っても検査を継続することによって感染者を早期発見し、隔離もしくは療養してもらうことにより、陽性率も全般的に低く押さえられていた。
・客室稼働率も第一波以降急速に回復していた。

【大阪府】
・検査人数は陽性者数と連動しており、陽性率も全般的に高かったことから、全般的に検査不足と言えた。
・病床も確保できていないため、自宅療養率が 40% になる時期も多くみられた。
・さらに客室稼働率は長期的に低いままであり、対策の失敗が経済に対しても深刻な影響を与えている。

以下が全ランキングである。

新型コロナ対応ランキング①
新型コロナ対応ランキング②
新型コロナ対応ランキング③

私が住む大阪は最下位である・・・。

5 月 25 日現在・・・。

【大阪】感染者数 98,281 人、死者数 2,190 人
【東京】感染者数 157,667 人、死者数 2,026 人

死者数は、首都東京を 5/16 に逆転してから、その差は広がる一方である。

少し古くなるが、厚生労働省の関係者によると・・・。

「政府の会議の資料に人口 100 万人あたりの 7 日間の新規死者数のデータがあるのですが、大阪は 19.6 人( 5 月 5 日時点、以下同)。インドの 15.5 人、メキシコの 16.2 人、米国の 14.5 人より上回っており、惨状というほかありません。兵庫県も 9.0 人、愛媛県 11.2 人、和歌山県 7.6 人など関西は高く、東京は 1.4 人と意外にも低い水準です。」

インドの惨状は連日報道されていたが、大阪は、それよりもひどい状況ということのようだ。

因みに、 5 月 5 日時点のランキングは・・・。

1 .大阪府・・・ 19.6 人
2 .愛媛県・・・ 11.2 人
3 .徳島県・・・ 11.0 人
4 .兵庫県・・・ 9.0 人
5 .和歌山県・・・ 7.6 人
6 .石川県・・・ 6.2 人
7 .奈良県・・・ 5.3 人
8 .岡山県・・・ 4.8 人
9 .北海道・・・ 4.6 人
10 .三重県・・・ 3.9 人
~~~~~~~~~~~
22 .東京都・・・ 1.4 人

全国の平均は 3.3 人らしく、大阪は、群を抜いているのが分かるのではないだろうか?

近畿、四国、西日本が上位を占めている・・・(。-`ω-)ンー

もう一つ、興味のある報告をひとつ・・・。

都道府県コロナ対応力 1 位にランキングされた鳥取県からである。

鳥取県がコロナ対策で注目している『 Ct 値』というデータに関して、慶応義塾大学のまとめで明らかになったものである。

新型コロナの PCR 検査は、唾液や鼻腔や口腔内に存在するウィルス遺伝子断片の特定部位を取り出して、それを倍々に増幅(サイクル数と呼ぶ)してサイクル数からウィルス量を推定する検査である。

このサイクル数を Ct 値と呼ぶらしい。

初めて、聞くのワードなので、少し調べてみた。

この Ct 値だが、問題点は陽性と判定する Ct 値の設定いかんで結果がいかようにも調節されてしまうという点にあるようだ。

Ct 値を高く設定すれば微量のウィルス量(残骸や従来のコロナウィルスでも)陽性と判定されてしまうらしい。

ところが実際に感染性を有する感染者の Ct 値はわかっていないのが現状らしい。

Ct 値には国際基準も存在ないらしい・・・(笑)。

つまり、各国基準値が異なり、日本では Ct 値が 40 で陽性と診断されているそうだ。

もし、日本より基準が低い国で PCR 陰性だった人が、来日して陽性と判断されるということは起こりうる話のようだ。

しかし、データとしては活かせるようだ・・・。

その増幅回数が Ct 値で、この値が低いと“少ない増幅でウィルスが検出された”、つまり、“ウィルス量が多く、感染させる力が強い”ということになるそうだ。

慶応大学が今年 3 月末にまとめた新型コロナを人に感染させる唾液量のデータによると・・・。

Ct 値が 40 の場合・・・ペットボトル 1 本分の唾液量で感染
Ct 値が 25 の場合・・・スポイト一滴で感染
Ct 値が 20 の場合・・・ミストのように僅かな飛沫でも感染

Ct25 を“スプレッダー” Ct20 を“スーパー・スプレッダー”と分類できるようだ。

データをまとめた慶應義塾大学医学部・西原広史教授によれば、「“スーパー・スプレッダー”マスク無しだと 1 ~ 2 分立ち話をしただけで感染してしまう。マスク越しで会話をしてもマスクの横から漏れてくるエアロゾルが目や鼻に入ってしまうだけで感染してしまう。」ということらしい。

また。鳥取県では、“スプレッダー”“スーパー・スプレッダー”になり得る Ct25 未満の感染者が、第 3 波では 17% だったの対し、第 4 波では現時点で 34% と倍増、変異ウィルスに置き換わったことが要因の一つと見ているようだ。

鳥取県は、 Ct 値を元に感染力の強い人が確認された地域などに「感染増大警戒情報」として注意を呼び掛けていて、現在米子市と県東部全域に出されているようだ。

こんなデータは、全国で共有して欲しいものだ・・・。

知らないうちに、貴方の隣にも、“スーパー・スプレッダー”がいるかもしれない。

次回へ・・・。