「真実の口」1,521 新型コロナウィルス・・・59

前回の続き・・・。

新型コロナウィルスが中国武漢での感染拡大が確認されて日も経たない頃、私は、「このウィルスは、今までのものと違うから、注意したほうが良いよ。」と周囲に伝えていた。

そして、日本がダイヤモンド・プリンセス号の対応に四苦八苦しているころ、対岸の火事とばかりに、他人事のように日本政府の対応を批判していた諸外国に対して、「あっという間に状況は逆転するよ。日本政府の対応を失笑しているどころじゃなくなるわ(笑)。」と嘲笑していた。

更に、各国がロックダウンする中、 PCR 検査の数も増やさず、緩やかに経済を転がしながら状況を見極めながら、緊急事態宣言下でも外出自粛・休業要請という、非常に緩い日本政府の対応を批判する諸外国に対しても、「民度の違いがいずれ判るわ!」と一笑に伏していた。

そして、家族には 5 月末には、殆どが見えてくるから、心配することはないと伝えていた。

ここまでは、殆どが筋書き通りに推移している。

そして、海外での日本の評価は手のひら返しになっている・・・(笑)。

5 月 22 日付の英高級紙ガーディアンでは、「大惨事の一歩手前から成功物語へ 日本はいかにして新型コロナにタックルしたのか」と題した東京発の記事を掲載している。

From near disaster to success story: how Japan has tackled coronavirus

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(訳)

『大惨事の一歩手前からのサクセスストーリー:日本がコロナウイルスに取り組んだ方法』

医療専門家は 1 カ月余り前まで、日本が世界で最も危険なコロナウィルス災害地域の 1 つになると言っていた。

その理由として、ダイヤモンド・プリンセス号への対処の仕方や、東京五輪・パラリンピックの開催にこだわる余り初動が遅れたことなど、新型コロナウィルスを軽視していると海外から批判を浴びていたことが挙げられている。

批評家によると、日本は、医療崩壊を招かぬように PCR 検査をする患者が少なくして、国民皆保険というシステムのために、軽度の症状の患者に集中するあまり、世界で最も裕福な国の 1 つのシンボルがその対応を妨げていると述べている。

しかし、今日、韓国、香港、台湾と同じように、世界的に協調することを選ばなかったにもかかわらず、日本は別のコロナウィルスのサクセスストーリーであることを強く主張することができるとしている。

日本は世界で最大の高齢者人口を抱える 1 億 2,600万人の国でありながら、 30 万人を超える世界の死者数のうち、 16,433 人の感染者及び 784 人の死者を確認しているに過ぎない。

約 1,400 万人が住んでいる東京では、新しい症例は 2 週間以上 40 未満にとどまり、今週 2 日間連続で 5 症例が報告されているだけである。

4 月 17 日(金)に報告された 206 例ピーク時と比較すると、 5 月 22 日(金)には、国営放送局 NHK によると、過去 24 時間に、東京都で、わずか 3 例の新規感染が報告されたのみだったということである。

このような低い数字を達成することは、東京やその他の大都市で症例数が急増し始めた 4 月初旬には、ほとんど不可能と思われたが、一方、隣国の韓国では、検査、追跡、治療の体制が広く賞賛されていた。

4 月 7 日、安倍晋三首相は、各国より遅れて、首都およびその他の影響を受けた地域で緊急事態を宣言し、後に 47 の県すべてを含むように拡大した。

しかし、日本版の「ロックダウン」は、不必要な外出を避け、自宅で仕事をし、社会的な距離感を保つことを要求するものであった。

再利用可能なマスク 2 枚を各家庭に配布したことで、人々は、「アベノミクス」と呼ばれるリーダーの経済政策の遊びである「アベノマスク」の写真をソーシャルメディアに投稿し、嘲笑を浴びせた。

テネオ・コンサルタント会社の日本政治の専門家であるトビアス・ハリス氏によると、「安倍首相は当初から、事態の先を読むのに苦労し、周囲と効果的なコミュニケーションを取らず、後対応のまずさが目立った。」と、この危機の間、安倍首相の業績は芳しくなったと評価している。

日本は余裕を持って、コロナウィルスの急増を回避している。

ヨーロッパ式の封鎖を宣言する法的権限を持たない安倍首相が、「 Three Cs (三密)」を避けることでウィルスに打ち勝つよう国民に呼びかけたことで、新たな感染者数が著しく減少したからだ。

安倍政権は、新型コロナウィルス対応のための政治的な評価を得ていない。

その代わりに、ほとんどの評論家は、パンデミックのずっと前に形成されてきたウィルスに対処する国民の持っていた習慣によるものという結論に至っている。

マスクは冬のインフルエンザの季節や春の花粉症の人たちの間でよく見られる。

握手やハグよりもお辞儀をする習慣、一般的に高い個人衛生基準、家に入るときの靴の脱ぎ履きなどが、日本の感染率の低さを説明する可能性ではないかと思われる。

専門家は、国民皆保険制度、低い肥満率、肺炎治療の専門知識を指摘してきた。

納豆のような免疫システムを高める食品の摂取や、テレビネットワークが行った非科学的な実験によると、日本語を話すことで発生する空気中の飛沫の数が比較的少ないことなど、もっと架空の説が有力になってきた。

「感染症の数が減っているのは、政府の政策のお陰ではないと思います。“生活習慣”や“日本人の行動”など、測定できないもののおかげで、日本はうまくいっているように見えると思います。」と東京医科歯科大学病院の小池龍二副院長は言う。

しかし、個人的な習慣や文化的特徴は、物語の一部を物語っているにすぎない。

日本は海外からの訪問者に制限を課すことを躊躇していたが、大規模な集会の危険性をいち早く認識していた。

美術館、劇場、テーマパーク、その他のアトラクションは数ヶ月間閉鎖されている。

日本のプロサッカーリーグ( J リーグ)は、イギリスで 4 日間にわたり開催され、15 万人が参加するチェルトナム競馬祭の 3 週間前に試合を中止した。

ラグビーや野球も同様に、シーズンの開始を遅らせた。

安倍首相は 3 月初旬に“不必要な”学校閉鎖を呼びかけたことで批判されたが、他の多くの国も同じようなことをした。

早稲田政治経済研究所のロブ・フェイヒー研究員は、日本の発生を食い止める能力を「謎」と宣言することは、個人と集団の行動の役割を無視していると考えている。

「しかし、このことを認識するには、通常の政策関係者を超えて、日本の対応全体が模範的であったことを認識する必要がある」と、フェイヒー氏は今週のTokyo Reviewに書いている。

「しかし、これを認めるには、中央政府のパフォーマンスが望まれていなかったとしても、政策関係者の推論を超越し、日本全体の対応は依然として模範的である可能性があることを認識する必要があります。」とフェイヒー氏は今週の東京レビューで書いている。

日本の非常事態からの段階的な脱却は続いている。

先週、安倍総理は 39 の都道府県で緊急事態対策を終了させ、今週はさらに 3 つの都道府県を追加した。

メディアの報道によると、東京都と他の 4 つの県は早ければ月曜日にもこれに加わる可能性があるという。

しかし、専門家は、 PCR 検査の低さが感染症の範囲を歪めている可能性があることを考慮して、これらの自己満足に対して警告している。

政府の専門家である近江滋氏は、コロナウィルスの真の感染者数が、「報告の 10 倍、 12 倍、 20 倍になる可能性がある」と認めている。

東京の路地裏のバーやレストランが、今週は満員になり始め、都知事が要請した午後 8時の閉店時間を超えて営業している店もあった。

今後の数週間は、流行前の日々に戻るのではなく、「『新しい生活習慣』を作るための挑戦の始まり」であると安倍首相は述べた。

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如何だろうか?

ただ、このニュースを紹介するテレビ放送があったのだが、海外では、日本の“三密”“ Three Cs ”として、改めて、評価されていることを伝えており、正直、ビックリした・・・(笑)。

“ Three Cs ”とは・・・。

Closed spaces with poor ventilation
Crowded places with many people nearby
Close-contact setting such as close-range conversations

いやいや、どの国もやっていたのでは・・・?

話は変わるが、このニュース記事でも、日本が感染拡大を防げた理由を、“ Mystery ”と評しているのだが・・・。

ノーベル賞受賞者であり京都大学の山中伸弥教授が、 4 月半ば、「僕が今とても気になっているのは、日本の感染拡大が欧米に比べて緩やかなのは、絶対に何か理由があるはずだということです。何が理由なのかはわからないのですけれど、僕は仮に『ファクター X 』と呼んでいます。」と言ったことからネットでは、ファクター X 探しが盛り上がっている。

山中教授の挙げるファクター X は・・・。

・クラスター対策班や保健所職員等による献身的なクラスター対策
・マラソンなど大規模イベント休止、休校要請により国民が早期( 2 月後半)から危機感を共有
・マスク着用や毎日の入浴などの高い衛生意識
・ハグや握手、大声での会話などが少ない生活文化
・日本人の遺伝的要因
・ BCG 接種など、何らかの公衆衛生政策の影響
・ 2020 年 1 月までの、何らかのウィルス感染の影響
・ウィルスの遺伝子変異の影響

・・・などである。

ウォール・ストリート・ジャーナルでは・・・。

日本の感染・死亡率の低さをどの程度、政府の功績と認めるべきかは、議論の余地がある。政府当局者は、マスク着用の高まりと定期的な手洗いなどの良好な個人衛生が中心的な役割を果たした可能性があると述べた。日本の 8 つの大学の医学研究者のグループは、“西洋人と比較した日本人や他のアジア人の遺伝的な違い”が東アジアとヨーロッパの違いを説明するのに役立つかどうか調べている。

その他には・・・。

他の種類のコロナウィルスに対して、日本人がすでにもっていた抗体の交差反応(遺伝子配列の近いウィルスに対する免疫反応)ではないかという説

東アジアには昔から中国系コロナウィルスが入っていたため、抗体の中にそれに対する免疫があり、その免疫記憶が機能したのではないかという説

BCG 接種で自然免疫(呼吸器疾患に対する非特異的な免疫)が活性化されたためではないかという説

下記のリンクは、 WHO による各国、各エリアの感染者・死亡者状況である。

WHO Coronavirus Disease (COVID-19) Dashboard

次に、米ジョンズ・ホプキンズ大学のデータによる、 4 月 5 日 13 時時点のデータを基に、山中教授が国別に感染者数・死亡者数を分かりやすく表にしたものである。

新型コロナウィルスによる国別に感染者数・死亡者数

以外に、西欧と北米以外の多くの国では、(10万人に1人以下)死亡率は低いのが分かる

今までの感染症では、公衆衛生の遅れている発展途上国で多く、感染拡大し被害が増えていた。

今回も WHO はアフリカの被害が増えることを警告しているが、以外にも、大陸別ではアフリカの死亡率がもっとも低いようだ。

これは結核やマラリアなど、もっと深刻な感染症で自然免疫が高まっているためと考えられているようだ。

それに比べて、新型コロナウィルスでの死亡率の高い国の共通点は、公衆衛生が整備されて予防接種の義務化をやめた所謂“先進国”である。

基本的に、従来の公衆衛生学的には、病原菌や寄生虫を駆逐して環境を清潔にすることが目的だったので、病原菌がいなくなると予防接種は必要なくなる。

医療が発達して病気が薬で治療できるようになると「反ワクチン派」が増え、予防接種を個人の選択にゆだねるようになる。

そして、主義主張の強い欧米系の民主国家に、新型コロナウィルスの被害が集中していると考えるのは私だけだろうか?

発展途上国では、公衆衛生も治療も十分に出来ないので、感染症が拡がるより、政府が一律に予防接種をして、病気の感染自体を抑え込んだ方が安上がりだ。

日本は、世界に類のない国民皆保険と言う制度の下、先進国の中でも、異例のワクチン予防接種という医療体制が続いている。

今回、日本の感染拡大防止には、何が功を奏したか原因は分からないが、油断をしない方が良い。

私のアンテナは、ビンビンに“アレ”を受信している・・・ヽ(ヽ´Д`)ヒイィィィ!!●~*ヒイィィィ!!(´Д`ノ)ノ

寒い季節にかけて、強烈な○○○○系の変異種が・・・((((;´・ω・`)))ガクガクブルブル

次回へ・・・。