「真実の口」1,527 新型コロナウィルス・・・65

前回の続き・・・。

前回同様、元京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター長の大槻公一氏の話の続きである。

大槻氏は、 1970 年代初めから鳥類のコロナウィルス感染による「鶏伝染性気管支炎( Infectious Bronchitis Virus :略称 IB )」の研究に取り組み、 20 年間近くさまざまな実験を行い、その結果、興味ある実験成績を得たという。

ただし、 IB ウィルスは、コロナウィルス亜科ガンマコロナウィルス属に分類され、新型コロナウィルス( COVID-19 )は、ベータコロナウィルス属に分類されるため、異なる性状を持っていることが考えられるが、同じコロナウィルスであることからいくつかの共通点が見られるようだ。

全世界で、一度、新型コロナウィルスに罹患して、再び陽性反応が出ると言う報告がされている。

再発に関しては、別のウィルスが新たに再感染したのか、ウィルスが体内から完全に消滅していなかったために何らかのストレスが回復者に加わり、再びウィルスが活発な増殖を始めたのかは、未だに解明されていない。

大槻氏は、養鶏産業における IB 予防に向け、 IB 生ワクチンの製造・販売・使用が国内で最初に認可される直前の 1972 年春( IB ワクチンが使用されていない時)に、 IB ウィルス野外株が養鶏場内の鶏にどの程度侵入して感染を起こしているのかを調べたらしい。

結果、検査したいくつかの養鶏場では、飼育されている鶏が IB ウィルス抗体陽性を示したという。

つまり、野外株の IB ウィルスはいくつかの養鶏場にすでに侵入しており、不顕性感染(またはそれに近い軽微な感染)を引き起こしていたことが判明したのです。

不顕性感染とは、細菌やウィルスなど病原体の感染を受けたにもかかわらず、感染症状を発症していない状態を言い、感染症状は抗体陽性や遅延型過敏反応などで確認され、不顕性感染の人はしばしば保菌者(キャリア)となり、病原体を排泄し感染源となる可能性が高い。

新型コロナウィルスにおいての、“無症状感染者”と同じである・・・( ̄へ ̄|||) ウーム

1970 年代当初、 IB に罹患した鶏に発現する臨床症状は、重篤な呼吸器症状をともなう産卵率の激減が典型的なものだったようだ。

当時、大槻氏も公的機関から診断を依頼され、肉眼所見では、呼吸器のほか泌尿器(腎臓)、消化器(腸管)、生殖器(卵巣)に明らかな病変が認められ、 IB は単なる呼吸器性疾患ではなく、病原体の IB ウィルスも複数の臓器に親和性を持ち、複雑な病原性を示す全身性の疾病で、制圧は容易ではないという認識を持ったという。

新型コロナウィルスにおいても、単なる呼吸器性疾患ではなく、多臓器不全に陥ったり、血栓が出来たり、脳梗塞が見られたりと複雑な症状を表す点でも同じと言える・・・( ̄▽ ̄;)アハハ…

IB ウィルスが養鶏場内に侵入すると、瞬く間にほとんどすべての鶏に IB が発生してしまい、 IB ウィルスは、少なくとも狭い空間では、鶏から鶏への伝播力が極めて強い特徴を持っているという。

正に 3 密・・・(笑)。

ここも新型コロナウィルスと一緒か・・・( ̄▽ ̄;)

大槻氏が実施した IB ウィルス抗体調査成績では、重篤な臨床症状を引き起こすものから不顕性感染に終始するものまで、大きな幅があることが分かったと言う。

これも新型コロナウィルスと一緒・・・オイオイ・・ (;´д`)ノ

ちょっと専門的になるのだが・・・。

次のグラフを見て欲しい。

IBウイルスに対する抗体陽性反応結果

外見上健康な産卵中の鶏から採血し、血清中の IB ウィルス抗体保有状況を、抗原性の異なる 4 株の IB ウィルス株を用い、ウィルス中和試験(※ 1 )によって調べ、国内で分離された KH 株(グラフの▲)を中心に作成したものだという。

(※注 1 ) ウィルスと抗体を反応させたあと、鶏などに接種し、ウィルスが抗体によって不活化されたか否かを調べるもの。未知のウィルスがどのウイルスグループに属するかを決めたり、ウィルス感染によって鶏などの血清中にどのくらいの中和抗体が出現したかをみたりするために用いられる。

これにグラフから判断すると、それぞれの鶏の血清中の KH 株に対する抗体価(※注 2 )と他のウィルス株に対する抗体価は、必ずしも連動しておらず、それぞれ独立しており、また、残りの 3 株間の抗体価も連動していないことがわかる。

(※注 2 ) 体の中に侵入してきた、あるウイルス(抗原)に対して対抗する物質(抗体)の力価(量や強さ)のこと。

このことから以下のような疑問が生じたと言う。

【推察されたことと生じた疑問】

( 1 ) この養鶏場には、過去に、抗原性の異なる病原性の弱い IBウィルスの侵入が度々起きていた。

( 2 ) この養鶏場に侵入した IB ウィルスは、そのつど鶏に感染することができ、侵入したIBウィルスごとにそのウィルスに対する抗体を感染鶏は産生した。すなわち、この養鶏場で飼育されている鶏には、 IB ウィルスの 2 度罹り、 3 度罹りが起きていた。

( 3 ) それでは、過去に感染した IB ウィルスに対して産生された鶏の血清中の抗体は、次に侵入した IB ウィルスに対する感染防御作用を示すことはなかったのか? このような 2 度罹り、 3 度罹りが起きる奇妙な現象は、鳥類のコロナウィルスである IB ウィルス以外のウィルスでも、通常起きるのであろうか?

( 4 ) 近々使用が解禁になる IB 生ワクチンに期待されるワクチン効果は何か? IB 生ワクチンが有す、野外から侵入する病原体の IB ウィルスに対する感染防御には、どのようなメカニズムが働くのか?しかし、ワクチン効果の程度は? 野外株による 2 度罹り、 3 度罹りが起きていることを勘案すると、 IB 生ワクチン接種によるワクチン効果はあまり期待できないのではないか?

これを新型コロナウィルスに置き換えてみよう・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛

現在、開発が進められている新型コロナウィルスワクチンに期待されるワクチン効果は何か?

新型コロナウィルスワクチンが有す、海外から侵入する病原体の新型コロナウィルスに対する感染防御には、どのようなメカニズムが働くのか?

新型コロナウィルスワクチン効果の程度は?

再発・再陽性が起きていることを勘案すると、新型コロナウィルスワクチン接種によるワクチン効果はあまり期待できないのではないか?

( ̄へ ̄|||) ウーム

そして、大槻氏はもう一つ気になることを言っている。

「 2003 年に同じコロナウィルス感染による SARS が流行した時にも、予防のためのワクチン開発が中国で鋭意なされているという報道があったことを記憶していますが、ワクチン開発に成功したという話を現在まで聞いていません。

さらに昨年暮れ、 SARS に類似した呼吸器病( COVID-19 )が中国で発生したという報道があった時にも、 SARS ワクチンを使用して予防対策が実施されたという情報はどこからも出てきませんでした。

少なくとも中国では、 SARS ワクチンの開発にはいまだ成功していないと推測しています。

もし、成功していれば、肺炎が発生し病原体が SARS ウィルスに類似したコロナウィルスによるものであることが判明した時点で、 SARS ワクチンが広く用いられてもよかったはずです。

コロナウィルス感染病のワクチン開発には困難がともない、容易には成功しないのではないかと筆者は推測しています。」

如何だろうか?

SARS ワクチンは未だに完成していないと言う事実を知っていただろうか?

来春にはワクチンも完成して、五輪開催とか夢物語を語っている場合ではないような気がするのは私だけだろうか?

抗体検査を進めても、結果は、ご覧のとおりである。

厚生労働省は 6 月 16 日、 3 都府県で計 7,950 人を対象に実施した新型コロナウィルス抗体検査の結果を発表し、抗体陽性率は、東京都で 0.10% 、大阪府で 0.17% 、宮城県で 0.03% だった。

IB ウィルスが鳥類に 2 度、 3 度と罹患するように、もし、新型コロナウィルスが、人類にも 2 度、 3 度と罹患する性状のものだったとしたら抗体検査など何の意味もなさない・・・Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン

次回へ・・・。