「真実の口」1,465 新型コロナウィルス・・・⑤

前回の続き・・・。

前回まで、昨年末の新型コロナウィルスの発生から 1 月末までの感染拡大を時系列で追ってみた。

しかし、ご存知のように、武漢からのチャーター機で帰られた方々、横浜港に停泊している大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船されていた方々と感染者数は増える一方なので、時系列で追いかけるのには限界がありそうだ。

今回は、 1 月末からの世界全体の感染者数の推移を追いかけてみる。

毎日新聞に掲載されたデータを基にしている。

1 月 31 日時点
中国・・・感染者: 9,692 名、死亡者: 212 名
日本・・・感染者: 12 名(その他、 2 例の無症状病原体保有者)、死亡者: 0 名
その他の国・・・感染者: 96 名、死亡者: 0 名

2 月 1 日時点
中国・・・感染者: 11,791 名、死亡者: 259 名
日本・・・感染者: 20 名( 5 例の無症状病原体保有者を含む)、死亡者: 0 名
その他の国・・・感染者: 141 名、死亡者: 0 名
新型肺炎の感染状況(2月1日現在)

2 月 2 日時点
中国・・・感染者: 14,380 名、死亡者: 304 名
日本・・・感染者: 20 名( 5 例の無症状病原体保有者を含む)、死亡者: 0 名
その他の国・・・感染者: 155 名、死亡者: 1 名

フィリピンで、武漢からフィリピン入り中国人男性( 44 )が死亡したと発表され、中国本土外で新型コロナウィルスによる死者が報告されたのは初めて。
新型肺炎の感染状況(2月2日現在)

2 月 3 日時点
中国・・・感染者: 17,205 名、死亡者: 362 名
日本・・・感染者: 20 名( 5 例の無症状病原体保有者を含む)、死亡者: 0 名
その他の国・・・感染者: 163 名、死亡者: 1 名
新型肺炎の感染状況(2月3日現在)

2 月 4 日時点
中国・・・感染者: 20,738 名、死亡者: 425 名
日本・・・感染者: 23 名( 4 例の無症状病原体保有者を含む)、死亡者: 0 名
その他の国・・・感染者: 188 名、死亡者: 2 名

香港で、中国の湖北省武漢を訪れたあと新型のコロナウィルスへの感染が確認された 39 歳の香港在住の男性が死亡し、中国本土外で 2 例目の報告。
新型肺炎の感染状況(2月4日現在)

2 月 5 日時点
中国・・・感染者: 24,324 名、死亡者: 490 名
日本・・・感染者: 35 名( 4 例の無症状病原体保有者及びクルーズ船 14 名を含む)、死亡者: 0 名
その他の国・・・感染者: 201 名、死亡者: 2 名
新型肺炎の感染状況(2月5日現在)

2 月 6 日時点
中国・・・感染者: 28,018 名、死亡者: 563 名
日本・・・感染者: 45 名(その他、 4 例の無症状病原体保有者クルーズ船 20 名を含む)、死亡者: 0 名
その他の国・・・感染者: 219 名、死亡者: 2 名
新型肺炎の感染状況(2月6日現在)

2 月 7 日時点
中国・・・感染者: 31,161 名、死亡者: 636 名
日本・・・感染者: 86 名(その他、 3 例の無症状病原体保有者及びクルーズ船 61 名を含む)、死亡者: 0 名
その他の国・・・感染者: 232 名、死亡者: 2 名
新型肺炎の感染状況(2月7日現在)

2 月 8 日時点
中国・・・感染者: 34,546 名、死亡者: 722 名
日本・・・感染者: 90 名(その他、 3 例の無症状病原体保有者及びクルーズ船 64 名を含む)、死亡者: 0 名
その他の国・・・感染者: 257名、死亡者: 2 名
新型肺炎の感染状況(2月8日現在)

2 月 9 日のデータは、 2 月 10 日が新聞休刊日のため省略

2 月 10 日時点
中国・・・感染者:40,171 名、死亡者: 908名
日本・・・感染者: 161 名(その他、 3 例の無症状病原体保有者及びクルーズ船 135 名を含む)、死亡者: 0 名
その他の国・・・感染者: 287名、死亡者: 2 名
新型肺炎の感染状況(2月10日現在)

感染拡大防止対策として、春節の大型連休が事実上延長されていた中国では、多くの企業や店舗が、 10 日からの業務が再開をしているようだ。

しかし、在宅勤務を続ける企業も多く、経済活動への影響は深刻となっているという。

感染被害が深刻となっている湖北省武漢市では、 1 月 18 日に 4 万世帯以上が参加する春節伝統の大宴会が開催され、これをきっかけに感染が拡大した可能性が指摘されている。

そして、得てして、緊急時には人間の深層心理が露呈してくる。

人類の歴史において人種差別は欧州に限らず様々な地域で古くから見られるが、欧米では、白人がその他の有色人種より優れているという白人至上主義に基づいた差別思想が、植民地主義と相まって 19 世紀後半から 20 世紀前半にかけて広く浸透した。

いくらお上品ぶったところで、その意識は現在も変わらないようである・・・(笑)。

アメリカ・ニューヨークの地下鉄の駅では、男がマスクをつけたアジア系の女性に暴行を加える事件が発生。

アメリカ・アリゾナ州立大では、アジア系の学生らとの接触を避ける動きが拡大し、授業の休講や情報公開を求めたオンライン上の嘆願書には、約 2 万人を超える署名が集まったという。

アメリカ、ワシントン州では、マスクを着用しているアジア系の 8 歳の男の子を、中国人で感染しているのではないかと勘違いしたコストコの試食スタンドの女性従業員が、男の子に「中国人か?あっちに行け。」と言って追い払い、男の子の父親がコストコに苦情を申し立て、ニュースとなった。

カナダのトロント近郊では、 1 月下旬、中国を最近訪れた子供を最低 17 日間は通学させないよう、学校に求める署名運動が起き、約 1 万人がオンライン上で署名したという。

イタリア・ローマにあるサンタチェチリア音楽院では、院長が教員に対し、「東洋人の学生を授業に参加させないことにした。 2 月 5 日に学内の医師の診察を受け、問題がなければ再登校できる」と通知し、差別だとの批判が集まった。

フランスの地方紙「クーリエ・ピカール」は、新型肺炎の記事に「イエロー・アラート(黄色警報)」という「イエロー・ペリル(黄禍論)(※注 1 )」をもじった見出しをつけ、人種差別だと大バッシングを受けた。

(※注 1 )イエロー・ペリルとは19世紀に欧米諸国で起きた黄色人種に対する脅威論で、当時、欧米諸国は日本や中国などアジア地域の近代化と国力増強が彼らにとって脅威になると考えていた人種差別の一種と考えられている。

フランスのメディアでは連日、アジア人に対する差別の実情を報道しているらしい。

「罵声を浴びせられ電車から降ろされた。」
「『コロナウィルスが来た!』と言われた。」
「中学生女子が『コロナ』とあだ名をつけられた。」
「仏男性が自分の子供に『中国人とウイルスがいるから気をつけなさい』とアジア人親子の目の前で言った。」
「大学でせきをしたら『病気をみんなにうつしている』と言われた。」
「チーズ販売店の販売員(アジア系女性)の接客を、仏人夫婦に拒まれた。」

いやはや、フランス人は、アジア人は皆同じに見えるようで、日本人やその他アジア人にも同様の言葉が投げかけられているらしい・・・( ̄▽ ̄;)アハハ…

更に、オーストリアでは、まだ感染者は出ていないにもかかわらず・・・。

「ウイルスを持ち込むなとスーパーマーケットで暴行を受ける。」
「子供が学校で嫌がらせを受ける。」
「バスで子供がコロナウィルスと叫ばれる。」

等々のアジア人に対する「攻撃」事例が続々と報告されているという・・・ε=(´ο`*)))ハアー

まあ、勿論、日本国内でも同様のことは起きているわけだが・・・。

#中国人は日本に来るな(#Chinese Don’t Come To Japan )」というツイッターのハッシュタグがトレンド入りし、中国人差別が起きていることを、米紙ニューヨーク・タイムズで報じられている。

このハッシュタグのリツイートを見ると・・・。

「中国国家ぐるみの細菌テロ」
「日本に毒をまきにきているのか」
「マスクを買い占めるのをやめろ」

等々、感染が拡大しているにもかかわらず、日本に入国して来る中国の人々を図々しいと感じているような暴言が目につくようだ。

また、「中国は出国禁止にすべきだ。」「なぜ、日本は入国禁止にしないのか。」といった政府の対応を批判している声も多数あるという。

いやはや・・・。

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【厚生労働省より】

国民の皆様へのメッセージ

○新型コロナウィルス感染症は、我が国において、現在、流行が認められている状況ではありません。国民の皆様におかれては、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様にお一人お一人の咳エチケットや手洗いなどの実施がとても重要です。感染症対策に努めていただくようお願いいたします。

○武漢市から帰国・入国される方あるいはこれらの方と接触された方におかれましては、咳や発熱等の症状がある場合には、マスクを着用するなどし、事前に医療機関へ連絡したうえで、受診していただきますよう、御協力をお願いします。また、医療機関の受診にあっては、武漢市の滞在歴があることまたは武漢市に滞在歴がある方と接触したことを事前に申し出てください。

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次回へ・・・。