「真実の口」1,460 化学物質過敏症・・・⑩

前回の続き・・・。

シックハウス症候群 

似非シックハウス症候群 

化学物質過敏症 

似非化学物質過敏症

前回の末文で、上記のような表現をした上で、これらを区別しなくてはいけないという表現をした。

私がこの仕事に就いて 20 数年になるのだが、残念ながら、本当にシックハウス症候群や化学物質過敏症で悩まれている方たちに紛れて、“似非”の方たちが少なからずいらっしゃるのが実情だ。

本当にシックハウス症候群や化学物質過敏症で悩まれている方は、私たちの話すことに真剣に耳を傾け、現状を変えたいと心から願われている。

しかし、残念なことに、“似非”の方たちは、馬耳東風・・・。

対策を提案しても、一つ一つに言い訳をして、何一つ実行に移そうとしないのだ。

「可哀そうな私・・・。」

「誰も私の症状を理解してくれない・・・。」

「誰か私にかまって・・・。」

まるで悲劇のヒロインに酔っているかの如くにである。

科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)内で出てきた文言なのだが・・・。

シックハウス症候群は男性よりも女性で訴えが多い傾向があります。

「いわゆる化学物質過敏症」の発症には、環境要因、特に心理社会的ストレスの関与が示唆される。

このように列挙すると、ヒステリックな女性が多い病気とでも勘違いしそうではないか?

男性より女性が症状を多く訴える理由は単純明快である。

男性より家に滞在する時間が長く、化学物質に被曝する時間が長いからである。

我々が、よく耳にするのは、定年後、リフォームして終の棲家にするつもりだったのに・・・。

夫婦問わず、シックハウス症候群になった・・・・。

ガンになった・・・。

鬱になった・・・。

これらに性差はあまり表れない。

( ゚д゚)ハッ!

鬱だけは違うかもしれないか・・・( ̄▽ ̄;)アハハ…

今まで家にいなかった亭主が一日家にいるのが原因で奥さんが鬱になったり・・・。

何やら、最近では、“主人在宅ストレス症候群”という疾病概念もあるくらいだから・・・(笑)。

逆に、旦那の方は、定年退職によって社会との関りが希薄になる「喪失感」や、長年続けてきた生活パターンや環境が大きく変化することへのストレスから鬱になったり・・・。

いやはや、人間の心と言うのは、実に複雑怪奇である。

何故、今回、化学物質過敏症と言うテーマを取り上げたかと言うと、たまたま、前回取り上げたダイヤモンド・オンライン( DOL )」の K クリニック院長の Y 医師による化学物質過敏症に対してのインタビューを行った記事を目にしたからである。

医師の認識でさえこの程度なのかと呆れて、開いた口が塞がらなかった・・・・( ゚ Д ゚!)・・・・マヂカッァァァ

それもそのはず、厚生省のマニュアルも一部だけが切り取られて独り歩きをしている書き込みも多く発見した。

 これを前提とした上での・・・。

この対応では、医師の先入観もそうならざるを得ないというのが人間ではないだろうか?

繋げてみると・・・。

『科学的には化学物質曝露と身体反応には関連はなく、症状の原因が化学物質とはいえないが、個々の患者が何らかの症状があることは事実なので、その訴えを「気のせい」あるいは単純な「メンタル不調」とせず、症状の緩和につながる支援を行うことが必要』

いやいや、無理があるだろう・・・!

シックハウス症候群は予防できる?

予防できるのであれば、何故、毎年一定数の相談件数があるのだろう・・・??

インフルエンザの予防接種と同じようなものなのか・・・???

今年は何型が流行するか分からないから、当たるも八卦当たらぬも八卦みたいな予防接種と一緒なのか・・・????

シックハウス症候群の方は、自宅から離れると症状が出ない・・・(笑)。

シックハウス症候群の方は、自身が反応する化学物質があれば、どこでも症状が出るし、それが出ないように自身で防御策を講じて生活しているが現状である。

日本衛生学会の学会賞を受賞したことのある熊本大学大学院生命科学研究部公衆衛生学・加藤貴彦教授の『化学物質過敏症-歴史、疫学と機序-』という論文の中で書かれている言葉が的を射ていると思う。

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「我が国は、海外に比べて化学物質過敏症の認知度が低く、一般医師には十分な情報が伝達されているとはいえない。

また、化学物質過敏症のような健康障害の存在については、科学的なエビデンスが乏しいことや明確に病態が説明できないことから、その存在自体を疑う研究者も少なくない。

こうした現状から、患者は、家族などの周囲の人々からの病状に関する理解が得られず、悩み苦しんでいることが多い。

しかし、一定数の患者が存在することは事実であり、患者と向き合う臨床現場では、患者、その家族、医師からも、客観的診断方法の確立や治療法の開発が望まれている。

筆者は、化学物質過敏症に関する医療関係者を含めた人々の理解が進み、そして機序のみならず治療法が開発されることを切に願い、今後も啓発活動と研究にとりくんでいきたいと考えている。」

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何時、貴方自身に降りかかるかもしれない病気である。

その時にあなたの味方になってくれる人が誰もいなかったとしたら、如何だろうか?

昨年、 2 月 24 日、日本テレビにて、NNNドキュメント『化学物質過敏症~私たちは逃げるしかないのですか~』という放送があった。

ここで取り上げられた方たちを前にしても、『科学的には化学物質曝露と身体反応には関連はなく、症状の原因が化学物質とはいえないが、個々の患者が何らかの症状があることは事実なので、その訴えを「気のせい」あるいは単純な「メンタル不調」とせず、症状の緩和につながる支援を行うことが必要』という絵空事を言えるのだろうか?

もし、原因の分からない症状で悩まされている方があなたの周りにいたら、是非、私どもの会社のことを伝えて欲しい。

医師よりも的確なアドバイスが出来るかもしれない。

もちろん、医師法・薬機法に触れることなくである・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛