前回の続き・・・。
23 日夕、政府は、首相官邸で新型コロナウィルス対策本部会合を開き、東京、大阪、京都、兵庫の 4 都府県を対象に、緊急事態宣言を発令すると正式決定した。
期間は 4 月 25 日~ 5 月 11 日までで、宣言発令は 2020 年 4 月、 21 年 1 月に続き 3 度目となる。
4 都府県では、酒類やカラオケ設備を提供する飲食店に対し休業が要請され、それ以外の飲食店には午後 8 時までの営業時間短縮が求められるようだ。
また、床面積が合計 1,000m2 超の大型商業施設にも休業が要請され、大規模イベントは原則無観客での開催が求められるそうだ。
更に、同期間、まん延防止等重点措置の適用対象に愛媛県が追加され、既に適用中の宮城、沖縄両県は期限が 5 月 5 日~ 11 日に延長されることとなった。
【新型コロナウィルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見】
『先ほど新型コロナ対策本部を開催し、緊急事態宣言の発出を決定いたしました。
東京都、京都府、大阪府、兵庫県を対象として、期間は 4 月 25 日から 5 月 11 日までであります。
また、まん延防止等重点措置について、この期間において愛媛県を追加し、宮城県、沖縄県も 5 月 11 日までとすることを決定いたしました。
全国の感染者数は、先月以来増加が続き、重症者も急速に増加いたしております。
大阪、兵庫の感染者数は、いわゆるステージ 4 の中でも高い水準にあり、医療提供体制はこれまでになく厳しい状況にあります。
東京、京都においても感染者数の増加ペースが日増しに高まっており、いわゆるステージ4の水準に至っております。
特に懸念されるのは変異株の動きです。陽性者に占める割合は、大阪、兵庫で約 8 割、京都で約 7 割、東京でも約 3 割に上昇するなど、強い警戒が必要であります。
このまま手をこまねいていれば、大都市における感染拡大が国全体に広がることが危惧されます。
こうした中で、再び緊急事態宣言を発出し、ゴールデンウィークという多くの人々が休みに入る機会を捉え、効果的な対策を短期間で集中して実施することにより、ウイルスの勢いを抑え込む必要がある。
このように判断をいたしました。
私自身、これまで、再び宣言に至らないように全力を尽くすと申し上げてきましたが、今回の事態に至り、再び多くの皆様方に御迷惑をおかけすることになります。
心からおわびを申し上げる次第でございます。
今回の宣言の下では、感染源の中心である飲食に対する対策を、夜間に限らず徹底します。
同時に、大都市における人流や都市間の移動を抑え、人と人の接触を減らすために、これまで以上に踏み込んだ対策を実施します。
第 1 に、飲食店における酒類の提供を控えていただきます。
お酒を伴う飲食の機会は、ともすれば、大声、長時間となり、感染リスクが高いことがこれまでも指摘されています。
飲食店においては、 20 時までの時間短縮と併せ、終日、酒類提供の停止を要請いたします。
また、路上などで、飲食店以外であってもお酒を飲むことが感染につながることのないよう、十分な注意をお願いいたします。
さらに、カラオケの提供も停止を要請いたします。
第 2 に、一段と感染レベルを下げるために、人流を抑え、人と人の接触機会を減らすための対策です。
外出を通じた人の接触は感染のきっかけになり得るとの専門家の御指摘もあります。
デパート、テーマパークに加え、一定の規模を上回る商業施設や遊興施設など多くの集客が見込まれる施設について休業を要請いたします。
また、イベントやスポーツの原則無観客での開催を要請いたします。
併せて、皆様には不要不急の外出、さらには帰省や行楽を始め、感染拡大地域との往来はできるだけ控えていただきますようにお願いいたします。
そして、テレワークや休暇の活用により、出勤者を例年並みの 7 割減とするよう、要請いたします。
これまでガイドラインを遵守しながら事業を続け、感染防止に取り組んでこられた多くの方々がおられます。
期間を限った措置とはいえ、休業といった踏み込んだ対策をお願いすることは誠に心苦しく、申し訳ない限りであります。
しかし、今回の厳しい対策の背景の一つには、若年層で感染が拡大しているという現実があります。
そして医療の現場では極限の闘いが続いています。
若い世代での感染を抑制し、リスクの高い高齢者への波及を防ぐ、そうした意識を社会で共有することが強く求められております。
また、クラスターも多様化し、福祉施設、医療機関、飲食店に加え、職場や大学のクラブ活動など、様々な場面での発生が報告されております。
福祉施設等の定期検査に加え、一人一人が意識をもって行動し、マスク、手洗い、 3 密の回避という基本的な予防対策を徹底するよう、お願いいたします。
今回、大きな影響が避けられない飲食、宿泊、商業施設などに、事業の継続に支障が出ることのないよう、資金繰り対策に万全を期すこととし、私が先ほど本部で速やかな対応を全閣僚に指示しました。
また、雇用調整助成金を活用して雇用を守るとともに、緊急小口資金などにより暮らしを守ってまいります。
休業や時間短縮を伴う飲食店は、事業規模に応じた協力金で支援を続けてまいります。
大規模施設の休業要請に対しては、施設の中の店舗を含め、雇用調整助成金に加え、新たな協力金で支援します。
宣言による人出の減少で大幅に売上げが減少する事業者には、新たに一時金を支給します。
また、宿泊事業者の感染防止などの取組を支援してまいります。
さらに、都道府県による事業者支援を後押しするために、 5,000 億円の臨時交付金を措置します。
大阪府においては、医療の現場に危機的な状況が続いています。
国と自治体が一体となって病床確保の調整を行い、 400 床近くを新たに確保できる見込みです。
また、全国から看護師の広域派遣を含め、約 200 名を新たに確保しています。
引き続き国と自治体が協力し、医療体制の確保に全力で対応してまいります。
ワクチンの接種が始まっています。
多くの方々に速やかに受けていただくため、できることは全てやる覚悟で取り組んでいます。
まずは医療従事者への接種を早急に終えます。
そして、ゴールデンウィーク明けまでには約 700 万回分、それ以降は毎週約 1,000 万回分を全国の自治体に配布し、 6 月末までには合計 1 億回分を配布できるようにいたします。
その上で、接種のスケジュールについては、希望する高齢者に、 7 月末を念頭に各自治体が 2 回の接種を終えることができるよう、政府を挙げて取り組んでまいります。
自治体の多くで課題とされる人材確保のために、全国の接種会場への看護師の派遣と歯科医師による接種を可能とします。
先般の訪米では、ファイザー社の CEO に要請を行い、本年 9 月までに全ての対象者に確実に供給できるめどが立ちました。
高齢者への接種の状況を踏まえ、必要とする全ての方々への速やかな接種が済むよう、取り組んでまいります。
新型コロナとの闘いは世界でも一進一退であり、また、予期せぬ変異を繰り返すウィルスの動きには全く予断を許さないものがあります。
しかし、これまでの闘いの中で我々が学んだ知見の積み重ねもあります。
ワクチンという武器もあります。
厳しい闘いにも必ず終わりが見えてくると確信をしています。
まずは緊急事態宣言に基づく酒類提供の停止、そして人流の抑制から成る新たな対策への、皆さんの御協力を心からお願いを申し上げます。
この危機を乗り越えて、安心できる日常を取り戻すことができるように、自治体との協力、病床の確保、ワクチンの接種など、内閣総理大臣としてできることは全て全力を尽くしてやり抜きます。
国民の皆さんの御理解をお願い申し上げます。
私からは以上です。』
さて、3 度目となる緊急事態宣言だが、菅総理の言葉は国民に響くのか?
先週の感染動向を追ってみよう。
由々しき事だが、死亡報告例が増えてきたので、 PDF 形式に変更する。
次回へ・・・。