「真実の口」1,524 新型コロナウィルス・・・62

前回の続き・・・。

ハ●タ●を販売する花●には、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、様々な媒体の誤情報を耳にしたユーザーから、数多(あまた)な使用方法に関する問合せが増えていると言う。

基本的には、“次亜塩素酸水”とハ●タ●を混同している問い合わせが多いようだ。

Q. 「ハ●タ●」や「キッチンハ●タ●」から次亜塩素酸水が作れるの?

A. 「ハ●タ●」や「キッチンハ●タ●」から「次亜塩素酸水」を作ることはできません。

「次亜塩素酸水」は殺菌料の一種であり、塩酸又は塩化ナトリウム水溶液を電解することにより得られる次亜塩素酸を主成分とする水溶液です。液性は酸性で、用途などによって微酸性、弱酸性,強酸性などに調整されています。

「ハ●タ●」と「キッチンハ●タ●」は次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした塩素系漂白剤で、液性は非常に強いアルカリ性です。

成分、液性ともに「次亜塩素酸水」とは異なりますので、これらの製品を薄めても「次亜塩素酸水」を作ることはできません。また、他の成分と混合することで「次亜塩素酸水」を作ることができるどうかの確認もしておりません。

「ハ●タ●」と「キッチンハ●タ●」を薄めた液や、他の成分と混合した液を「次亜塩素酸水」の代わりに使用することは避けてください。思わぬトラブルを招く場合があります。

Q. ウィルスが心配なので、「ハ●タ●」「キッチンハ●タ●」を薄めた液でドアの取っ手やノブを拭いたのですが、その後水拭きが必要なの?

A. 「ハ●タ●」「キッチンハ●タ●」を薄めた液(=希釈液)は、次亜塩素酸ナトリウムが「ハ●タ●」「キッチンハ●タ●」は家庭用塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムを含む)です。非常にアルカリ性の高い製品であり、薄めた液でも材質によっては変色や腐食を起こす場合があります。拭いた後は必ず清潔な布や紙を用いて、しっかりと水拭きしてください。

Q. 「ハ●タ●」「キッチンハ●タ●」を薄めた液は、保存できるの?また、薄めた液を作りおきしたり、外出の時に持ち歩いたりしてもいいの?

A. 「ハ●タ●」「キッチンハ●タ●」を薄めた液(=希釈液)は、次亜塩素酸ナトリウムが分解されやすく効果が持続しません。希釈液は使用の都度、必要な量をつくるようにして下さい。
また、希釈液を作って保存することはおやめください。効果が持続しないだけでなく、液を入れた容器の材質によっては、容器が腐食し、もれや破裂することがあり危険です。
希釈液を持ち歩くこともおやめください。液がもれた場合、衣類について脱色したり、手肌について皮膚を傷めたりするおそれがあります。

Q. 「ハ●タ●」「キッチンハ●タ●」を薄めた液を手指などの消毒に使ってもいいの?

A. 安全のため手指などへのご使用はおやめください。
「ハ●タ●」「キッチンハ●タ●」は家庭用塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムを含む)です。非常にアルカリ性の高い製品であり、薄めた液でも皮膚を傷めるおそれがあります。皮膚についた時はすぐに水で充分洗い流してください。

Q. 「ハ●タ●」「キッチンハ●タ●」を薄めた液を加湿器や空気清浄機に入れて使ってもいいの?

A. 大変危険ですので、おやめください。「ハ●タ●」や「キッチンハ●タ●」は薄めた液(=希釈液)でもアルカリ性が強く、加湿器などで霧状に噴霧された希釈液を吸い込むと、せき込んだり、呼吸器に異常をきたしたり、目に入ると失明のおそれもあります。
また、機器の動作不良や故障の原因になる場合もあります。

質問の最後には、必ず、次の一文が添えられている。

※「ハ●タ●」「キッチンハ●タ●」が目に入ると、薄めた液でも失明のおそれがあります。また、使用の際には必ず換気するなど、十分な注意が必要な製品ですので、必ず使用方法や使用上の注意をよくお読みください。各製品の表示は下の製品画像をクリックするとごらんいただけます。

いやはや、都度対応するのが大変だろうなあと想像が付く・・・┐( -_-)┌ ヤレヤレ

厚生労働省のお墨付きを得た感がある『食器・手すり・ドアノブなどの身近な消毒には、アルコールよりも熱水や塩素系漂白剤が有効』という文言の影響も少なくないと思う。

私は、生活において、通常の使用用途しての洗濯や食器洗い以外への使用は、できるだけ避けた方が良いと思うのだが、この Blog を読まれている方なら、何をどうすれば良いのかはご理解いただいていると言う前提で、塩素系漂白剤の使用判断は個々に任せることにする。

一応、こんなご時世だから、売れるものなら少々危険でも売ってしまえ的な商品も出回ったりするので注意が必要だ。

平成 25 年 2 月、新型インフルエンザに対する恐怖がジワジワと伝わりだした頃の話である。

首に掛けるだけでウィルスや菌を除去できる「空間除菌」効果をうたった「ウィルスプロテクター」なる商品が出回った。

しかし、次々と、事故被害を訴える声が上がった。

◆重大事故等

・平成 25 年 2 月 2 日
・千葉県
・重症 1 名
・除菌剤(プレート型)を首から下げて幼児を抱っこしていたところ、幼児の胸部が体幹接触皮膚炎の重症。

◆重大事故等以外
ア 自治体からの情報
<事例 1 >
・平成 25 年 2 月
・男性 10 歳未満
・母親が友人から通販で購入した空間除菌を謳う、ウィルスプロテクターをもらい、子供の首にかけて利用したところ、胸にやけどのような赤い跡が出来て水疱になった。

<事例 2 >
・平成 25 年 2 月
・男性 10 歳代
・インフルエンザに効くとある首から下げるカードをポケットに入れていたところ、大腿部にやけどを負った。

イ 医療機関からの情報
<事例 1 >
・女性 50 歳代
・腹部に Ⅱ 度のやけど。衣服の上から密着。洋服は脱色。数時間密着か。汗をか いた。

<事例 2 >
・男性 40 歳代
・腹部に Ⅱ 度のやけど。衣類の上から、かけていた。

<事例 3 >
・女性 30 歳代
・肌着の上からつけた。子どもを抱っこしていたら穴の空いたほうが皮膚側になっていたようだ。 3 時間位たったらひりひりした。

これらの商品は、消費者庁から使用中止のプレスリリースが即座に出された。

次亜塩素酸ナトリウムを含むとの表示がある「ウィルスプロテクター」をお持ちの方は直ちに使用を中止してください。

今回もネットで調べると、似たような商品がある・・・(笑)

余談だが、近年、エアコンの掃除を塩素系漂白剤で行うことを進める業者やウェブサイトが多いが、これも、かなり危険を孕むので要注意とだけ伝えておこう。

さて、次に、“次亜塩素酸水”だが・・・。

自治体が一生懸命配布している、この“次亜塩素酸水”に関しては、残念なお知らせがある・・・(笑)

現在、経済産業省から、新型コロナウィルスの消毒方法の一つとして“次亜塩素酸水”の有効性の検証の要請を受けている“製品評価技術基盤機構( NITE : National Institute of Technology and Evaluation)”が、 5 月 29 日、「現時点において、“次亜塩素酸水”の新型コロナウィルスへの有効性は確認されていない。」との中間結果を公表したのだ・・・。

更に、「噴霧による人体への安全性については、確立された評価方法が存在していない。」、また、消費者からの事故情報データバンクに「空間噴霧による健康被害とも捉えられる報告が届いている。」と報告している。

“次亜塩素酸水”については、国会でも取り上げられていたようだ。

厚労省の宮嵜雅則・健康局長が、 4 月 2 日、衆議院「消費者問題に関する特別委員会」で、立憲民主党の尾辻議員の質問に対して、以下のように答弁している。

「現時点では明確な有効性は示されていないということで、厚生労働省としては、新型コロナウィルス感染症に関しては推奨してございません。」

尾辻議員はこの回答を受け、「次亜塩素酸ナトリウムとアルコールのみが、新型コロナウィルスの消毒として有効か?」と聞いた。

宮嵜局長は、「一般の方が普通に手に入るということで申し上げれば、まさにご指摘のとおり、次亜塩素酸ナトリウムとアルコール、消毒用アルコールでございます。」と答えている。

更に、“次亜塩素酸水”の使用方法について、警鐘を鳴らしている科学者もいる。

物理化学が専門の京都女子大学名誉教授・小波秀雄氏は以下のように語っている。

「次亜塩素酸ナトリウムは『危険』だが、次亜塩素酸水は『安全』という情報が、ネット上を中心に見受けられます。でも、それは間違いです。どんな物質にも適切な使い方がある。しかし、政府からの情報が乏しい次亜塩素酸水については、消費者が使用する段階での不適切な扱いが避けられない。たしかに濃度が薄ければ、人体に問題はありません。ただし、濃度が極めて薄ければの話です。次亜塩素酸水の使い方として口コミで広がっているのが、加湿器で噴霧する方法で、これが一番危険だ。空間に次亜塩素酸水が放出されれば、口や鼻を通して体内に吸収されるから、絶対にやってはいけないのに噴霧している人が多すぎる。次亜塩素酸水に含まれる塩素は、生きているものを殺すわけですから、皮膚や粘膜をも破壊するんです。体に優しく、高い殺菌力を持つ消毒剤なんかありません。ウィルスに効果あれば、人体にも有害なわけです。吸い込んだら危険ですよね?更に、(危険なのは)次亜塩素酸水によって消毒したつもりになってしまうことだ。次亜塩素酸水は、化学的に不安定な水溶液でもある。直射日光を浴びせず、どんなにしっかりと保管していても、時間の経過とともにその効果が失われてしまう。不純物が入っても同様だ。『ウィルスに効く』と称して、効かないものを売る業者に注意しなくてはいけません。おそらく全く役に立たない商品も売られ、消費者に使われています。これで消毒ができたと思い、手洗いや換気などをおろそかにするのを恐れています。」と語っている。

次に、生物物理や化学物理が専門の山形大学理学部の天羽優子准教授氏は以下のように語っている。

「消毒薬は、程度の差があるだけで、人体にとっては劇物や毒物である。従って、菌やウィルスとだけ反応して、人体とは反応しないような、都合の良い消毒薬は存在しない。たとえ消毒用アルコールであっても、長時間にわたって指先を浸したり、何回も使用したりすれば手荒れを起こす。目や鼻の奥などの粘膜に触れたら刺激が強く、炎症を起こしてしまう。その蒸気を吸っていれば、肺を痛める恐れもある。噴霧しても“安全”と謳う商品は、『安全なかわりに殺菌に有効な濃度が出ていないのではないか。もしくは、安全性の確認の実験が甘いかどちらかではないか?』。また、消毒薬のミストでどうにかできるなら、とっくに病院が実践しているはずです。医療現場においては、人がいる空間において消毒薬の噴霧は推奨しないのが「原則」だとしたうえで、「まずは原則に従うのが当然。マニュアルとして確立するまでは、その消毒方法は無効と判断するのが、安全側に振った考え方。」と語っている。

最近、“次亜塩素酸水”を使って部屋をクリーンにしようと言う空気洗浄機やエアコンが見られるが、果して大丈夫なのか・・・(笑)。

如何だろう・・・?

これでもあなたは、“次亜塩素酸水”“次亜塩素酸ナトリウム”を使いますか?

次回へ・・・。