2016年(平成28年)4月14日21時26分、熊本県熊本地方を震央とする強い地震があった。
震源の深さ：11km、マグニチュード：6.5、熊本県益城町では最大震度7が観測された。
これが、平成28年度熊本地震の始まりだった。
誰もがこれを前震とは予想もしていなかった・・・。
その約28時間後の4月16日1時25分、同じく熊本県熊本地方を震央とする強い地震があった。
震源の深さ：12km、マグニチュード：7.3、西原村と益城町で最大震度7が観測された。
当初、4月14日の地震観測後に発生するものは余震であり地震の規模で上回るとは想定されていなかったのだが、
気象庁は同日、4月16日1時25分発生の地震が本震で、4月14日21時26分の地震は前震であったという見解を発表した。
マグニチュード：7.3 は1995年(平成7年)に発生した阪神・淡路大震災と同規模の大地震である。
その後の調査により、14日の前震は日奈久断層帯の北端部の活動、16日の本震は布田川断層帯の活動によるもので、隣接する二つの断層帯が連動することで発生した連動型地震とみられている。
活断層型地震でマグニチュード6.5以上の地震の後にさらに大きな地震が発生するのは、地震の観測が日本において開始された1885年(明治18年)以降で初めてのケースらしく、震度7が2回観測されたのは、現在の気象庁震度階級が1996年に制定されて以来、初めてという、誰もが体験したことない地震が熊本・大分を襲った。
平成 29 年 3 月 31 日、内閣府から発表された熊本地震の被害状況は以下のようになっている。
■人的被害
・死亡者数：225人(熊本県：222人、大分県：3人)
・重傷者数：1,143人(熊本県：1,124人、大分県：11人、佐賀県：4人、宮崎県：3人、福岡県：1人)
・軽傷者数：1,604人(熊本県：1,552人、大分県：22人、福岡県：16人、佐賀県：9人、宮崎県：5人)
≪参考≫死者数の内訳
【熊本県から報告】(平成29年3月30日16:30現在)
・警察が検視により確認している死者数：50人
・災害による負傷の悪化または避難生活における身体的負担による死者数：167人
(うち、市町村において災害弔慰金法に基づき災害が原因で死亡したものと認められたもの：164人)
・6月19日から6月25日に発生した豪雨による被害のうち熊本地震との関連が認められた死者数：5人
【大分県から報告】(平成29年3月13日16:30現在)
・害弔慰金法に基づき災害が原因で死亡したものと認められたもの：3人
死亡者数を見て、「あれ？」と思った方も多いのではないだろうか？
私が熊本地震から3か月後に報告した『平成28年熊本地震から3ヶ月』では、平成28年7月14日現在、55人と報告しているのである。
地震の全容が把握できるようになって以降の内閣府から発表された人的被害を時系列に並べてみる。
≪平成28年4月26日≫
死亡者数：49人、重傷者数：283人、軽傷者数：1,107人
≪平成28年5月16日≫
死亡者数：49人、重傷者数：360人、軽傷者数：1,311人
≪平成28年6月16日≫
死亡者数：49人、重傷者数：347人、軽傷者数：1,318人
≪平成28年7月14日≫
死亡者数：55人、重傷者数：392人、軽傷者数：1,422人
≪平成28年8月1日≫
死亡者数：64人、重傷者数：604人、軽傷者数：1,450人
≪平成28年9月14日≫
死亡者数：98人、重傷者数：830人、軽傷者数：1,491人
≪平成28年10月14日≫
死亡者数：110人、重傷者数：919人、軽傷者数：1,488人
≪平成28年11月14日≫
死亡者数：137人、重傷者数：993人、軽傷者数：1,486人
≪平成28年12月14日≫
死亡者数：161人、重傷者数：1,087人、軽傷者数：1,605人
≪平成29年1月18日≫
死亡者数：181人、重傷者数：1,107人、軽傷者数：1,604人
≪平成29年2月15日≫
死亡者数：202人、重傷者数：1,123人、軽傷者数：1,604人
≪平成29年3月14日≫
死亡者数：211人、重傷者数：1,142人、軽傷者数：1,604人
≪平成29年3月31日≫
死亡者数：225人、重傷者数：1,143人、軽傷者数：1,604人
驚かれたのではないだろうか？
東日本大震災のように津波でさらわれて行方不明になり、その後、ご遺体(あるいはご遺体の一部)が見つかり、行方不明者が減って、その分の死亡者数が増えている訳ではないのである。
また、重傷者数が減り、死亡者数に移しているわけではないのである。
次回へ・・・。
